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金曜の夜。
俺はリビングで、コンビニ弁当を食いながら考えてた。
(このままじゃ、たぶん、ダメだ)
るかが、リビングに来なくなってもう二日。
部屋にこもって、ほとんど顔も合わせない。
それが、地味に、しんどかった。
⸻
(……別に、仲直りしたいとかじゃねぇけど)
(この空気、マジで無理)
気付いたら、
自分のスマホを握ってた。
何をするかも考えずに、
立ち上がって、るかの部屋のドアの前に立った。
コンコン。
軽くノックする。
中からは、何の音もしない。
⸻
「……るか」
声をかける。
少し間があって、
ドア越しに、るかのかすれた声が返ってきた。
「……なに」
俺は息を吐いて、
適当に言った。
「飯、行かね?」
沈黙。
⸻
(やっべ、なんだこれ……)
自分でも、
どんな顔してるのかわかんなかった。
なんで急に誘ったんだ、とか、
断られたらどうしよう、とか、
そういうのが一気に頭をよぎった。
でも、
そのあと。
「……どこ」
るかが、
すごく小さい声で聞き返してきた。
⸻
俺は、
少しだけ口元が緩むのを自分で感じた。
「適当。外、歩いて探す」
「……わかった」
それだけ。
部屋の中から、
ふわっと、小さな物音がした。
たぶん、るかが立ち上がった音だった。
⸻
きっかけなんて、どうでもよかった。
ただ、
また、るかと一緒にいたかっただけだった。