TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

メイン青 サブ他 リアル設定

サイド黒


車のドアを開け、先に自分が降りてから隣に乗っていた樹をうながす。

「ゆっくりね、気を付けて」

「わかってるよ」

ちょっと面倒くさそうに返す。

杖を地面に下ろし、ゆっくりと片足ずつ車から降りる。

メンバーとともに、スタッフさんに言われた場所へ行く。

今日はYouTubeの撮影で、キャンプ場に来ていた。車内からずっとテンションの高かった高地は、早速たき火の準備に取り掛かっている。

「うおーすげー!」

そしてもう一人、ハイテンションなのがジェシー。まるで初めてのものを見る子どものようにはしゃいでいる。ほかのメンバーも目を輝かせて、わくわくしているようだ。

「座んなくて大丈夫?」

心配して言っても、樹はあっけらかんとしている。

「大丈夫だよ。作業は手伝えないけど」

「まあ高地がやってくれるよ」

二人で笑い合っていると、慎太郎がやってくる。「樹ー、椅子出そうか?」

「いいよ、自分で出す。俺、なんか手伝えることある?」

「大丈夫だって」

みんながこういう風に気に掛けるのも、樹の足のことがあるから。

数年前の事故で足を怪我し、今も後遺症が残っている。右足は股関節以外ほとんど曲がらないし、左足は軽いけれど少し動かしづらいらしい。歩くときには杖がいる。形は高齢者の杖と同じだから、よく高地と一緒に「おじいちゃん」っていじられる。

でも、杖は黒色でスタイリッシュだから全然そんなことはない。

と、早速スタッフさんにキャンプ用の椅子を置いてもらったようで、樹が座っている。

大我「樹、座るの早いって!」

樹「いいもん、俺の特権」

大我「俺も座らせろっ」

京本が、半ば強引に樹の上に座ろうとしている。それでも楽しそうに笑う樹。

あの二人のやり取りは、いつも聞いていておもしろいなと思う。

でも京本も、足の上に全体重を乗せたら痛いということを知っているから、手加減している。

樹「ちょ、ごめんきょも、痛い…」

だがわずかに痛みがあったのか、足を押さえた。すぐさま京本は退き、「ああごめん! 大丈夫?」

樹「うん。心配すんな」

高地「ねえー、なんか燃えそうな木の枝拾ってきてくんね?」

着々と進めていた高地が、自由奔放に遊びだしたメンバーに声かけをする。それぞれ素直に従い、色々な枝を持ってくる。

慎太郎「見て! 天然の着火剤」

ジェシー「これをどうすんの?」

高地「だから燃やすんだよ笑」

いつものわちゃわちゃとした雰囲気で進んでいく。そして一通り用意が済んだ。というのも、ほとんど高地がやってくれたのだが。

みんなはたき火の周りで椅子に腰を落ち着け、

ジェシー「あったかーい」

慎太郎「あったけぇ…」

樹「音いいよね」

大我「音だけ録って動画にするのもいいかも」

高地「俺らなし…⁉」

「まあ、たまにはいいかもね」

樹「それに北斗のナレーション付きで。低音ボイスで」

「なんじゃそれ」

ジェシー「いいねえ、AHAHA!」


そのあとは次の回の企画を撮り、夕方になったところでお待ちかねのバーベキューだ。

買ってきた食材を広げ、チームに分かれて作業する。俺は魚チーム。

「うまそう、この魚。名前なんだっけ?」

慎太郎「イナダ。魚へんに秋って書く」

「へえ」

大我「それってサンマじゃなかったっけ?」

慎太郎「それはねえ…えーっと、秋に刀に魚だわ」

大我「ああそうか!」

慎太郎がテキパキと捌いてくれているので、少し席を離れてもう一つのチームを見に行く。

「おーい、どんな感じー?」

高地「順調ー」

樹「見て、肉、おいしそうだべ」

北斗「こっちも魚すげーうまそうだよ」

ジェシー「早く食べたい」

高地「ダメ、まーだ」


結局、いつものように喋りまくっていたせいか、準備に2時間かかって食事が出来上がった。

6人「いただきまーす」

「俺高地が炊いてくれた米食べたい」

高地「そこから自由に取っていいよ」

樹「きょも取ってー」

大我「はいはい」

ジェシー「うまーい」

大我「おいしっ」

樹「マジでうまい」

慎太郎「あっつ」

各々の反応を見て、なぜか嬉しくなる。ほんと、俺ってメンバーにのろけてるなと思う。

「んーおいしい」

隣に座った樹が、「よかったね」なんて言うから笑えてくる。

「いいよね、こんなみんなでバーベキューなんて」

樹「うん。楽しいね」

目じりにしわを寄せ、満面の笑みを見せる。

俺も微笑み返した。


続く

6つのカケラ、それぞれのHIKARI

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

211

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