テラーノベル
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「今日からこの1組の担任になった今野だ。
1年間よろしく。」
さっき私たちの名前を呼んでた男だ。この人が担任か。
「はいはーい!質問でーす!センセーって彼女いるの〜?」
「はは!朱音いきなりその質問ぶっこむ〜?」
クラスで言う一軍女子っぽい2人が話し始めたのをきっかけに、次々と周りも喋り始める。
「はいはいお喋りは後にして。とりあえず1番から順に自己紹介してくぞ。」
「センセーあたしまだ何も考えてないんだけど〜」
「じゃあ10分とるから」
でたよ1番めんどくさい自己紹介。
大体いつもいう内容は決まってる。
『藍崎百合です。趣味は絵を描くことで特技は特にないです。1年間よろしくお願いします』
以上。これが1番無難。
「藍崎さんトップバッターなのに余裕そうだね〜」
後ろから声がした。あいつだ。
「いつもトップバッターだし。慣れてるから」
そっけなく返しておく。
「おぉ〜かっちょい〜w」
そいやこいつの苗字まだわかんないわ。
「てかあんたの名前…」
「ん?かわちいって思っちゃった?」
「いやなんで名前でかわいいって思うのよ」
「じゃーなにさ」
「あんたの苗字何?指名の時聞き忘れたから」
「えー聞いてなかったの〜?」
「うるさいな」
「てか今から自己紹介すんだからそん時聞きゃよくない?」
「あ、」
確かに…
「ま、どうせ言うし名乗っとくよ。アタイの苗字は赤咲でーす!」
赤咲…意外と普通。
「ね〜百合っぴ今絶対アタイに対して失礼なこと考えてたでしょ?」
「別に…」
ほんっとうるさい。いちいち声が大きい…
てか百合っぴって何。意味わかんな、一人称もクセすごいし…
「じゃ、自己紹介よろしく。藍崎から」
またこいつのせいで時間とられた…
さっさと終わらせて席に戻ればいいや。
「藍崎百合です。趣味は絵を描くことで特技は特にありません。1年間よろしくお願いします。」
はいおしまい。ぱらぱらと地味な拍手がくる。
「はーい藍崎さんに質問がありまーす!」
どでかい声が響いた。もはや見るまでもない。
「藍崎さんの好きな食べ物は〜?」
「…え、」
「お前は赤咲だったか?質問は個人にしろ」
先生のたしなめをものともせず赤咲は続ける。
「え〜っだめですか〜?時間ないんですか〜?」
「いやそういうわけじゃないけど…」
「じゃいいじゃないですか!藍崎さ〜ん好きな食べ物は?」
マジで答えたくねぇ。注目集めまくってるし。
「…和食」
仕方なくそれだけ答える。
「和食の中では何が好きですか〜?」
コイツは何を聞きたいんだ…
「…焼き魚とか…」
「何の焼き魚が好きですか?」
「鮭の塩焼きとか…」
「おぉ〜いいですね〜」
何がしたいの…
「満足か赤咲。」
先生は呆れたように赤咲に声をかける。
「はーいじゃ後でまた質問しまーす!」
…え?
「じゃあ藍崎は席戻って。次青山…は早退か。そしたら次赤咲。」
「はーい!わっかりましたー!」
すれ違いざま言われた。
「後でまたゆっくり聞かせてね♪」
クソが…
赤咲はノリノリで教卓の前に出て話し始める。
というか、入学式の時はいたのに隣の男子早退してるし。
「初めまして!赤咲柚夏です!趣味はゲームで特技は三重跳びです!好きな食べ物はプリンで嫌いな食べ物は辛い物全部!あと好きなスポーツはバスケで嫌いなスポーツはありません!あ、あとあと!…」
「赤咲それくらいにしろ。時間がねぇ。」
どこまで続くんだと思った時先生が再び止めに入る。
「え〜まだあと50個くらいありますよ〜?」
「全体を優先してくれ頼むから」
先生ついに懇願しちゃったよ…
「はーい…」
さすがに堪えたらしい赤咲が渋々席に戻る。
「じゃあ次」
あからさまにほっとした顔をした先生は次の人を呼ぶ。
赤咲以降はスムーズに進んでいった。
最初から何となく思ってたけどこのクラスは目立つ女子が多い。
「柿倉朱音でーす趣味は自撮りでぇ〜特技はネイルでーす♪まだ友達少ないので〜いっぱい話しかけてくださぁい!」
「倉持美玲です!趣味は音楽聴くことで特技は歌とダンスです〜音楽好きな人ぜひ友達になりましょ〜!!」
「多田望美っす。趣味映画鑑賞で特技早口言葉でーす。普段話す時も早いしうるさいって言われるんですけど〜頑張って聞き取ってくださ〜い!!」
特に印象強かったのはこの3人。赤咲に負けず劣らず声がデカい。プラスコイツらは化粧濃いしおまけに香水くさい。
柿倉とかこの世の物とは思えない匂いしたし。
こいつらよりはまだ赤咲の方がマシかも。
「柿倉さんと倉持さんと多田さん声でっかかったねぇ〜」
後ろで感心したような声が聞こえてきた。
お前が言うな。
「なーんか百合っぴって思ってる事すぐわかっちゃうよね〜」
また無意識に顔に出てたのか。
「あんたがうるさいから」
「え〜?これでも抑えてる方だよ〜?」
「嘘でしょ…」
はぁ…まだ教室に入って1時間経ってないのにもう私の精神は限界を迎えていた。
こんなんで1年間も乗り切れるかね……
その時私は気がつかなかった。
ああもあからさまな視線に気づかなかったのは精神が疲弊しきっていたせいだろう。
私と赤咲が話していた3人組が、こちらを忌々しげに睨みつけていたことに。
はい。1話後編です。(1個前前編って書くの忘れた…)
こんな長い文章どうやって打ったんだって思うかもしれないんすけど、メモに書き溜めてたのをコピってペーストしただけでーす!
まぁでもこっからはもう書き溜めたものがないので自力でいくんですけど、ネタ切れを起こす可能性大なのでコメントでネタ募集しておきます。
いいねコメントフォローよろです。
おつみふ〜
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