あの出来事があってから、私はずっと学校を休んでいた。
学校に行くのが怖くて。優香に会うのが怖くて。
逃げた。私は馬鹿だ。こんな自分が嫌いだ。
でも家の中にいても私の頭の中にいるのはただ1人。
翔太くんだけだ。
久しぶりの学校。みんなから注目を浴びることのないように後ろからゆっくり入る。
まぁ、前から入ったところで注目を浴びることは無いだろうけど。
翔太『○○さん!おはよう!』
いきなり声をかけてくれる君。いつもなら嬉しいはずの挨拶が今日はとても嫌に思える。みんなからの視線を感じる!
○○『バカ!』
私は教室に大声でそう言い残し、屋上へ逃げ込むように走った。
屋上に着く頃には、私の顔は涙でぐしゃぐしゃになっていた。
鏡を見なくても分かる。自分がどれだけ酷い顔をしているかが。
なぜあんなことを言ってしまったのか私にも分からない。でも気づいたら口が勝手に動いていた。
絶対嫌われたに違いない。この恋はもう終わりだ。
今も頭の中にいるのは君だけ。君に会いたい。私は君しか好きになれない。でも君には嫌われたよね。
そんな時。
翔太『○○さんっ!!』
君の声が聞こえた。後ろを向いていても分かる。君の声。でも後ろを向くことは出来ない。
翔太『○○さん!急に走り出すからどうしたのかと思ったよ!』
君が一生懸命走ってくれたのは、息遣いで分かる。なんで。どうして。
○○『の…ボソッ』
翔太『ん?』
聞かないでよ。そんな愛おしい声で。
○○『バカじゃないの!!』
私は必死に逃げた。こんなこと言おうと思ってたわけじゃないのに。これが私のダメなところだ。
こんなダメダメな私の恋が叶うわけが無い。そう思っていたのに…。
コメント
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続きが楽しみです❗