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テクテクテクテクテクテクテクテクテクテク

テケテケテケテケテケテケテケテケテケテケ

ダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ

「うおーーーーーーーーーーー!!!!!」

あら、いきなりごめんなさい。私、ゴリラになっちゃったみたい。お城にいるメイドや執事たちが驚いて振り返って、私の事を目で追いかける。きっと呆れてるわよね……その表情。そこにいるあなたもよ!私はゴリラ🦍になりたくてこうしている訳じゃないんだから!大事なことがあるからこうなっているの!本当、誤解しないでよね、私はね、ルイを探しているの。私の愛しきルイをね!ルイの過去に探りを入れたいのよ。片っ端から全部訊きだしてやるわ!覚悟していなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい!!!私は全力疾走をしていた。でもドレスとハイヒールだから走りにくい。もう、走りやすい服ってあるのかしら?あ、こんなこと考えている場合じゃなかったわ!ルイルイルイルイルイルイ何処にいるの?うーん………あっ!

ドンッ!!!

痛た……誰?私にぶつかってきた人は?私はゆっくりと立ち上がり、ドレスについたほこりを払い落とした。そして、顔を上げるとそこにはなんと!美少女がいたのだ!!!!!その美少女は顔をこわばらせながら立ち上がり、

「も、申し訳ございません!あああ、あなたはルイ様の婚約者ですよね!本当に申し訳ございません!」

と、何度も謝ってきた。まぁ。私ごときにこんなにも何回も謝ってくる人は初めてだわ!それにしても整った顔立ちねぇ………私は思わずその美少女に顔を近づけてマジマジと見つめてしまった。

「ひ、ヒッ!」

はっ!

「あ、あら。ごめんなさいね。大丈夫?怪我していない?先程ぶつかってしまったことは謝るわ。あなた、名前は?」

美少女はオドオドしながら口を開き、

「私は……セピア・レイモンドと言います……」

「こんにちわ、セピア。本当にごめんなさい、ぶつかってしまったこと。私がルイを探すのに一生懸命すぎたからね………」

私ははぁ、とため息をついた。全く、ルイが何処に行ってしまったのか………その瞬間、セピアの顔色がサッと変わった。

「も、もしかして、ルイ様をお探しでしょうか……?あの……私、ルイ様を見かけましたよ。こ、小太りの女性と一緒にいました……ふ、2人で並んで手を繋いで……」

え?小太りの女性ってヴァネッサのことじゃないの?何で?なんでルイが……

「あの、もし良かったら私が案内してあげましょうk……」

「是非たのむわ!」

「は、はい!あの、なんてお呼びしたら良いでしょうか……」

「エナでいいわよ。呼び捨てね。」

私がそういうと、セピアの顔がパッとなり、花のような笑顔で、

「は、はい!エナ!初めての友達ができて嬉しいです!」

フフフッ。セピアって超可愛くない?!顔もそうだけど、性格も可愛いわ!しかも私が初めての友達……嬉しいわ!よし、そうと決まったらルイを探しに行くわよ!

「エナ、このお城は広いのでさっきルイ様がいたところと今ルイ様がいるところで場所が違うかもしれません。なので、簡単には見つからないかもしれませんが、よろしいでしょうか?」

「ぜんっぜんいいわよ!」

なんでそんなことを訊いてきたのかしら?ま、そんなことはいいわ。ルイがヴァネッサ(?)と何処へ行ったのかみつけないと。

それから1時間が経ち、未だにルイは見つかっていない。

「はぁ、はぁ、み、見つかりませんね。」

「そ、そうね……」

その時、大広間の方から甲高い笑い声が聞こえてきた。

「ふふふふふっ♡ルイ様ぁ♡私、ルイ様の事がだぁい好きです♡」

「ボ……クモ……ヴァネ………ッサノ……コ…トガ………ダイ……ス……キ……」

この声は、ルイ?ヴァネッサの事が…………?私はワナワナと震えた。怖い。ルイが取られちゃう、ヴァネッサに。その時、私の肩に何か暖かいものが触れた。それは、セピアだった。

「エナ、大丈夫です。あれはルイ様の本心ではありません。ヴァネッサ嬢の魔法にかかっているのです。」

「ま、魔法?」

「はい、惚れ魔法といって、かけた相手が最初に見た人を好きにさせる魔法です。きっと、ルイ様はその魔法にかかっているのでしょう。」

そうなんだ。でも………ルイは取り戻したい。どうしたらいいの?

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