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道場に集まる一同。悟飯がまだ子供であること、いかにも世間知らずそうなことを、ヒソヒソと揶揄していた。
天津飯さんにボコボコにされる様を早く見たいなどという、冷ややかな意見もチラホラ。
天津飯(餃子、いつも通り超能力で、奴の動きを封じてくれ。無論フェアな戦いでも圧勝だが、身の程をわきまえないガキには、洗礼してやらんとな)
餃子(分かった。せいぜい、掃除係として使い物になるくらいにしとけ)
鶴仙人「それでは孫悟飯の力試しを開始する。はじめっー!」
ブーン。
餃子の強力な超能力が、音もなく空間に響き渡る。
天津飯「この手の動きが見えるかなっ!? ほぁちゃー! あちゃ! あちゃ! あちゃ! あたたたたー! ほぁっちゃーーー!!」
天津飯「フン、震えて声も出ないか。まさか気絶したのではあるまいな?」
孫悟飯「あ、あの……やはり僕は弱すぎて、本気で戦って頂けないのでしょうか?」
道着のほつれを正す悟飯。
天津飯(えっ、なんでコイツ動けるんだ……? 餃子! 超能力はもう解いたのか!?」
餃子(て、天さん! 僕の超能力が、効かないっ!)
天津飯(何っ!? コイツ、動けたのにあえて避けずに、俺の全力のパンチを何発も食らい、その上で無傷だというのか!?)
孫悟飯「やはり、ここでも同じですね。他の道場でもこんな感じで、殴る素振りだけ見せて、寸止めされてきたんです。一発でもかすれば死んでしまうほど、僕は弱いのでしょうか?」
天津飯「い、いや。お前まさか、自分の強さに気づいて……」
鶴仙人「天! 出番は終わりだ。ここからは、わしがやろう」
天津飯「鶴仙人様が、直々にですか!? ではなく、俺より弱い鶴仙人様では殺されて……」
鶴仙人「バカモン! お前こそ師匠である、このわしに逆らうのか?」
天津飯「はっ! 出過ぎた真似を……」
鶴仙人「孫悟飯とやら……確かにお前は弱い。だが、強くなる方法がないわけではない」
孫悟飯「本当ですか!?」
鶴仙人「うむ。まずは、お前の本気を見せてみろ。気を解放し、最大限まで戦闘力を高めるのだ。しかしだ、ここで守らなければならない決まりが一つある」
孫悟飯「それは一体……?」
鶴仙人「間違っても、ぜーったいに攻撃をしないということだ」
孫悟飯「そ、それでは正しい実力が測れないのでは……?」
鶴仙人「バカモン! 貴様、わしの眼力をなめておるのか?」
孫悟飯「い、いえ。決してそういうことでは……」
鶴仙人「ならば分かったな。それに、郷に入っては郷に従え。お前のような世間知らずは、まず弟子としての立場をわきまえる練習からだ」
孫悟飯「なるほど。それは、おっしゃる通りです! ではまず、これが本気の状態」