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今日はYouTubeの企画会議がある。
吉田は必要な書類や道具を準備していた。
「くっそ頭痛ぇ…」
最悪なことに頭痛がしていて、出来ることなら横になりたいが集合時間も迫っている為に出来なくなった。
朝から何も食べていない体には動くこともしんどさを感じてしまう。
棚から頭痛薬を取りカバンに入れる。
会議だし対して体を動かすことはないだろう、と考えていたその時だった。
ピンポーン
「こんな時に誰だ…?」
重い体を動かしながらモニターを見ればマスク姿のマネージャーがたっていた。
『あれ、今日送迎の日だったっけ…』
何かあったんだろうと玄関のドアを開けた。
迂闊だった。
扉を開けたその刹那、扉は無理矢理こじ開けられ、そのままの勢いで押し倒された。
「い”っ…」
打ち付けられた頭には痛みが走り意識が朦朧とする。
抵抗したいが体が言うことを聞かず、奴にそのまま馬乗りにされる。
「吉田くん、やっと会えたね」
そう言って彼はポケットからスタンガンらしきものを手に取り、首に差し出してきた。
『一生、その顔忘れてやらねぇから』
吉田はそのまま気絶した。
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プルルルル…
プルルルル…
『…なん、か、きこえる?』
プルルルル…
プルルプツッ
…
カシャ
『…一体何の音だ?』
うっすらと意識が戻ってくる。
『ここ、は、』
意識が戻ると当時に吉田の置かれている状況にハッとする。
段々と冷え込み倒れている体、頭痛、自分の家ではない建物。
そして、手足の不自由さ。
『あれ、俺今何して』
「おはよう吉田くん」
妙に暖かい声のする方向に顔を向ければ、そこには黒いパーカーを来たひとりの男性が座っていた。
周りをよく見ればここは倉庫だとわかった。
『もしかして、俺』
「ごめんね。こんなとこに来させちゃって。ほんとは、こんなこと、するつもり無かったんだけど」
吉田は縛られた手足を振りほどこうとするもあまりにもきつく縛られているために解けない。
「危ないよ、そんなに抵抗したら綺麗な腕に傷が残っちゃう」
男は、吉田のスマホ片手に続ける。
「…ボクね、ずっと前から吉田さんのこと応援してたんだ。ダンスと歌も上手くてさ。ライブとか見てても自然と目が追っちゃうの。」
吉田は黙って聞いている。
「YouTubeもちゃんと見てるよ。よく笑って、よく良いリアクションして。特にあの回は面白かった。ツッコミの速度が早くてさ、さすがの頭の回転の速さだね。」
「…ボクね」
「吉田さんとツーショ撮ったことあるんだよ、覚えてる?」
「…覚えてない」
男は少し悲しそうな顔をした。
「まぁ、そうだよね。あれだけの女性の、ファンがいたら俺の事なんか霞んじゃうよね」
「結局お前は何が言いたいんだよ。こんなことしておいて」
「俺は吉田さんのことが好き。ファンとしても人としても」
「だからどうしたんだよ」
「…。だから少しイタズラしようと思った、俺の事わかって欲しいって。頑張ったんだよ?バレないように家特定したり、マネージャーさんのよく着てる服とか髪型とか真似してみたり」
そう言って男は、家に来た時に来ていた服を見せびらかす。
「こうでもしないと、吉田くんは俺を見てくれないって」
「でもさ、やっと俺のとこに来てくれたと思ったら。佐野くん?から電話が来ちゃって。お返しに今の吉田くんの写真、撮らせて送らせて頂いたよ」
「…は?」
「返信早かったよ。『おい、仁人!?』だって。」
吉田の顔は段々と青ざめていた。
大事になった挙句にメンバーにまで飛び火している。
「どこにいるとか、怪我してないかとか、愛されてるね」
「…返せ」
「嫌だよ。せっかく2人だし、俺と話して欲しいんだ」
「他の奴らには手を出すな」
「うん、出さないよ。
吉田くんが俺の傍にいてくれれば」