テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
あれから1ヶ月の時が経った。
時間は思ったより静かに流れていた。
特別な出来事はない。
朝起きて、顔を洗って、一緒にご飯を食べて、昼は家で過ごして、夜になったら同じ部屋に戻る。
それだけなのに、不思議と満たされていた。
sha(……こんな生活、ほんまにあったんやな)
ソファに座りながら、シャオロンはぼんやり天井を見上げる。
ロボロはキッチンで、カップにお湯を注いでいる音がした。
rbr「シャオロン、あったかいの飲む?」
sha「飲む」
差し出されたマグカップを受け取ると、指先に少しだけ熱が伝わる。
それに気づいたロボロが、ふと眉を寄せた。
rbr「……なぁ」
sha「ん?」
rbr「ちょっと、顔赤ない?」
言われて初めて、シャオロンは自分の体を意識する。
頭の奥が、少しだけ重い。
sha「……そう?」
sha「でも、あんまりしんどくないよ」
そう言って笑おうとしたが、ロボロの視線は逸れなかった。
自然な動きで、シャオロンの額に手を当てる。
rbr「……あ」
rbr「ちょっと、熱あるやん」
体温計の電子音が鳴るまでの数秒が、妙に長く感じた。
rbr「……37.8」
sha「微妙なとこやな」
シャオロンは軽く肩をすくめる。
132
537
14,818
このくらい、入院中にも何度もあった。
大したことじゃない、と言い慣れた数字。
sha「横になっとけば下がるやろ」
sha「昨日ちょっと夜更かししたし」
rbr「……無理すんなよ」
rbr「今日は大体のこと俺がやるから」
その言葉に、シャオロンは一瞬だけ黙る。
そして、小さく頷いた。
sha「……うん」
sha「わかった」
ベッドに横になると、天井が少し遠く感じる。
毛布をかけてもらいながら、シャオロンはふと笑った。
sha「なんかさ」
sha「ほんまに、世話焼かれてる感じするな」
rbr「今さら何言うてんねん」
そう返しながらも、ロボロはベッドの横を離れなかった。
ペットボトル、薬、タオル。
必要そうなものを、無言で揃えていく。
sha(……迷惑、かけてるよな)
そう思った瞬間、ロボロの声が落ちてきた。
rbr「シャオロン」
sha「ん?」
rbr「……迷惑とか、考えんでええからな?」
rbr「俺がやりたいだけ」
胸の奥が、きゅっと締めつけられる。
sha「……ありがとう」
それ以上、言葉は続かなかった。
少しだけ目を閉じると、頭の重さがはっきり分かる。
sha(……あれ)
sha(前より、しんどい……?)
でも、その違和感を口に出すことはしなかった。
ロボロが心配そうに見ているのが、分かったから。
ロボロは、シャオロンの寝顔を見つめながら、そっと息を吐く。
rbr(……気のせい、やんな)
そう自分に言い聞かせるように、静かに。
部屋には、時計の秒針の音だけが響いていた。
いつもと同じはずの時間が、ほんの少しだけ、違う顔をして流れていく。
まだこの時、二人とも知らなかった。
この「熱」が、ただの通過点じゃないことを。
夜になっても、熱は下がらなかった。
シャオロンの頬は、はっきり分かるくらい赤い。
額に当てたタオルは、もう何度も取り替えた。
rbr「……37.9」
rbr「ほとんど変わってないな」
ロボロの声は、いつもより少しだけ低い。
体温計を置く指先に、力がこもる。
ベッドの上で、シャオロンは浅く息をしていた。
胸が上下するたび、少し苦しそうで。
sha「……ん」
sha「そんな深刻な顔せんでええって……」
そう言って、無理やり口角を上げる。
でも、その笑顔は長く続かなくて、すぐに眉が寄った。
rbr「シャオロン………」
sha「大丈夫やって」
sha「ほら、まだ意識もはっきりしとるし……」
その声が、いつもよりかすれているのに、ロボロは気づいてしまう。
胸の奥が、きゅっと締めつけられた。
rbr(……なんでや)
rbr(昼より、明らかにしんどそうやろ)
ベッドの横に座り、そっと手を伸ばす。
シャオロンの手は、熱いのに、どこか力がない。
sha「……ロボロ?」
sha「そんな顔されたら、俺が不安になるやん」
冗談めかして言おうとしたのだろうけど、途中で息が詰まる。
小さく咳き込むのを見て、ロボロの心臓が強く跳ねた。
rbr「……もう、喋らんでええから……。」
次の瞬間、ロボロは耐えきれずに、身を屈めた。
シャオロンをそっと抱きしめる。
sha「……え」
突然のことに、シャオロンは一瞬だけ目を見開いた。
ロボロの腕は、思ったより強くて、震えていた。
rbr「シャオロンが……」
rbr「今にも、消えてまいそうで……」
rbr「………怖い」
低く、絞り出すような声。
シャオロンは、少し驚いたあと、ゆっくり腕を動かす。
