「クソッ………。書物に書かれた伝説の
パンケーキ、《ルナティックパンケーキ》の
材料が後二つ見つからねぇ……..。」
今回の主人公、神をパンケーキでわからせた
男、ダーリンは古文書に書かれたはちゃめちゃにうまいパンケーキ、《 ルナティックパンケーキ》の材料探しに奔走しておりました。
全てはダーリンの愛する獣、カムイちゃんに
はちゃめちゃにうまいパンケーキを食べさせるためです。
材料はオーソドックスな超高級パンケーキの材料に加えて七つ。
《龍の頸の玉七つ》
《仏の御石のハチミツ》
《蓬莱の玉の枝豆》
《パンケーキを焼くための火鼠の皮衣》
《ミモリンの一滴》
《ミルククラウン•オン•ソーネチカ》
《ハッピーターンの粉》
このうち《ミモリンの一滴》と、《ミルククラウン•オンソーネチカ》以外の材料はすでに揃えました。
ダーリンにはこの世界でもっとも強き獣、
カムイちゃんと、ジャポポン諸島を牛耳る悪の組織、『わからせ団』とのコネがあります。
ダーリンは店内と体内にわからせ団達の
マイクロチップを埋めさせ、定期的にわからせ団のカムイちゃんをわからせ計画を手助けするかわりに、世界中のパンケーキの情報
と材料の確保をする取り決めをしました。
この取り決めのことを、《カムイちゃんわからせ同盟》といいます。
テストには出ません。
そのジャポポン諸島の全ての科学技術•及び
わからせ団のボスギンジローちゃんの
《フィクションを分からせる能力》で全世界の全ての情報を夥しい数のクローンベアー達にぶちこみ、《ミモリンの一滴》と《ミルククラウン•オン•ソーネチカ》を探させても
一匹として見つけることができませんでした。
《ルナティック•パンケーキ》とは
つまり存在しない、幻のパンケーキなのでしょうか?
ダーリンはものすごく頭を抱えました。
ここで諦めれば、今までの一週間の努力が
パーになってしまいます。
そこでダーリン、LINE電話でカムイちゃんの妹のギンジローちゃんに聞いてみました。
「ギンジロー……ちゃん…..だったっけ?
ちょっと世界に他の世界のことを聞いてみて
くんない?カムイちゃんにやらせると
世界がショック死しちゃうかもしれないから
。」
「もちろんいいですよー。」
で、ギンジローちゃん、世界にかわいくお願いして異世界のことについて聞きました。
世界はギンジローちゃんにゲロ甘なので
《禁忌》の内の一つである異世界について
あっさり教えました。
この知識を《フィクションを分からせる》
能力者以外が持つと、気が狂ってパンケーキのことしか考えられなくなるほどの
《禁忌》。
ですがダーリンは元々パンケーキとカムイちゃんのことしか頭にないし カムイちゃんはフィクションと仲良しなので セーフです。
「聞いてきたよーダーリンさん。《ミモリンの一滴》は異世界の《おそろし山》に、
《ミルククラウン•オン•ソーネチカ》は
別の異世界の《米津町》にあるんだって。」
そしてダーリンは作りました。
異世界を自由に行き来できる船。
《時渡輝夜号》を。
ダーリンはパンケーキを作るためなら、
余裕でこの世の理を超えます。
「さすがおねえちゃんのダーリンさんだねー。わからせ団の総力をかけても異空間に
移動する船は作れなかったのに。」
「?、そうなのか?適当に《奈落山》にあった木でDIYできたぞ。」
そんなこんなでダーリンはめちゃくちゃガルガル言ってるカムイちゃんをパンケーキと
わしゃわしゃでしっかり分からせお留守番させ、ギンジローちゃんと半日ほど異世界旅行に旅立ちました。
(最後まで読んでくださりありがとうございます。)
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