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一つ屋根の下、地雷注意報

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一つ屋根の下、地雷注意報

19 - 第十八話:「きっかけなんて、どうでもいい」

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2025年05月16日

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金曜の夜。
俺はリビングで、コンビニ弁当を食いながら考えてた。


(このままじゃ、たぶん、ダメだ)


るかが、リビングに来なくなってもう二日。

部屋にこもって、ほとんど顔も合わせない。


それが、地味に、しんどかった。



(……別に、仲直りしたいとかじゃねぇけど)


(この空気、マジで無理)


気付いたら、

自分のスマホを握ってた。


何をするかも考えずに、

立ち上がって、るかの部屋のドアの前に立った。


コンコン。


軽くノックする。


中からは、何の音もしない。



「……るか」


声をかける。


少し間があって、

ドア越しに、るかのかすれた声が返ってきた。


「……なに」


俺は息を吐いて、

適当に言った。


「飯、行かね?」


沈黙。



(やっべ、なんだこれ……)


自分でも、

どんな顔してるのかわかんなかった。


なんで急に誘ったんだ、とか、

断られたらどうしよう、とか、

そういうのが一気に頭をよぎった。


でも、

そのあと。


「……どこ」


るかが、

すごく小さい声で聞き返してきた。



俺は、

少しだけ口元が緩むのを自分で感じた。


「適当。外、歩いて探す」


「……わかった」


それだけ。


部屋の中から、

ふわっと、小さな物音がした。


たぶん、るかが立ち上がった音だった。



きっかけなんて、どうでもよかった。


ただ、

また、るかと一緒にいたかっただけだった。


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