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〇回想シーン

10日間の回想。


ひまり(次の休みに話があるって言わなくっちゃ……)


そう思いつつも、帰宅後の滉星にうまく話を切り出すことができないひまり。


ひまり(まずは不倫のこと、問い詰めて……でも、そのあとはどうするの? ……別れる?

    だけど、滉星と別れるなんて考えられない……。それに……まだ滉星の気持ちを

    聞いてない……)


N「『好きな人ができたから、別れてほしい』……滉星からそう言われたわけではない。

夫から最後通牒を突き付けられたわけではないのだ」


ひまり(でも、あの不倫相手は絶対本気だよね……。不倫……不倫かぁ……。

    滉星、何にも言わないけど、本当は私に不満でもあったのかな……)



N「間違いなく不倫相手は本気。

 滉星はどうなのだろうか? 遊びなのか、本気なのか……」



ひまり(結局は本人に聞いてみないことにはわからないんだよね……)



帰宅後、家でくつろぐ滉星の後ろ姿を見ながらひまりは俯く。

自分の気持ちをごまかすようにキッチンで洗い物をする。

毎日2人は同じベッドで寝ているが、滉星がすぐに寝息を立てるのに対して、

ひまりは眠れずにぼーっと天井を見続けるのだった。




N「10日間、何度も何度も堂々巡りを繰り返し、疲れ切ってしまった私は

 週末の夜を決戦の日と決めたのだった……」






〇ひまりと滉星の暮らす家


滉星が週末、夜遅くに帰宅する。翌日は祝日。


滉星「ただいま~」

ひまり「おかえりなさい」

滉星「疲れたぁ~。風呂、沸いてる?」

ひまり「うん、沸いてるよ」

滉星「着替え、一度で済ませたいから先に風呂に入るわ」

ひまり「わかった~」


滉星が寝巻と下着を持って風呂場へ向かう。




ひまり(滉星、接待帰りで疲れてるなぁ……。今日の夜って決めてたけど、難しいかな……。

    明日の朝? でも、この状態で明日の朝までってのもつらい……)


ひまりが悶々とした表情を浮かべながらため息をつく。

風呂から上がった滉星はリビングで少しゆっくりしてから寝室へ向かった。


滉星「ふわぁ~あ……俺、もう寝るけどひまりは?」 


ひまり「あっ、えっと……も、もうちょっとキッチンを片付けたいから今日は先に寝てて」


滉星「そっか。わかった。じゃあお先におやすみ~」


ひまり「うん、おやすみなさい」


ひまりはキッチンで片付けをする振りだけして、滉星の寝息が聞こえてから

こっそりと滉星の隣へともぐりこんだ。


ひまり(DMのこと、このまま黙ってれば今まで通りの毎日になるのかな。

    でも、それがいつまで続くか……。

    それに……もう知ってしまったことをなかったことになんてできない。

    信用できない相手と暮らしていくなんて……きっと無理だ)





〇回想シーン


大学生だった頃の滉星。

たくさんの人に囲まれているが、やはり周りにいるのは女性が多め。

ひまりは少し離れたところから見ているだけ。

ひまりを見つけた滉星が手を振り、ひまりもそれに手を振り返す。


N「私は大学時代の滉星を知っている。ただ、その頃は知り合い程度で

 彼のことを本当に知っているのか、何を知っているのかと問われるとうまく答えられない。

 印象に残っているのは『あんなかっこいい人と付き合える子はラッキーだなぁ』と思ったこと」




〇ひまりと滉星の暮らす家


ベッドの中で眠れないひまりは、寝ている滉星の横顔を見る。


ひまり(でも、まさか自分が滉星と付き合うとか、ましてや結婚するなんて

    思ってなかったもんなぁ……。

    実際、大学卒業してからのことは全然知らなかったし。

    だから、あのときは本当にびっくりしたんだよね……)




〇回想シーン


駅で再会したときのひまりと滉星。


N「就職して数年後、私たちは駅のプラットフォームで偶然再会した。

  久々に再会した滉星は少し大人の男になり、大学時代よりもよりいっそう魅力的に

 なっていた」



滉星「前田さん、久しぶり~!」


ひまり「日比野くん! 本当に久しぶりだね~」

ひまり(うわぁ~……日比野くん、めちゃくちゃかっこよくなってる……)


滉星「今、仕事帰り?」


ひまり「うん、そうだよ」


滉星「何の仕事してるんだっけ?」


ひまり「えーっとねぇ……」


N「本当に久々の再会。お互いに軽く近況報告をして、それで終わりだと思っていた」


しばらく立ち話を続けていた2人だったが、ひまりが時計を見て「はっ」とする。


ひまり「……あっ、ごめんね。久々の再会だからっておしゃべりしすぎちゃった。

 日比野くんも仕事帰りだよね」


滉星「あー、俺のほうこそごめん。でも、まだ全然話し足りないなぁ……。

 ……もしよかったらだけど……連絡先、交換しない?」


少し照れ笑いを浮かべる滉星。

ドキリとするひまり。


ひまり「う、うん……」

ひまり(いやいや、これは社交辞令。社交辞令だから……。落ち着け、私。

    変な期待なんて絶対にしちゃダメなんだから……)


連絡先を交換する2人。


N「滉星のほうから連絡先を交換しようと言ってくれて、私も嬉しくて舞い上がっていた」


帰宅後、ひまりのスマホには滉星からの連絡が。


滉星からの連絡「今日は会えて本当によかった。

         でも、やっぱり話し足りないから今度ご飯でもどう?」


頬を染めるひまり。

それから初めて2人で食事に行き、その帰りに滉星はひまりに告白。


N「それから2人で食事に行って、滉星から告白されて……本当に嬉しくて嬉しくて幸せだった」

『✿ 私は彼のことが好きなのに、彼は私なんかよりずっと若くてきれいでスタイルの良い女が好きらしい 』

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