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3 - 日常(鳥斉)

♥

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2025年04月26日

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今日チュロスつくったら盛大に失敗したのでおもいつきました




─────────────────


つきあってる鳥斉です









暑くも寒くもないこの天候の中。


オレは大好きな恋人の家に一直線で突っ走っていく。

息を荒らげながら。



なぜこうなったかって?

事の発端は数時間前。










熱心に何かを見ていた斉木さんを見つけ、思わず声をかけた。




「さーいっきさーん、何見てるんスか?」




[…みればわかる]



そういってオレに雑誌を見せる。


…あー、これね。




最初に目に入ったのは大きく太字のフォントで書かれた「チュロス」の文字。


その下には美味しそうな小麦色に色付けられたチュロスの写真が載せられていた。



うまそー。




だけど。



「…斉木さん、」




[……分かってる]





すこし……ひっかかることが。


チュロスの画像下に、何やら数字が書いてある





せ、1000…円、





「チュ、チュロスって、こんな高かったっスっけ…」




  [さぁな。知らぬ間に値上げしてた。]





なにやら嫌な予感、


斉木さん超能力者ではないけど、これは分かる。






  [………おい、鳥束]




「は、はひ…」





                           ………







こうしてオレはチュロスの材料を買いに行き、ダッシュで愛しの斉木さんの家に向かっている訳。



オレが???チュロスを作れと???



いやぁ、まぁ一応料理はできるけど。寺生まれだし!!??




オレが自慢できること寺生まれと霊能力しかないじゃん。





いや、も一つあるな



斉 木さんと付き合ってること!!!






それだけで十分。


うへへ。



なーんて考えながらにやけていると、脳内で斉木さんの声が響いた。



  [お前、脳内でもうるさいのな。]



 (斉木さん!!)




あ、あともうちょっとで斉木さん家か。


色んなこと考えてたからすっかり気が付かなかった。





あと少しで斉木さんに会えると思うと、何だか笑みが止まらない。




最後までスピードを落とさずに斉木さんの家の前に着いた。




テレパシーで中に入れと言われ扉を開けると異様に涼しい。



これも斉木さんのデレかー。かわいい。




  [いいから早くこい。]



「へいへいー」






2人揃ってキッチンに並んで、材料を次々に出していく



分量をはかってレシピ通りに混ぜていくと、早くも生地が出来上がった



斉木さんのパイロキネシスのおかげで油が熱しあげられていて、さすが用意周到だなぁ、と感心していると、あることに気づく。


やべ、



「…斉木さん」




  [?]




「絞り袋と金口、買いにいくの忘れました 」


仕方なーく手に油を塗りたくり、生地をそれっぽく伸ばしたり丸めたり。



ホントは斉木さんがパパっとできないこともないけど、たまにはこーいうのもいいよね。




…あ、いいこと思いついた。









「斉木さん斉木さん、みてみて」



斉木さんの前にはチュロスの生地



読めなくもない歪な形で「くすお」と示されたそれに、斉木さんの頬は緩む。



  [しょうもないことばかり思いつくな。]



「ひどいっすよぉー」




そんなこと言いながらも斉木さんは生地をとり、器用に伸ばしたりして字を作っていった。



「れ、い…た?」



オレの作ったやつより綺麗で、でもぶっきらぼうな生地。



オレも斉木さんも吹き出してしまった




色々な形に作ったそれをそーっと油の海に入れ、焼き上がるまで待つ。



時々ひっくり返したり、たまーに油が跳ねたりしたから驚いて飛び跳ねちゃって。



それを見て笑う斉木さん、可愛かったなぁ。



とか思ってると、そろそろ取り出し頃になった。



取り出してみると、雑誌で見たチュロスよりはアレだけど、まぁまぁ美味しそうだった。



冷めるまですこしまって、待つ時間も愛おしくて。




作った「くすお」と「れいた」の文字。


少し雑で、でも可愛げがある。


しあわせだなぁ。と思った。







──────────────────


ながくなっちゃった。



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