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好きで、好きで、どうしようもなくて
あなたの全部が欲しいのに
その全部が何かわからなくて
何度身体を重ねても、欲しいが止まらなくて
「あっ……、はぁっ、…あっ、ぁ…」
「涼太…、好き、大好き」
「んっ!れ、ん…っ」
何度求めても、応えてくれる愛しい人
本当はどう思ってるのかもわからない
その優しさにつけ入って、思いの丈をぶつけ続ける
「も……っむり”…、あ、あ……ぁっ!蓮…っ」
「っ愛してる…、涼太…っ」
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「ねぇ目黒、何かあった?」
「どうして?」
「何か……、今日ねちっこい」
「そう?」
まだ足りない
満たされない
この気持ちをどうしたらいいのかわからない
「…俺に、何かしてほしいことある?」
「してほしいこと…?」
これ以上何を望んでいるんだろう
何が欲しいんだろう
「舘さんが欲しい」
「…まだ、足りないの?」
「舘さんの全部が欲しいの」
「俺の、全部…?」
「うん。全部」
全部って、なんだろうね?
愛されてるって自覚はあるし
こうして身体を重ねることも、きっと負担なのに受け入れてくれる
これ以上、何を望み求めるんだろう…
「……俺の人生ってこと?」
「…人生?」
「俺の時をここで止めてしまえば、俺の全部は目黒のものになる」
「それって、どういう…」
バスローブの腰紐を首に巻いて、交差させると、その両端を俺に手向けてその人は微笑んだ
「止める?俺のこれまでの時も、これからの時も…。目黒の手で」
「!……そんなこと…」
「俺が与えられるのは、もうそれくらいしかないから」
哀しそうに微笑む彼を、力いっぱい抱きしめた
宥めるようにそっと背中に回された腕に、どれほど心穏やかになったか知れない
何が不安だったんだろう?
何が不満だったんだろう?
彼の今在る全てを受け止めきれていなかった自分を恥じた
「ごめんね、欲張りになりすぎた…ごめん」
優しく抱きしめてくれる温もりが、全ての答えのようで
頻りに溢れる熱い涙は、彼の肩口を濡らし続けた
「目黒、好きだよ」
「ありがとう…。大好き」
その温かさは心まで優しく包み込み
漠然とした不安も、ドス黒く渦巻いていた欲望も
全てを浄化するように溶かしていった