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「でしたら、俺、友達立候補していいですか!」
「……」
やばい、勢いで、
「クククッ」
笑いをこらえるようにお腹を抱え下を向いていた
「周さん…?」
「あぁ…ごめんね、そういうのって好きな女性に言うものじゃないのかなと…クククッ」
「もしかして嫌でしたか!?」
「嫌じゃないよ!寧ろとても嬉しいよ!」
周さんは一見強面で雰囲気もとても凛々しく近寄り難い印象を持っていた
だけどそんな人が今子供のように笑っているのを見て心が癒された
「周さんって意外と子供っぽい笑い方をするんですね 」
「!…そうかな?」
うっ…照れてる可愛い
「立候補の話はっ!」
「もちろんだよ、でも私は友達と言うものをよく知らないから教えてくれると嬉しいな」
嬉しいなだって…なんでも教えてあげますともっ
恋人…とはいかないけどお友達になれたんだ
「家が厳しかったんですか?」
「そうだね、元々過保護気味な親ではあった
心琴くんの親御さんは何をしている方かな?」
「俺の親は、」
「すまない、話したくなかったら話さなくていいんだよ」
「いや全然大丈夫ですよ!母親は介護士で父は…今何をしてるんだろう」
「どんな人だったんだい?」
「母親はとても優しい人でした僕たちを養ってくれたし、父親は…あまり好きではありませんでした」
「同じだ」
「え?」
「私も父のことがあまり好きではなかった」
そう言った周さんは優しく微笑んでくれた
「もう夜も遅いし寝ようか、心琴くんは友達の所へ行きな」
「え?、でも」
「私とはいつでも一緒に寝れるけど友達とはそうもいかないだろ?」
「!、はい!おやすみなさい!」
「おやすみ」
はぁ、いつでも一緒に寝れるか…
初めて恥ずかしさで顔が赤くなったのを実感した
「心琴様。」
「うわっ!すみません!気づかなくて、」
「いえ、大丈夫ですよ今日はご友人様と共にされるのですね。ごゆっくりお休みください。」
「今日は本当にありがとうございました!おやすみなさい。」
「戻ったぞ〜って、もうみんな寝てるのか?」
電気もついてないしこれじゃあなんにも見えん、寝てたらごめんよ
「心琴ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
「うわぁぁぁっ!」
「あはははっひっひっ…うぇっ」
「笑い過ぎだろ…」
驚きとさっきまでの照れくささで表情管理が大変だ
「僕はやめた方がとは言ったんですけどね」
「心琴遅くね〜?」
「ですね〜」
「突撃しに行く?」
「いや、ここの家部屋多すぎて僕たちが迷子になっちゃいますよ」
「それはそうか〜、じゃあ驚かせるか!」
「それだったらいいんじゃないですか?僕はやりませんけど!」
「じゃあ実行だ!」
「怒られない程度にやってくださいよー」
「やめた方がいいなんて言ってないじゃないか!」
「あれ、言ったつもりでした…すみません」
「まぁいいけど…明日学校じゃね?」
みんなハッとした
明日学校だったら制服も持ってきてないし学校行けないんじゃね
「休むか〜」
「却下」
「だって俺ら制服持ってきてないし!」
「俺だってそうだよ!」
「…休むか」
「却下」
津野と俺が言い合いしてた時
「明日休みですよ」
え?
「明日敬老の日で休みですよ」
そう言った高井は周さんと似たような笑い方をした
「それを早く言えよ!」
さっきまでの切迫感が嘘のように和らいだ
「眠たいから寝る」
「えぇ!枕投げわ!」
「ホテルならまだしも他人の家だぞ」
「確かに、また明日もあるし寝るかぁ」
そう言って広い部屋で3人で眠りについた
コンコンコン
「心琴様」
ん、?
寝ぼけた頭でドアに足を運んだ
「はい、待ってくださいぃ…」
ガチャ
「高井様おはようございます。よくお眠りになられたようで良かったです。」
「あははっ、心琴たちはまだ眠ってて、はい、よく眠れました。ありがとうございます」
初めて一体一で話した
「朝の食事をご用意しておりますので準備が出来次第前来てください。道が分からないのでしたらあちらの電話で呼んでください。」
「あははっ、すみませんありがとうございます。」
「失礼しました。」
緊張したぁぁぁぁ
初めての人と話すと最初に笑いを挟んじゃうんだよなぁ
「心琴さん、津野先輩起きてくださいっ!」
「んぁ、もう朝か?、」
「もう8時過ぎですよ!」
僕たちに合わせて食事の時間も合わせてくれたのかな、
「心琴さんも起きてください!」
「………ん”〜っ、」
ふっ布団が剥がせない!
「こいつ朝弱いんだよなぁ、」
そして
「心琴さんっ!」
無理やり布団を引っぺがした
「……あ”?」
「ひぇっ…心琴さん朝ですよぉ、」
「う”ん”…」
心琴は 寝起きが悪い時はちょ〜悪い
年1の下半期に多い。多分日頃の鬱憤で来てる
けど、
「津野先輩、あれ本当に心琴さん???」
「あ〜あれは正真正銘心琴だよけど少し目つきと口調が悪くなるだけだ」
「少しじゃないですよぉ、なんでそんなに楽しそうなんですか?!」
「いや、俺的にはイベントの一環として楽しんでるから」
津野先輩が人に好かれるのってこういうポジティブ思考とか心の余裕があるからなのか
と高井はしみじみ思った