TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

翌日、いつもより少し緊張した雰囲気が教室に漂っていた。かなは、昨日一緒に帰ったはるとのことを少し考えていたが、その思いが少し複雑になっていた。普段ならあまり感じないような気持ちが、昨日の会話をきっかけに湧き上がってきたからだ。
授業が始まる前、教室のドアが開いてはるが入ってきた。その瞬間、かなの心臓が少し早く打つのがわかる。


「おはよう、かな。」

はるはいつも通り、穏やかな笑顔で声をかけてきた。


かなはその言葉に少し驚き、何となく視線をそらす。昨日の温かい言葉が、なんだか恥ずかしく感じてしまった。


「…おはよう。」


かなは素っ気なく返事をする。いつも通り冷たい態度で、普段の自分を取り繕おうとする。


はるは少し驚いたように眉をひそめるが、それでも穏やかに言う。


「どうしたの? 昨日みたいに、もっと笑顔で話してくれてもいいのに。」

「…別に、何もない。」

「そっか…。でも、なんか元気ないみたいだね?」


かなは少し困ったように言葉を濁す。心の中で、昨日の自分をどう説明したらいいのかがわからなかった。急に冷たくなった自分が、どこか不安に感じていた。


「私は…そんなに気にしてないから。」

「でも、かな、昨日はちゃんと一緒に帰ったじゃん。」

「だから、なんだっていうの?」

「え?」


かなは視線を逸らし、少し冷たい笑みを浮かべる。はるの優しさが、今は少し重く感じている自分がいた。


「…なんでもない。」

「かな?」


はるは本当に心配そうな顔をして、かなに歩み寄る。しかし、かなはそれを拒むように立ち上がり、少し大きめの声で言った。


「私は別に、そんな優しくされるような人間じゃないんだから。放っといてよ。」


その言葉に、はるは一瞬言葉を詰まらせるが、すぐに何も言わずに黙ってしまう。かなはそれに気づかないふりをして、席に戻る。

クールな学級委員長"はる"と問題児の"かな"

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

22

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