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奏斗side
夏休みまであと1週間。
ひばと話すようになって3ヶ月。
この3ヶ月、ひばが授業を
サボることはなかった。
というか、僕がサボらせなかった。
だって、進級できなくて
留年とかされたら
たまったもんじゃないじゃん?
だからサボれないように
ずっとひばにくっついてた。
僕も一緒に、サボることは無かった。
⋯けど、流石にそろそろ限界を迎えるわけで。
渡「⋯サボるわ」
と久しぶりにサボりという言葉を
ひばから聞いた。
風「りょおかい」
と了承すると、止めなかったのが
びっくりしたのか一瞬驚いた顔をした。
ほんと、かわいい。
止めて欲しかった?
大丈夫。僕も後で行くからさ。
ひばが教室を出て行ってすぐに、
僕も教室を出て学校を裏口から抜け出す。
出来るだけ早くバレずに、
帰るために早足でコンビニに向かう。
こういう時まじ、
近くにコンビニあることに感謝。
コンビニに着いて、
バニラとチョコのアイスを買う。
我ながら、なんで?とも思った。
でも、食べたかった。
食べたかったんだ甘いの。
会計を済ませ学校に戻り、
バレないように屋上に向かう。
扉を開けて歩いていけば
渡「あっちぃ⋯」
なんて声が聞こえて、
そりゃこんな太陽の下にいれば暑いだろ!
なんて思いながらアイスを渡す。
バニラを手に取ったひばとチョコの僕。
ひばが食べてるのが無性に美味しそうに
見えて 頂戴の返事を待たずに1口買った。
ぷんすか怒ってたけど、
僕のをあげれば一気にご機嫌。
ほんとに可愛いし、面白い。
食べ終わって、2人で寝転がる。
この感じ、久しぶり。
3ヶ月、2人でこうしてたつけなあ。
この3ヶ月で、ひばは変わった気がする。
よく笑うようになったし。
最初の頃は警戒心丸出しだったのに。
僕のおかげだったりして?
ただ、変わったけど変わらないこともある。
それはひばが僕を好きになっていない。
おかしいなあ。
落とす予定だったんだけど!
と言ってもなにか行動を起こした訳でも
ないから好きになる要素なんて
ないんだけどね。
⋯あ!そういや、夏祭りあんじゃん。
誘っちゃお。
⋯って思ってたのに、
まさかのひばからのお誘い。
嬉しくて驚きすぎた。
そしたら「行く!」なんて、
自分でもびっくりするくらいデカい声が出た。
みんなの視線が一気に向いた気がするけど、
関係ねぇ。
それくらい嬉しかった。
それからトントン拍子に夏休みに入って、
もう夏祭りの日。
服が決まんねぇ!!
まじ何着たらいいの?
あるだけの服を出して、
なんとか着ていく服を決めた。
会場に着けば、
立って待っているひばを見つけて
手を振りながら走っていく。
近づけば近づくほどかっこいいひばが
鮮明になってきて。
触れられる位置に来ればもう、
直視出来ないくらいかっこいい。
このままだと勢いで告ってしまいそうで、
焼きそばが食べたいと歩く。
チラッと後ろを見れば
人に埋もれかけてるひば。
渡「うぉ?!⋯え?ちょ、KNT!」
なんて、慌ててたけど内心僕の心臓も
すんげえ動いてんの。
これ以上握ってたら手汗が
すごいことになりそうで
焼きそばの屋台のところで腕を離した。
離せば「えっ⋯」なんて聞こえてきて
「ん?」と聞き返せば「いや」なんて、
はぐらかされる。
なに、その反応。
期待しちゃうよ?僕。
それから焼きそばを食べて、
回りたいとこ回ったり、花火なんかも見て。
あっという間に駅。
背を向ければ多分、
夏休み中に会うことは無い。
連絡は取り合ったとしても。
だから
風「夏休み中、暇な時会わね?」
なんて誘ってみる。
ひば、そんな出掛けるとかしなさそうだし…
まぁ断られる⋯
渡「⋯うん、いいよ」
んぇ?!まじ?!
僕の心の中はこんな感じだったけど、
あえて冷静に。
風「やったね。僕、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎連れていきたいとこあんだよね。ひばを」
渡「連れていきたいとこ?」
風「うん、そう。楽しみにしててよ」
連れていきたいとこ。
⋯あの海。僕がよく行く。お気に入りの。
行くまで内緒にしとこって思って
ひばの顔を見ればゲーセンか?
