※これは二次創作です。本人たちとは一切関係関係ございません
口調や性格など多々違うところがありますがご了承ください
これはとある曲を元にしたパロディです
人を殺した
梅雨に入ってすぐの時、急に俺の家にきて彼はそう口にした
呆然とする俺を見てかれはもう一言
「俺は、人を殺した!」
走ってきたのか肩で息をしながら彼はまた口にする
全身ずぶ濡れでここに濡れながら来たことは一目瞭然だった
「どうゆう事?きんとき」
きんときは何も答えずに目も合わせないでどこか遠い所を見つめていた
「ねぇ!」
「こっちを見ろよ!!」
そう言うと彼はゆっくり顔をこっちに向けた
彼の目はいつものキラキラしていて生き生きとしているわけじゃなく
死んだようなもう全てを諦めたかのような
そんな目をしていた
「だからさ、nakamu…俺は人を殺しました」
なんで…?
なんでお前みたいな良い奴が人を殺してるんだ
なんでどうして
そんな言葉が渦巻いていく
俺の知ってるきんときという人間は
優しくて、礼儀正しくて、たまにサイコパスになるけど常識人で下ネタが好きで
そんなどこにでもいるただの男子高校生だった
そんな彼が人を殺した…?
ありえない
これは何かの悪い夢か
それとも疲れて幻覚でも見えているのか
そう思い込もうとした
「殺したのはクラスメート」
息を整えたからか彼はポツポツと喋り始めた
「俺をいじめていたアイツ」
「いつもはさ、蹴ったり殴ったり悪口言われたり、気にすんなって言ったらそれまでだし俺もあんまり気にしてなかったんだけど」
そう言って彼は笑う
どっちかって言うと苦笑に近かった
俺の頭は多分ショートしてて何も考えようとしていない
でも、それでも
彼の言葉だけは、理解したくなくても勝手に理解していた
「今日は違った」
「あいつは俺を殺そうとしてきた。わざわざ家から包丁を持参して、」
「その時思ったよ、あぁこのいじめは遊びじゃなくて本当に俺の事が嫌いで起こったんなぁって」
「このまま殺されてもいいと思った、だけどやっぱり」
「怖かったんだよなぁ…」
「反抗しなきゃって思って近くにあった花瓶を手にして…」
そう言って彼は目を瞑った
つまりそう言うことだよと言うように静かに目を瞑った
そしてようやく俺はこれが現実だと知ってしまった
「なんで」
俺の口からこぼれた言葉はそんな単純なもので
きんときが虐められた理由を探しているのか
それとも虐められていることにすら気づかなかった俺自身に聞いてる言葉なのか
こんな事態になったことに対して言ってるのか
俺にはよく分からなかった
けど、それでも
その言葉はずっと俺の中で渦巻き続ける
なんで?
何もかもが分からない
いや分かりたくない
現実を見たくない
知りたくない
明日から彼はどうなるんだ?
これからも一緒に学校に行って授業を受けてバカなことをみんなで出来るのかな
明日から…
そう願ってみてもどうしてもどうやっても
そんな素敵で楽しい日々は想像できない
いつも通りでいられる未来が見えない
「俺さ、」
きんときが俺を真っ直ぐ見てそう言った
「俺どっか遠いところに行こうと思うんだよね」
濡れていた髪は少し乾いていて、けれど彼がいつもつけていたジャージはまだ濡れた
そんな彼の姿がどこか儚げに見えた
止めなきゃ
きっとこのまま放っておいたらきっときんときは…
そう思っても彼がこんな目をしている時は止まらないことを俺は知っていた
彼は決めたことはきっと貫き通すだろう
どうにかしたかった
けど!こんな子供の力で何ができるって言うんだ…
何も出来ない
何も力がない
己の無力さに改めて痛感した
何も出来ないならせめて
「きんとき」
覚悟を決めた
「俺も連れて行って」
だから俺は君と一緒にこの世界から逃げることにしたんだ
【続く】
コメント
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あの夏が飽和するかな?好きな曲だし、ズッ友の2人選ぶところとかストーリーが好きです!!続き楽しみにしてますね☺️