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12 - 第12話 使用と忠義

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2024年11月21日

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山田兵衛が静かに手を上げる。その瞬間、周囲の空気が一変した。雅也との戦闘が続く中、山田の心の奥底で抑え込んでいた「影の力」が一気に解放された。

「これで終わらせる。」

山田の目が鋭く光り、彼の周りに無数の影が現れた。影は、彼の意のままに動き、形を変え、空間を歪める。その力は圧倒的で、雅也の切断の力をも凌駕し、瞬く間に周囲の風景が変わり始めた。

しかし、その瞬間、山田の表情に微かな動揺が走った。彼は本能的に、自分の中に眠る異能が暴走し始めていることに気づいていた。だが、今は戦局を有利に進めるため、この力を使うほかはなかった。

「すまない、雅也……これが俺の力だ。」

だが、彼の異能が発動したことで、事態は思わぬ方向へ進んだ。

山田の異能が再び現れた瞬間、幕府の上層部に瞬時にその情報が伝わった。異能者を使うことが禁じられているこの時代において、山田の異能の使用は許されざる行為だった。幕府の政策は異能者を厳格に取り締まっており、山田はその最たる存在として高く評価されていた。しかし、それと同時に、彼が異能を再び使うことが許されるべきではないという暗黙のルールがあった。

「山田兵衛が異能を使用した……」

その報告を受けた幕府の重臣たちは、恐怖と怒りを隠せなかった。

「即刻処分しろ。」

重臣の一人が冷徹に命じる。

山田兵衛の異能使用は、幕府にとって大きな裏切りを意味した。彼は自らの力を封じ込めることを誓った男であり、幕府の信頼を一身に背負っていた。それを裏切り、再び力を使ったことは、幕府にとって許しがたい裏切り行為と見なされるに至ったのだ。

雅也との戦闘が進行する中、山田の周囲に浮かぶ影が強大になり、目の前の大地を引き裂いていった。その力が暴走する寸前、山田は自分の中で制御を試みるものの、もう遅かった。彼の手の中の影は、まるで生き物のように暴れ、周囲の空間を切り裂いていった。

しかし、その瞬間、突如として数十名の幕府の兵士が彼を取り囲んだ。山田は振り向き、冷徹な顔でその兵士たちを見つめた。

「お前たちも、俺が異能を使ったことで来たのか?」

山田の声は冷たく響いた。だが、兵士たちはその目に恐れを抱きながらも、一歩も引かなかった。

「山田兵衛、大義のために裏切り者は許されない。」

その言葉とともに、兵士たちは山田を取り囲み、銃口を向けた。山田の目には、数十名の兵士が迫る中で唯一冷徹なものがあった。だが、彼は最後の力を振り絞って、周囲の影を操ろうとした。

そのとき、兵士たちは一斉に引き金を引く。

銃声が響き、山田兵衛は倒れた。倒れた瞬間、影が消え去り、周囲の空気が再び静寂に包まれた。

山田兵衛は、彼自身が選んだ道で死んだ。だが、それは単なる死ではなかった。彼の死は、幕府が異能を持つ者に対してどれほど冷徹であるかを示す象徴となった。

山田兵衛が倒れたことを、雅也はその場で見ていた。彼の目の前で、自分と戦った男が、あっけなく命を失う姿を見つめていた。

「山田……」

雅也は無言で呟いた。その心の中には、戦友としての敬意と、同じ力を持った者としての共感が交錯していた。

「俺たちは、同じような力を持っていた。だが、結局……」

雅也は立ち上がり、山田の死を無駄にしないために、彼の意志を継ぐ決意を固めた。だが、同時に彼の中には、幕府という強大な力への怒りが湧き上がっていた。山田兵衛が死ぬことで、幕府は異能を恐れ、抑え込もうとするだろう。そしてその先に待つのは、また新たな戦いであった。

「俺は、終わらせない。」

雅也は低く呟き、次なる戦いに向けて動き出した。

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