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2025.8.27~

こちらの……

『 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい』は、

すでに小説として『夫のことが好きなのに*.✿.*』完結済を掲載している作品になります。


今回は改稿してシナリオ風に編集して掲載していきたいと思います。

どうぞ宜しくお願い致します✿



【シナリオ風物語】

――――― 〇……場面や場所

N……ナレーション、語り

「」……台詞

()……心の声 ―――――


** **


〇駅のプラットフォーム


在来線のプラットフォームは人でごった返している。

その中に独身時代の滉星もいた。


人の多さに少しうんざりしながら人々を眺めていると、滉星の目がひとりの女性の後ろ姿に留まる。

その女性がふと横を向いたとき、滉星は「はっ」とする。

その女性はひまりだった。

滉星は思わずひまりに声をかける。




滉星「前田さん!」


その声にゆっくりと振り返るひまり。ひまりは滉星に気づくと目を丸くして、はにかむように笑った。


N「あのときは、まさかこんな日が来るなんて思ってもみなかった……」




〇ひまりと滉星の暮らす家



仕事へと向かう滉星をひまりが玄関まで見送る。


滉星「じゃあ、いってきます」

ひまり「うん、いってらっしゃい」


笑顔で見つめ合う2人。

滉星がひまりにキスをすると、ひまりは嬉しそうな、恥ずかしそうな表情を浮かべる。

そんなひまりの頭を愛おしそうに撫でる滉星。


滉星が玄関を出ると、ひまりはうきうきと家事に取りかかる。



N「私と滉星は大学時代の同級生。卒業後はそれっきり。

連絡を取り合うどころか、そもそも私たちはお互いの連絡先も知らなかった。

そんなある日、偶然に駅で再会して、それがきっかけで付き合うように。

2年半の交際を経て、晴れてゴールイン。



優しくて真面目な夫と結婚できて、この世に私ほど幸せな人間はいないと思っていた。

そして、この幸せがこの先もずっと続くと信じて疑いもしなかった。……このときまでは」





ひまりは機嫌良く鼻歌を歌いながら洗濯に取りかかる。


ひまり(洗濯して、掃除して、お昼は残り物で済ませるとして、晩ご飯は何にしようかな~。

まぁ、滉星くんの好きなものばっかりになっちゃうんだけど)


「ふふふっ」と笑うひまり。


しばらく家事を進めていたひまりだったが、スマホに何か通知が来ていることに気づく。



ひまり「あれ~? 滉星くんかな」


スマホの画面を確認すると、SNSのほうにDMが来ているようだった。


ひまり(また詐欺系のメッセージかな~。最近多いなぁ)



ひまりは少しめんどくさそうな表情を浮かべながらDMを確認するも、

その内容を見て一瞬にして固まった。


ひまり「……は……? え……?」


DM「ご主人が社内のある女性と不倫しているのをご存じですか? 何も知らない奥様がお気の毒で……」


そのDMには画像が3枚添付されていた。


1枚目はガラス張りのバスルームの前で女性が自分を撮影したもの。

女性の顔はよくわからない。

目のあたりは見切れていて、鼻の一部といやらしく口角を上げている真っ赤な唇、

その輪郭から続いて華奢な首と肩が写っている。


女性の奥にはバスルーム内でシャワーを浴びている男性も写っている。

ただ、その男性も小さく写っており、顔まではわからない。


ひまり(で、でもこんなの今は簡単に合成できるし……)



2枚目は明らかに滉星のものだとわかるネーム入りのジャケット。

それを見て、合成ではないと確信し、青ざめるひまり。

3枚目は2人が利用したのであろうホテルの正面画像だった。


N「……滉星が不倫……?」


ひまり(嘘でしょ……式を挙げてからまだ2か月だよ……? こんなことってある……?

でも、これって相手の女は本気ってことよね……)


呆然としながら、ひまりは天井を見上げる。


ひまり「あーあ……」


ひまり(……この世に私ほど幸せな人間はいない、なんて思ってたのに……今や

世界中探したって、こんな不幸な奥さんっていないんじゃないの……?)





〇回想シーン



交際していた頃のひまりと滉星。


N「他愛ない話で盛り上がったり、旅行に行ったり……」


挙式後、新婚生活での日常。


N「結婚してからだって、ずっと仲良くしてたじゃない……」


ひまりの中で、滉星との思い出にひびが入っていく。






〇ひまりと滉星の暮らす家



滉星の帰宅後もひまりは笑顔を作りながら何事もなかったかのように滉星と接する。

当の滉星は何も気づいていない。


N「滉星の裏切りに私は狼狽え、悲しみに暮れた。

毎日、今まで通り普通に接してくる滉星の顔を見ることが……滉星と交わさなければ

ならない会話が……」


ひまりはひとり、リビングの机に突っ伏して涙をにじませながら言葉を漏らす。


ひまり「苦しい……」


N「――苦しくて堪らない」


それでもひまりはどうにか滉星との生活を続けた。





N「愛する夫の知らない一面を知り、絶望感の中で過ごす日々。

もはや信頼できなくなってしまった夫を自分がまだ好きなのか、愛情があるのかすらも

わからなくなってしまった。


そして、悲しみと苦しみの次にやってきたのは例えようのない大きな不安だった」




ひまり(今はまだ自分の気持ちに向き合うだけでいっぱいいっぱいだ……。

滉星ときちんと話をしたほうがいいのはわかってるけど、今は冷静に話せる気がしない……。

そもそも何て話せばいいの……?)


頭を抱えるひまり。


N「例のDMが送られてきてから10日間、ひまりは滉星を問い詰めることなく耐えた」

『✿ 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 』

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