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雲雀side
1ヶ月近くあった夏休みが終わった。
ラスト2日で、なんとか宿題をやり終えた。
海に行ってから、よく誘われたし
俺も誘ったしでよく遊んでいた。
その結果が残り2日で、2人で焦るという。
まあ、出来たなら全てよし。
夏休みが終わった、
ということは次は体育祭が待っている。
毎年、この夏休み明けにするんだって。
リレーとか、サッカーとかバスケとか々。
確か俺は去年、リレー出たっけな。
なんか寝てたら勝手に選ばれてた。
今年は、どーすっかなぁ。
風「なぁ、ひば~」
渡「なに?」
渡「何出る?」
ちょうどKNTも同じことを
考えていたようで、
2人で話し合いが始まる。
風「ひばは去年なに?」
渡「リレー」
風「珍し」
渡「うるせ。寝てたら勝手に
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎決められてただけ。 KNTは?」
風「俺?サッカー」
そう答えると、
その場でエアサッカーをし始める。
⋯何やってんだこいつは。
渡「意外」
てか、意外。うん、とてつもなく意外。
風「そ?俺、中学までサッカー部だよ」
初耳。
中学の話とか全くしないから知らなかった。
サッカー部とか、モテ要素しかねぇじゃん。
風「⋯で、今年はひば何に出んの?って」
KNTがサッカーならサッカーがいい。
その方が近くで見てられるし。
でもそんな理由で選んだらキモイって
思われそうだし。
だったら前と同じのリレー?
あぁ!どうしよう。
風「まだ決めてねぇなら一緒に
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎サッカーやんね?」
なかなか答えを出せずにいた俺に、助け舟。
渡「俺、サッカーとかやったことねぇよ?」
風「大丈夫だって。いける!ひばなら」
どっからその自得は出てくるんだ。
でもまあ、嬉しいし。
KNTが誘ってきたなら、
やるしかないじゃん?
渡「⋯分かった。サッカーにする」
風「まじ?!うれしい~」
自分から誘ってきたくせに、
ルンルンでニヤニヤし始める。
キモ⋯。なんて思ってた
その顔が今では愛おしく感じて。
俺が俺じゃないみたいでなんか、うん、変。
担任が教室に来て、種日決めを早速初めて、
無事に俺とKNTはサッカーに。
サッカーとかまじでやったことねえけど、
なんとかなるっしよ。
そう思って俺はまた机に突っ伏した。
風「⋯ば!⋯ひば!ひば!」
次に意識が浮上したのは、
KNTが馬鹿でかい声で俺を呼んでいた時。
渡「⋯んだよ」
ゆっくり顔をあげればニッと嬉しそうに
笑うKNT。
風「ひば、お昼」
渡「⋯へ?」
風「だから、お昼だって」
昼⋯。
昼…。
昼?!
渡「俺⋯そんな寝てた?」
風「うん、超ぐっすり」
確か寝たのが、2限の途中だったから。
うわ。すげ。
そんなに寝れる俺に自分で驚くし、
誰も起こさないのが普通にすごい。
渡「ま、食べよーぜ」
寝起き20秒の俺の前で、
バクバクと昼飯を食べている。
俺は
風「⋯は?ひば、それだけ?」
渡「うん」
ゼリーひとつ。とグミ。
風「いつもパンとか食ってんじゃん」
渡「あー、それは気分。
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎今日はこの気分だっただけ」
風「ちゃんと食わねーと倒れるよ?」
渡「るせ。倒れねぇーって」
てか倒れるようなことしねぇし。
俺より食ってるはずなのに
お前の方が細くて逆に俺が心配だわ。
おかずを口に含まながら
ブツブツと何かを言っている
KNTをスルーしてゼリーを食べる。
あ、そーいや
渡「なぁ、KNT」
風「ん?」
渡「サッカー教えてくんね?」
風「え?いいけど、またどうして?」
渡「いやだって、何も出来ねぇやつが
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎コートにいたら恥ずいだろ」
風「あぁー、確かに。恥ずい以前に邪魔だな」
ヘラヘラと笑いながら、
なかなかな事を言ってきやがる。
風「放課後、やろ」
ディスって来たくせに、
しっかり教えてはくれるようで
放課後の約束を取り付けた。
放課後になって、近くの公園に来た。
まずは⋯って1からKNTの実践付きで
教えて貰って。
見よう見まねでやれば、
30分もあれば形にはなっていて。
風「⋯やれば出来んじゃん」
なんてKNTは驚いてた。
地味に、運動神経はいいんだよ。
体育の成績だけは良かったからな。
それから暗くなるまで
2人でサッカーをして駅へと帰り背を向けた。
学校ってくそめんどいけど
体育祭とか学祭とかそーゆう時だけは
楽しいよな。
勉強とかそっちのけで出来るし。
学校が体育祭ムードに変わって1ヶ月。
今日がその本番。
朝からワイワイと賑わっていて、
ザワザワとしている。
俺はそこまでテンションが
上がるわけでもねぇから
いつも通り教室に入る。
そうすればいつも俺を見つけては「はよ」って
声をかけてくるKNTが珍しく
机に突っ伏していて。
渡「⋯KNT?」
声をかければムクっと顔を上げて
風「あぁ、ひば?おはよぉ」
とへへっといつも以上にふわふわしながら
答えてきた。
どうした?いつもと違うね?
