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嶋崎を倒し、一時的な勝利を収めた雅也たち。しかし、嶋崎の持ち物から発見された一冊の古びた巻物が新たな波乱を呼び起こす。それは「呪具」に関する記述であり、その力が戦乱をさらに混迷させることを示唆していた。
嶋崎の死後、加藤が巻物を手に取り、渋い顔をしながら中を開いた。
「なんや、これ。古臭い筆文字で書かれた…呪術か?」
雅也が近寄り、興味深そうに覗き込む。
「なんやて?見せてみい。」
そこには古代の文字と図解が描かれており、「呪具」と呼ばれるアイテムが詳細に記載されていた。その中には、武器を強化する呪具や、使い手に恐ろしい異能を付与するものがあると説明されている。
橘の銃を手にしていた雅也は考え込む。
「呪具やて…これ、もし幕府がもっと多くの呪具を手にしとったら、俺ら全滅や。」
加藤が軽く肩をすくめた。
「つまり、これを使うか破壊するかの選択やな。でも、俺の天雷剣に追加の力なんて要らんで。」
雅也たちは知識の豊富な協力者を訪ねることにした。その人物は、京の外れに住む謎めいた僧侶、慈遠だった。
慈遠は巻物を手に取り、慎重に目を通す。
「これは恐ろしいものだ。呪具は力をもたらすが、必ず代償を伴う。多くの場合、それは持ち主の命そのものだ。」
加藤が腕を組みながら皮肉っぽく言う。
「命を差し出してまで強くなりたい奴もおるっちゅうことか。そんなもん、アホやろ。」
慈遠は微笑を浮かべた。
「愚かさは力に魅了される者の常だ。この呪具が戦場に現れるなら、災厄が訪れるのも時間の問題だろう。」
一方、幕府では密かに呪具を集める動きが進んでいた。呪術師・西園寺和泉が、幕府の背後で暗躍している。彼は雅也たちの巻物を取り戻し、さらに多くの呪具を発見するべく動いていた。
幕府の上層部に集まった武士たちの前で、西園寺は冷たく言い放つ。
「雅也たちが持ち去った巻物には、重要な呪具の在りかが記されている。だが、心配は無用だ。我らが先にそれらを手に入れる。そして奴らを呪具の力でねじ伏せる。」
京に戻った雅也たちは、巻物の中に記された最初の呪具の在りかを知る。それは琵琶湖の底に隠されているとされる「龍牙の剣」だった。
慈遠が警告する。
「この剣は危険だ。手にした者の肉体を蝕むと言われている。」
雅也は天を仰ぎ、つぶやく。
「けど、この剣を幕府が手に入れたら終わりや。俺らが先に見つけるしかない。」