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別サイトに投稿してた話をちょっと修正して再掲します✋
付き合ってる🧑🏽🌾😻
俺の恋人、勇馬。
外では誰に対してもツンと尖っていて、寄せ付けない空気を出しているくせに、俺の前では驚くほど甘えたなにゃんこに変貌する。
「ふみくん、夕飯一緒に食べに行きましょうよ〜」
なんて語尾に音符がつきそうな声で誘ってきたり、
「ふみくん! ぎゅーしてくださいっ」
と、人懐っこい仕草で腕の中に飛び込んできたり。
「ふみくんって、顔だけはいいですよね。……顔だけは」
……まあ、たまに毒を吐くのはご愛嬌。そんな落差も含めて、俺たちは今日も睦まじく付き合っている。
さて、ここで問題。
俺が思う「勇馬の一番好きなところ」はどこでしょう。
可愛いところ? にゃんにゃん甘えてくるところ? それともツンデレなところ?
ブブー! 全部不正解。正解は……。
「ふーみーくん! 話、聞いてました?」
頬を膨らませて視界に割り込んできた勇馬に、俺は我に返った。
「ん? ああ、聞いてたよ。勇馬の家の猫がなんだって?」
「全然聞いてないじゃないですか!」
勇馬はぷんぷんと怒りながら、呆れたようにため息をつく。
「愁斗とこの前行ったお店が美味しかったから、ふみくんも一緒に行こうって話ですよ。もう……一体何考えてたんすか?」
「んー。勇馬の好きなところ」
「はぁ!? 急になんすか、それ」
「急じゃないよ。俺はいつだって、ずーっと勇馬のこと考えてるんだよ?」
不意打ちの告白に、勇馬の顔がみるみる赤く染まっていく。
「は、恥ずかしいんでやめてください……!」
「で、勇馬。自分の好きなところ、どこだと思う?」
「え、俺が答えるんですか……? んんー……」
勇馬は視線を泳がせ、もじもじと指先を弄ぶ。
「へへっ、これ答えるの恥ずかしいですね……。まあ、……顔、ですかね」
照れ隠しにそう言った勇馬の頭を撫で、俺は笑って首を振った。
「残念!いや、もちろんそのかっこいい顔も大好きなんだけど!正解は……」
「そんな溜めないで早く言ってくださいよ」
「正解は! 名前をたくさん呼んでくれるところ!」
勇馬が、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で固まる。
「だって、勇馬って話し出す時もキスする時も、俺の名前沢山呼んでくれるんだもん」
「そ、そんなに呼んでないっすよ!」
「ふーん。じゃあ、今試してみる?」
「は? え? ちょ、ま……んむっ」
有無を言わさず唇を重ねる。
驚きに目を見開いていた勇馬だったが、すぐにふにゃりと力が抜け、吐息を漏らした。
「……ん、……ふ……ふみくん……っ」
唇が離れた瞬間、切なげにこぼれたのは、やっぱり俺の名前だった。
「ほら、もう呼んでくれた。いい子には、もっといいキスをあげなきゃね?」
「ふみくん、ちょっ、すとっぷ!……んんっ、んんん!」
再び深く、さっきよりも熱く。
舌を絡め、吸い上げるように食い入れば、勇馬の声はどんどん甘く、潤んでいく。
「……っ、ふみくん……あ、んっ……」
やばい、これはやばい。
少しからかうつもりが、煽られているのは俺の方だった。
このまま最後までしたい、けど、明日は朝が早い。勇馬に無理をさせるわけにはいかないのに。
「……ふみくん……?」
熱に浮かされた瞳で、勇馬が物欲しそうに俺を見つめる。
その無自覚な誘惑が、俺の自制心の最後の一線をやすやすと飛び越えていった。
「……勇馬が悪いからね」
「え……?」
困惑する勇馬を抱き寄せ、その耳元で深く、熱く囁く。
「もっと。……もっと俺の名前、聞かせて」