なんて言う表情。
風「あ、今、ゲーセンだったら
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎どうしようとか思ったべ?」
図星みたい。
ほんとにわかりやすい。
初めて話して、僕がひばの名前を知ってるって
答えた時もこんなに会話したな。
ほんと分かりやすくて可愛い。
だからこそ、僕に気がないのが
分かってたまに辛くなる。
だけど、僕は諦めないよ。
そういう意味も込めて
風「かわいい」
ひばの頭をクシャッと撫でる。
そして
風「じゃ、また連絡するわ」
そう言って背を向けた。
いつもの駅。いつものように背を向ける。
だけどいつもと違うのは、
遊ぶ約束をしたってことかな。
夏祭りから、どのタイミングで
誘おうかくそ迷った。
宿題を口実に電話もしたけど、
そしたら1週間で僕がひばに会いたくて
しかたなくなって。
どうせ暇だろうなと思って
【駅集合】とだけメッセージを送った。
そうすればすぐに【分かった】と返ってくる。
そうと決まれば、服⋯。
今日は暑いだろうし、
んー、これ?いや、こっち⋯。
迷っていればその分時間は過ぎていって
家を出なくちゃ行けない時間。
風「やべっ」
慌てて家を出て駅に着いて、
壁にもたれ掛かる。
携帯をいじって待っていれば
そーっと近づいてくる人影。
これ、僕を驚かせようとしてる?
可愛いわ、まじで⋯。
ちょっといじめてみる?
なんて思って声をかけられる前に「よ、ひば」
僕が声を掛ける。
そしたらつまんな!お前!みたいな
顔をされたけどしらね!
可愛いことするひばが悪い!
僕へのドッキリが失敗に終わったのが
悔しいのか行き先を聞いてきた。
これ、サプライズだからさ
まだ教えられないの。
風「まぁまぁ、慌てない慌てない」
どこに行くのか教えて欲しいそうな
ひばに僕に着いてくるように伝えて
バス停へと歩く。
その間、熱くね?やべぇね。
とか話しかけたのに
全く返事を してくれないひば。
そろそろ、心折れるよ?返事してくれないと!
なんて冗談だけど思っていれば
バス停に着いてバスに乗る。
着いた時にすぐに目に入るように
ひばには窓側に座ってもらう。
風「ひばはこっちね」」
その隣はもちろん、僕。
⋯近い。
いつも以上に返い。
ドクドクと心臓が動いてる。
このこと聞こえてるとかない?大丈夫?
こんなに密着して座るなんてなかったから
変に意識をしてしまう。
しばらく、走っていると開いていた
窓から香る潮の匂い。
渡「⋯海?」
風「おっ、わかった?」
渡「だって⋯ほら」
ひばが指さした先には青い海。
近くのバス停で降りて
またひばについて来てもらう。
僕のお気に入りの崖に着く。
太陽に照らされる海、一面に広がる青い海。
やっぱりここが好き。
渡「うわ!すげぇ!」
僕の隣に呼んで、
海を見渡したひばは目を大きく開いて
キラキラとした目で僕を見てくる。
風「はは!やっぱり、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎その反応すると思ってた」
渡「え?」
風「んーん。その顔みたくてさ」
そう。その顔が見たくて。
どうしたら見れっかなって思った結果がここ。
風「ひばの笑ってる顔好きなんだよね」
サッと視線を逸らされる。
ほんとの事なんだけどな。
僕も海に目線を戻して、そのまま話す。
風「ここさ、僕よく来るんだよね」
風「嫌なこととか、嬉しいこととか
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎とにかく何かなあった時は
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ここに来るんだよね」
渡「⋯ふーん」
⋯え?!待って!え?!反応薄すぎね?!
風「え?!そんだけ?!反応薄!」
あ、思わず声に出てた。
渡「んー、いや。意外だなって思っただけ」
でかい声を上げた僕に驚くことも
無く「意外」と言ってきたひば。
風「⋯意外?」
渡「うん。だって、悩みとかなさそうじゃん」
あぁ⋯そういうこと。
悩み⋯か。
あるよ。
風「悩みくらい⋯あるよ。僕にも。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎振り向いて欲しいやつに振り向いて
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎貰えないとかそんなこと」
渡「誰?」
ひば。お前だよ。
なんて言えればいいのに、僕は
風「んー、今は言わない。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎いつか教えてあげる」
なんてはぐらかす。
渡「なんだよそれ⋯気になる」
風「はは、大丈夫、いつか絶対言うから」
うん。いつか。絶対。
この気持ちに整理着いたら、話すから。
それまで待ってて、ひば。
風「⋯ひばはさ、無いの?悩み」
黙ったひばに、今度は僕が質問をする。
少し考えたあと
渡「⋯あるよ」
と言った。そして
渡「俺も振り向いて欲しいやつが
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎振り向いてくんねぇの」
僕と同じ悩みを言ってきた。
その瞬間に、ああ僕の恋終わったな。
そう思った。
風「そっ⋯か」
失恋って案外キツイかも?
その悩みの相手、僕にしない?
なんて言えるわけもないから
風「⋯まぁ、お互い振り向いて 貰えるように
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎頑張ろうぜ?
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎そんで振り向いて貰えたら報告!」
なんて言う約束を取り付けた。
もちろんひばは拒否るけど
見つめれば イチコロ。
僕知ってるよ?僕のこの顔に弱いってこと!
自分で自分を苦しめるような
提案かもしれない。
だけど、その時が来た時伝えられたら
キッパリ諦められるような気がするからさ。
その時が来るまで、お願い。
好きでいさせて。⋯ひば。
好きだよ。