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朝鮮戦争・改

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朝鮮戦争・改

第39話 - 第39話　黒船来航

2024年09月12日

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伊琉夏

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それは、未知の世界からやってきたかのような光景だった。倭の人々が普段目にする船とは全く異なる、巨大で漆黒の船が水平線の向こうから現れたのだ。黒い船体が不気味に輝き、まるで夜の闇そのものが海上に浮かび上がってきたようだった。

「黒船だ！あれは何だ…？」

港の兵士たちは、目の前に広がる異様な光景に驚愕し、動揺を隠せなかった。これまで見たこともない形状、そしてその圧倒的な存在感。まるでこの世界の常識を覆すかのように、黒船はゆっくりと倭の海岸へと近づいてきた。

やがて、岸に降り立ったのは異国の兵士たち。彼らの姿は明らかに倭の者とは異なり、異質で異様な威圧感を放っていた。黒服に身を包み、銃火器を携えた彼らの行進は、まるで何かを予告しているかのようだった。

「異国からの使者か？それとも…敵か？」

伊吹丸は城内で報告を受け、黙って彼らの到来を見守っていた。

黒船の指揮官は、フランスやローマとは異なる、さらに遠い地からやって来たと自らを名乗った。アメリカ合衆国。全く聞いたこともない名であったが、彼らは一度の戦で倭の進出を食い止めようとしているのか、外交を試みるのか、その意図は不明だった。

指揮官は強気な態度で、開国と協力を倭に要求した。

「我々は、平和的な交渉を望む。しかし、この要求を拒むならば、技術力が何をもたらすかを見せることになるだろう。」

その言葉に港の兵士たちは再び身震いした。黒船が圧倒的な武力を誇示しているのは明らかだった。未知の技術を持つ相手に対して、いかに倭が優位に立てるかは不透明だった。

「彼らの意図は明確だ。だが、この地で積み上げてきたものを脅かす者には、容赦はしない。」

伊吹丸は言葉を静かに言い放ち、黒船の到来に対抗する策を練り始めた。彼の下には倭最強の戦士たちが集まり、黒船に対抗するための新たな戦略が進行していた。技術的には劣っているかもしれないが、伊吹丸の頭にはすでに一つの妙案が浮かんでいた。

「彼らがどれほどの力を持とうとも、我々の誇りと力で、必ず勝利を掴む。」

海上では、黒船が動きを待ち続けていた。黒い霧のような不吉な気配が漂い、港にいる者たちは何か恐ろしいことが始まろうとしている予感に包まれていた。

倭の未来が、この瞬間にかかっていることは誰の目にも明らかだった。伊吹丸がこの脅威にどう対処するのか、歴史の一幕がまさに刻まれようとしていた。