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移動車の中。私は後部座席の真ん中に座っていた。
……いや、正確には「座らされていた」。
〇〇)詰めすぎじゃないですか?
深澤)いいの
深澤さんが即答する。
岩本)揺れるし
岩本さんが自然に反対側を塞ぐ。
渡辺)ほら、転ぶでしょ
渡辺さんがシートベルトを確認する。
〇〇)過保護すぎません?
目黒)今更
目黒さんが淡々と言った。
目黒)俺ら、最初からこう
最初から?
この言葉に、胸が小さく跳ねる。
ラウール)ねえ
ラウールが覗き込んでくる
ラウール)今日、誰かに声かけられた?
〇〇)え?
ラウール)現場で……変な人
〇〇)居ませんよ
そう答えた瞬間、空気が変わった。
阿部)”いない”じゃなくて
阿部さんが静かに言う
阿部)”覚えてない”可能性もある
渡辺)集中切れてる証拠だよ
渡辺さんが続ける。
渡辺)今日は俺が隣見るから
岩本)じゃあ俺は後ろ
岩本さんが即座に言う。
〇〇)役割分担?
宮舘)当然
宮舘さんが微笑む。
〇〇)貴方を安全にお連れするのは、私たちの
責任です。ちょっと大げさでは……
目黒)大げさじゃない
目黒さんが低く言った。
目黒)俺らが嫌なんだ。
〇〇)何がですか?
一瞬、沈黙。
目黒)無理してる顔
短く、でも真っ直ぐな言葉。
〇〇)……
何も返せなかった。
向井)なあ
向井さんが笑いながら割って入る。
向井)今日はさ、ちょっと楽に行こ
俺らが頑張る日
佐久間)そうそう
佐久間さんが頷く。
佐久間)君は存在してるだけでいいの
〇〇)それ、アイドルの台詞じゃないですよ
佐久間)俺ら、アイドルだから
ふざけたようで、優しい声。
車が号で止まる。
その拍子に少し体が揺れて、自然と誰かの肩に触れた。
〇〇)…ごめんなさい
目黒)いい
目黒さんだった。
肩を引くどころか、ほんの少しだけ距離が縮まる。
目黒)離れなくていい
心臓がうるさい。
これって、マネージャーとして普通?
そう思おうとするたび、九人の視線がそれを否定する。
ラウール)ねえ
ラウールが小さく言った。
ラウール)俺たちさ…君がいない現場、想像で
きない
その言葉に、
胸の奥がじんわり熱くなる。
私はまだ気づいていない。
この距離が、もう「仕事」だけじゃないことを。