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黒船の指揮官が倭に足を踏み入れ、威圧的に交渉を開始していた時、伊吹丸はその場に現れた。彼の登場は、兵士や黒船の乗組員たちに沈黙をもたらした。
彼の姿は、力強くも飄々としており、剣豪としての風格を漂わせていた。その眼差しは、黒船の指揮官をしっかりと捉え、静かに言葉を紡ぎ出す。
「俺の名前は伊吹丸。倭の剣豪にして、統治者だ。」
その言葉には、覚悟が込められていた。指揮官は眉をひそめたが、自らの強大な船を思い出し、冷ややかな笑みを浮かべた。
「なるほど、伊吹丸か。だが、この交渉はお前にとって不利だ。我々の技術力を前にして、無駄な抵抗は無意味だぞ。」
伊吹丸はその挑発を笑顔で受け流し、指揮官の目をじっと見つめた。
「技術力ねぇ…。確かに、お前らの船はでかいし、見たこともないような武器もある。だが、それがどうした?」
彼は一歩前に出ると、ゆっくりと刀の柄に手を添え、声を低くして言った。
「俺の異能――それは、全てを無にする力だ。」
指揮官の顔に、一瞬だけ驚愕の色が浮かんだ。言葉の意味を理解する間もなく、伊吹丸は鋭い眼差しを黒船へ向けた。
「お前らがどれだけ強力な武器を持とうと、この地では無力だ。見せてやるよ、俺の力を。」
その瞬間、伊吹丸の刀がわずかに動き、激しく渦巻いた。そして次の瞬間、黒船の上空で何かが弾けたような音が響き渡った。
「何だ!?」
指揮官が驚いて振り返ったその先に、黒船がまるで何かに押し潰されたかのように、船体が一瞬で崩れ去っていく光景があった。異様なまでの速度で、その巨体は爆風に飲まれ、粉々に吹き飛んだ。
「ば…爆発だと!?」
指揮官の叫びは、爆発音と共にかき消された。黒船は灰となり、海上にはその残骸すら残らなかった。
伊吹丸はゆっくりと刀を納め、淡々と続けた。
「これが、自己紹介だ。お前らの技術なんぞ、倭の剣には敵わん。今度来るときは、もっとまともな船を持ってこいよ。」
そう言い残すと、彼は背を向けて歩き出した。港にいた兵士たちはその光景に呆然としながらも、すぐに歓声を上げた。伊吹丸が、再び倭の地を守り抜いたのだ。