翔太との恋の始まりは、まさに青天の霹靂だった
「うぉい翔太〜、大丈夫か〜」
「ん〜」
「大丈夫じゃねぇな」
「ん〜、あべちゃんは?」
「は?阿部ちゃん?阿部ちゃんならソファにいるけど」
「ん〜」
今日の練習は相当ハードなダンスが多くて、みんな疲れていたが、中でも早朝から仕事が詰め込まれてた翔太は、練習が終わった途端にスイッチが切れたようだ
自分の名前が呼ばれたような気がしたな、なんて思ってると正面に目が半分しか開いてない翔太がやってきた
「あべちゃ、、、」
「翔太?どうした?」
「抱っこ…」
「はぁ?何言って…」
理解が追いつく前に、どさりと翔太が飛び込んでくる
「ちょ!うっ!いってぇな…、ちょっと翔太、急になんなの?」
そう呼びかけるも、腕の中の翔太は俺に抱きついて、もう眠りに落ちている
なんなんだ、こいつ
「………ねぇ、佐久間、これ何事?」
とりあえず直前まで翔太と話してた佐久間に問いかける
「いや、俺にもわかんねぇ。シャワー終わりからだいぶ眠そうだったのを何とか引っ張ってきたんだけど、急に阿部ちゃんどこって言いだして…」
「なんで阿部ちゃんなんだろうね」
翔太の奇行にみんなが俺と翔太を取り囲む
「阿部ちゃん、心当たりは?」
「いや、まったく…」
本当に見当もつかないけど、翔太は変わらず俺にぎゅうっとしがみついている
「阿部ちゃんは、もう着替えてるよね?」
「あぁ、うん」
「このままだとしょっぴーが風邪ひいちゃうから、とりあえず」
そういって、めめが上着を持ってきてTシャツ1枚に半ズボンしか履いてない翔太にかけてあげる
相変わらずよく気にかけてることだ
「これは爆睡してるよな…」
「こうなったらなべはしばらく起きないからね〜」
「目黒、この後仕事だよな?」
「うんそう。だからごめん、連れて帰れない」
「そうだよな、俺とふっかも今から打ち合わせあるし。他のみんなは?」
「俺と佐久間も明日は早いし、康二とラウールはもう出たよ」
「阿部、お前は?」
「…俺は、今日はもう終わりだし、明日は夕方から」
「じゃあ悪いけど、翔太のこと頼める?」
「まじか…」
「とりあえず館さんと佐久間も手伝ってあげて。よろしく」
こうして俺は翔太を初めて家に連れて帰ることになった
コメント
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かわいー!だっこ💙だ