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無能と捨てられた鑑定聖女実は世界で唯一の神竜使いでした隣国の冷徹皇帝に溺愛され元婚約者は破滅します
第3話 - 第3話:滅びゆくクズたちと、世界一幸せな救世聖女の結婚式
21
2,019文字
2026年08月06日
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つかであきひろ
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エルザ:世界を救った真の救世聖女。ギルベルトの王妃になる決意を固める。ギルベルト:ガルディニア帝国の皇帝。エルザへの愛が限界突破している。ノヴァ:神竜。今回は「人間のイケメン(黒髪の美青年)」の姿に変身。ジュリアス&マリア:全てを失い、帝国の奴隷鉱山へ送られた元王族と偽聖女。「エルザ、本当に綺麗だ。世界中のどんな宝石も、今日の君の美しさには敵わない」純白のウェディングドレスに身を包んだ私を見て、ギルベルト陛下はうっとりとした表情で溜め息をついた。ガルディニア帝国の伝統的な礼服を纏った陛下は、いつも以上に凛々しく、直視できないほど格好いい。「あ、ありがとうございます、ギルベルト……いえ、ギル様」私が慣れない愛称で呼ぶと、ギル様は嬉しそうに目を細め、私の腰をぐっと引き寄せて額に優しくキスをした。【ギルベルト・ガルディニア】状態:幸福感の絶頂・全能感本心:『ついにエルザが私の妻に! ああ、愛おしすぎて一生離したくない。今日から毎日、全力で甘やかして溺愛してやる!』相変わらずの限界突破した溺愛ぶりに、私の顔は真っ赤になる。私の『万物看破』のスキルは、今や彼の深い愛を確認するためだけの、幸せな力になっていた。「おいおい、我の目の前で熱烈に見せつけてくれるではないか。主がそなたを選んだのだ、泣かせるようなことがあれば、この帝国ごと焼き尽くすからな」からかうような声に振り向くと、そこには漆黒の長髪をなびかせた、冷徹な雰囲気の美青年が立っていた。肩に乗っていたミニ竜のノヴァが、魔力を解放して人間の姿に擬態したのだ。相変わらず、顔が良すぎる。【暗黒神竜・ノヴァ】状態:主の結婚を祝福(でも少し寂しい)本心:『主のドレス姿、最高に綺麗だ。この男なら主を幸せにできるだろう。まあ、夜の邪魔くらいは時々してやるがな』「ふっ、神竜殿。その心配は不要だ。彼女を泣かせるのは、嬉し泣きの時だけだと誓おう」ギル様は不敵に笑い、私の手をしっかりと握りしめた。私を無能と罵り、冷たい地下室に閉じ込めていたレムリア王国での日々が、まるで遠い昔の悪夢のようだ。本物の居場所を、私はようやく見つけることができた。◇その頃――ガルディニア帝国の最果てにある「魔力結晶の奴隷鉱山」。「ひぃ、ひぃっ……! 苦しい、もう動けない……!」かつてレムリア王国の第一王子として贅沢の限りを尽くしていたジュリアスは、今やボロボロのボロ切れのような服をまとい、重いツルハシを振るっていた。隣では、自慢の金髪を泥まみれにしたマリアが、泣き叫びながら魔力泥を運んでいる。「冷たい水も、まともな食事もないなんて嫌ですわ! 私は聖女なのよ! 誰か助けてぇーッ!」「うるさいぞ、マリア! お前が『豊穣の奇跡』などという詐欺スキルを使わなければ、我が国が滅びることはなかったのだ! 全てはお前のせいだ!」「なんですって!? 騙されてエルザお姉様を追い出したのはジュリアス様でしょう!? この無能王子!」二人は毎日、血を流し合いながら罵り合っていた。彼らの祖国・レムリア王国は、結界が消えた後に魔獣の軍勢に蹂躙され、あっけなく崩壊した。国を見捨てて逃げ出そうとした二人は、激怒したガルディニア帝国の軍隊に捕らえられ、こうして最底辺の犯罪奴隷として監獄にぶち込まれたのだ。二人の頭上には、二度と這い上がれない絶望のステータスが表示されていた。【ジュリアス・元レムリア】状態:終身奴隷・全身打撲・魔力完全喪失本心:『ああ、エルザ……。あの時、お前を裏切らなければ、俺が皇帝の代わりにあの美しい聖女を抱き、世界最強の力を手に入れていたのに……!』【マリア・ローゼン】状態:終身奴隷・容姿崩壊(魅了の反動)本心:『どうして私がこんな目に……! 贅沢三昧の王妃様になりたかっただけなのに、一生ここから出られないなんて嘘よぉぉ!』どれほど後悔しても、過去には戻れない。二人は互いを呪い、絶望の涙を流しながら、一生消えない奴隷の刻印を背負って泥水をすするのだった。◇「――これより、ガルディニア帝国皇帝ギルベルトと、真の救世聖女エルザの結婚を宣言する!」大聖堂の扉が開くと、数万人の地鳴りのような大歓声と、鳴り響く祝福の鐘の音が私たちを包み込んだ。バルコニーから見下ろす帝国の街並みは、私の力で蘇った豊かな緑と美しい花々で満ち溢れている。「エルザ。私の生涯を、君に捧げる」ギル様が私の手を取り、そっと跪いて愛の誓いを立てる。その瞬間、ノヴァが天に向かって美しい漆黒の光の粒子を放ち、まるで星屑のような祝福の雨が世界に降り注いだ。「私も、あなたを生涯愛し、支え続けます。ギル様」私が微笑んで答えると、ギル様はたまらないといった様子で立ち上がり、私を優しく、でも力強く抱きしめて唇を重ねた。無能と捨てられた鑑定聖女は、今、世界で一番大切な人たちに囲まれて、誰よりも幸せな『帝国の最愛の皇妃』となったのだった。