そう思ったけど、当の本人は
なんか気になったしで聞くことも出来ず
体育祭が始まった。
開会式が終わってゾロゾロと
皆が移動していく。
俺は体育館だし移動って言っても、
壁際によるだけ。
風「ひば〜」
渡「なんだよ」
壁に寄りかかって座れば、隣に座ってくるKNT。
いつも以上にフワフワしてるからか、
距離が近くて体が触れてる。
風「ん~、なんでもないよ」
ヘラヘラとまた笑うKNTを
剥がそうと触れると、
少し体が熱いことに気づく。
渡「⋯KNT」
風「ん?」
渡「⋯熱、あんだろ」
風「へ?ないよ?」
うわ。無自覚かよ。
渡「熱いって。出んのやめて休めば?」
風「え~、やだ。楽しみにしてたもん」
⋯もん。って。
いつも言わねぇじゃねーか。
確実に熱、あるだろ。
渡「ぶっ倒れるよ?」
風「ひばじゃないから、
︎ ︎ ︎ ︎ ︎ ︎ちゃんと食ってるから平気~」
いや、そういう問題じゃなくて。
風「とにかく、俺はへーき。できる!」
フンっと力こぶを俺に見せつけてくる。
いやだから、そういう事じゃねー。
渡「⋯ま、無理だけはすんなよ」
これ以上何言っても、無駄だと思って
警告だけしてこの話は終わった。
競技が始まって、女子のキャーって声とか
得点決まる度にドカッと上がる歓声。
その度に顔をしかめるKNT。
渡「大丈夫か?」
風「⋯ん。へーき。ありがと、ひば」」
無理なら無理っていやーいいのに。
頼りないかなあ、俺じゃ。
無理やりにでも休ませたいけど、
結構KNTで頑固だから聞かないだろうし。
倒れる前に休ませればいい。
そう思ってたのに。
俺らのクラスの番になって、ゲームが始まる。
スムーズにパスが回って、
得点をメンバーが決める。
その後も、KNTにボールが沢山回ってて
すげえなんて他人事のように考えながら
俺もサッカーをしてた。
なんなら得点も決めた。
俺の時には女子の歓声なかったくせに
KNTの時だけはうるさいくらいに
歓声があがる。
まじでモテるわ、あいつ。
ゲームが進んでいくうちに、
KNTの顔色がどんどん悪くなっていって。
なんなら冷や汗まで出してて。
渡「⋯KNT!」
休もう。そう声をかけようとした
タイミングで
試合が終わる。
結局、2点差で負けた俺ら。
あぁー疲れた!なんて言って
コート外に出ていく
メンバーを横目にKNTに駆け寄る。
渡「KNT」
風「ん?あ、ひば⋯」
KNTに触れれば、
さっきよりも格段に熱くなってるからだ。
渡「歩ける?」
もうほんとにきついのか、
喋ることすらなかった。
頷いたのを確認して、
肩を支えて体育館を出る。
外の生ぬるい風が俺らの間を吹き抜けた時、
グッと俺の腕に体重がかかる。
渡「⋯!KNT!」
直ぐに確認をすれば、
体に力が入らず肩で息をしているKNT。
風「⋯へへ⋯ひば⋯ごめん」
慌てて支えれば、それだけ言ってKNTは
意識を飛ばした。
さっきよりも更に体重が掛かり、
その場に崩れ込む。
流石に俺も焦って、保健室⋯とはなったけど
どう運ぶ?
と考えた結果、横抱き。
いわゆるお姫様抱っこ。という考えになった。
風「⋯ごめん」
と謝りながらKNTを抱え込むと、
予想以上に軽くて怖くなる。
あんなに食っててこんなに軽いって
大丈夫かよ。
意識を失っているはずなのに、
少しの振動でも顔をしかめるKNT。
⋯なんでこんなになるまで無理するかな。
と思うのと同時に、
もう少し俺が早く止めてれば良かったという
後悔が俺を襲う。
体育館を出て廊下を曲がって
すぐ保健室に着いてそっとベッドに寝かせる。
寝かせて改めて顔を見れば、
汗とは違う冷や汗でびっしょり。
保健室に置いてあるタオルを水で濡らして、
汗を拭く。
その時に少し冷たかったのか
「んっ」と少し声を出した。
看病とかしたこと無さすぎて
何していいかわかんねぇから
とりあえず汗拭いて⋯
⋯あ、タオル乗っけとく?
冷えピタどこにあるかわかんねぇし⋯。
もう一度タオルを濡らして
おでこに置くとやっぱり冷たいのか
少し声を漏らした。
しばらくすると、苦しそうだったKNTが
落ち着いてスースーと寝息が聞こえてくる。
渡「⋯良かった」
なんかホッとして、
もう俺らは出来ることないからか
力が抜けてベッドに突っ伏して俺も寝ていた。
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