テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
七瀬🍏
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
◆
「だってみつるんわかりやすいから。」
甘い空気が漂う。
気づけば、震える手に指が絡んでいた。
「…いいの」
「何が?」
「……うまく、言えないけど…」
「男同士だから?
ま、今更じゃないスか。親父よりマシっス。」
「………」
思わず指にぎゅっと力が入った。
離したくない。どうしても。
心臓がバクバクうるさい。親を殺した時以来だ、こんなに焦るのは。
綺麗な指。食べたい。いい匂いがする。
どうしよう。どうしよう。どうしよう──。
沈黙に耐えかねたのか、颯くんが口を開いた。
「…その。付き合って、ください。満先輩…。」
「…は──」
顔が見れない。体が震えてどうしようもない。混乱と自己嫌悪の波は、いつの間にか涙に変わって排出されていた。
「せ、先輩…?感極まりすぎっスよ、もう。
…大丈夫スか?ぎゅーします?」
広げられた腕に迷わず飛び込んだ。
颯くんの肩が涙で濡れるのも構わずに、顔を埋めた。
「…ありがとう……。」
ああもう、僕は先輩なのに。いつもこうだ。颯くんが先を行って、僕はその後を着いていくばっかりで。
…たまには、導いてやらなきゃ──
…ぺろ
ちぅ♡
「…!?」
◆
「う、ん♡」
首筋に啄むようなキスを落とすだけでも、颯くんの体は震えた。
一生懸命僕の服を掴んで、頑張って着いてくる。
れろ♡ぷちゅ♡
「みみっ♡くすぐったい…♡」
綺麗な首筋に噛みつきたいのを我慢して、耳の中や裏ばかり愛撫していた。
「耳、嫌い?」
「……んーん…好き…♡」
「よかった。」
ちゅ♡
その日は怖くて、それ以上は進めなかった。
メールで「今日はありがとう」と返すので精一杯で、その後は布団でうずくまって自慰をした。
食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい食べたい────
びゅ♡ぴゅく、びくっ♡
──その後たくさん嘔吐した。
◆
あれから、また衝動的に人を食べるようになった。
ネットで死にたいって呟いた人を捕まえるのが、一番簡単で罪悪感が少ない。
煮て、焼いて、食べて。血抜きをしないまま食べるのも好きだった。
…足りない。
何も満たされなくて、また吐いては食べるを繰り返した。
颯くんが僕の家に来たいと言ったが、丁重に断った。
◆
「みつるんおはよー!」
「おはよう、颯くん」
夏休みが明けても僕たちの仲は良好だ。今日も一緒に弁当を食べて、一緒に帰る予定だ。
あれからいつも颯くんの家に行ってはゲームをしたりイチャイチャしたり。まあ、後者が圧倒的に多い。
でもキス以上には中々進めなくて、そのタイミングを逃すたびに「颯くんが焦ったそうに不貞腐れるのが可愛いから。」なんて言い訳をしているが、そろそろ限界だろう。
「したくないんスか」
「限界っス」
「俺みつるん用に道具買っちゃったっスよ」
「ずっと自分でしてろって言うんスか」
せがまれた時、さすがに少し可哀想になって
初めてそれ以上に進むことを決めた。