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コメント
1件
ああ、結婚式のエピソード、すごくじんわりきました。狭山さんと金谷さんの親への手紙の内容の違い、めっちゃ納得でしたね。それぞれの家庭の空気が透けて見えるようで。そして何より、「千歳と隣の席で出席できなかったことかな」って最後の一行、胸にきました…。夫婦でも恋人でもないから仕方ないけど、でもやっぱり隣に並びたい、その距離感の描写がたまらないです。千歳がカタログギフトでワクワクしてる姿も可愛くて、お二人の今の関係が本当に愛おしいなと思いました🌷
『いい式だったな』
「うん」
狭山さんと金谷さんの結婚式からの帰りだ。
式では、狭山さんは咲さんにしっかりメンズメイクを施されたらしく、なかなかかっこよくなっていた。金谷さんも白打掛とウェディングドレスをみごとに着こなしていた。
俺は新郎友人、千歳は新婦家族の席で離れてしまったが、千歳は金谷さんの家族によくしてもらったのと料理がおいしかったのとで満足そうだ。
俺は新郎友人席で縮こまっているつもりだったが、蓋を開けてみたら狭山さんが管理人のDiscord【茶の間大海】のメンバーがずいぶんいたので、ちょっとしたオフ会として楽しく過ごした。
式はホテルでの神前式と、ウェディングドレスにお色直ししての披露宴だったのだが、イベントを挟まないと間が持たないそうで、狭山さんと金谷さんふたりの親への手紙読み上げがあった。
狭山さんの親への手紙は要約すると、
「どんな道に進んでも応援してくれてありがとう」
で、金谷さんの親への手紙は、
「しっかりしつけてくれてありがとう」
だった。なんとなく、両家の親の違いが分かる。金谷さんは高校生のころから本当にしっかりしていたし。狭山さんは、小説家なんて親によってはかなり反対されそうだし、応援してくれてありがとうは嘘偽らざる気持ちなんだろうな。
そして、なんと藤さんの飛び入りスピーチがあった。要約すると、
「狭山誉くんとは以前から親交があり、金谷あかりさんにも大変お世話になりました。これから2人には重要な仕事をいろいろおまかせすることになると思うので、この場にいる皆さんもどうかお力添えをよろしくお願いいたします」
だったのだが、金谷家関連の人はえらく神妙な顔をして聞いていた。閻魔大王様の頼みごと、たぶんこっちには出回ってるんだろうな。
特に二次会とかはなく、新郎新婦からの温かいお礼と、引き出物のカタログギフトが配られ、式はおしまいになった。
千歳は引き出物にカタログ、というのがよくわからなかったようで、俺はカタログギフトの仕組みを説明しておいた。
『ふーん、じゃあ各自で好きなもの選べるのか』
「かさばらないし、引き出物としては今の主流かな」
『何もらおっかなあ』
千歳はすでにワクワク顔だ。
「俺のカタログギフトもあげるよ、好きなもの2つ選びな」
『いいのか!?』
「全然いい、お菓子なり何なり選びな」
『ありがとう!』
千歳は満面の笑みを浮かべた。
……今日の式でひとつ悔いがあるとすれば、千歳と隣の席で出席できなかったことかな。夫婦でも恋人でもないんだし、仕方ないんだけどさ……。