力は弱いけれど、ちゃんとロボロの背中に回した。
sha「……大げさやなぁ」
sha「俺、まだここおるやん」
そう言って、また笑おうとする。
でも、その笑顔は、どこか儚くて。
sha「ロボロの腕、あったかい」
sha「……落ち着くわ」
ロボロは答えられなかった。
喉の奥が詰まって、声が出ない。
ただ、シャオロンを抱く腕に、さらに力を込める。
rbr(……離したくない)
rbr(離したら、ほんまに……)
シャオロンの呼吸が、少しずつロボロの胸に伝わる。
熱と一緒に、生きている証がそこにある。
しばらく、二人とも何も言わなかった。
時計の音と、重なった呼吸だけが、静かに流れる。
でもロボロの胸の奥では、はっきりとした不安が、形を持ち始めていた。
ただの熱じゃない。
そんな予感だけが、ぎゅっと、心を掴んで離さなかった。
夜は、静かすぎた。
カーテンの向こうは真っ暗で、外の音もほとんど聞こえない。
ロボロは、ベッドの横に座ったまま、時計ばかりを見ていた。
——午前二時。
sha「……っ」
小さな声に、ロボロははっと顔を上げる。
rbr「シャオロン?」
返事はない。
代わりに聞こえたのは、浅く、乱れた呼吸。
rbr(……おかしい)
慌てて額に手を当てると、さっきより明らかに熱い。
異様なほど、熱がこもっている。
rbr「……なぁ」
rbr「シャオロン、聞こえる?」
シャオロンは、うっすら目を開ける。
焦点が、少しずれている。
sha「……ろ、ぼろ……?」
声が、掠れている。
いつもみたいに、ちゃんとした発音になっていない。
シャオロンの呼吸が、急に早くなる。
sha「……っ、は……」
sha「……う、ぐ……」
胸を押さえる仕草。
息を吸おうとしているのに、うまく出来ていない。
rbr「シャオロン!!」
身体を起こそうと支えると、シャオロンの体が、がくっと力を失う。
sha「……ごめ……」
sha「……ちょっと、しんどい……」
その言葉が、途切れ途切れになる。
rbr(ちょっとどころちゃうやろ……)
ロボロは震える手で体温計を取る。
数秒後、表示された数字を見て、息を呑んだ。
——39度台。
rbr「……っ」
喉が鳴る。
sha「……そんな、顔せんで……」
sha「……俺は、…」
言い切る前に、激しく咳き込む。
身体が小刻みに震えて、息が乱れる。
シャオロンの体は、熱くて、軽くて、頼りなかった。
sha「……ロボロ……」
sha「……俺、眠いわ……」
その一言で、血の気が引く。
rbr「寝たらあかん」
rbr「シャオロン、目開けて」
頬に触れると、反応が鈍い。
まぶたが、ゆっくり閉じかける。
rbr「……なぁ!!」
呼びかける声が、震える。
rbr(頼む)
rbr(今、ここで……)
ロボロは震える手でスマホを掴み、救急に電話をかける。
その間も、シャオロンの手を離さない。
シャオロンの指が、かすかに動いた。
sha「……ろぼろ……だい、すき……」
聞き取れるか、分からないくらいの声。
rbr「……俺もやで」
rbr「やから、戻ってきてや……」
サイレンの音は、まだ遠い。
夜は、終わらないみたいに長くて、ロボロの胸の奥では、はっきりとした恐怖が、形を持って暴れ始めていた。
サイレンの音は、近づくにつれて現実味を帯びてきた。
赤い光が、部屋の壁を断続的に照らす。
ロボロは、シャオロンを抱きかかえたまま、何度も名前を呼んでいた。
rbr「シャオロン」
rbr「聞こえるか」
返事は、ない。
ただ、微かに胸が上下しているのが分かるだけ。
救急隊員が入ってきて、状況を矢継ぎ早に確認する。
体温、呼吸、脈拍。
「……高熱ですね」
「呼吸、浅いです」
「既往歴は?」
ロボロは、必死に答える。
言葉が、噛み合わなくなるのを自分でも感じながら。
ストレッチャーに乗せられる瞬間、シャオロンの指が、ロボロの服を掴んだ。
sha「……ロ、ボロ……」
消えそうな声。
rbr「ここにおるよ」
rbr「大丈夫やからな……」
その手を、ぎゅっと握る。
救急車の中は、異様に明るかった。
機械音が規則正しく鳴っていて、そのどれもが、命を測る音に聞こえる。
rbr(……早く)
rbr(間に合ってくれ)
祈ることしか、出来なかった。
病院に着くと、シャオロンはすぐに処置室へ運ばれた。
扉が閉まる直前、一瞬だけ視線が合った気がした。
それだけで、胸が痛くなる。
ロボロは、廊下の椅子に座ったまま、動けなかった。
時計を見る気にもなれない。
どれくらい経ったのか分からない。
やがて、医師が出てくる。
医師「……今は、応急処置をしています」
医師「熱を下げる処置と、呼吸の補助を」
その言葉に、少しだけ安堵しかけて——
続く言葉で、胸が凍る。
医師「ただ……」
医師「正直、予断は許しません」
rbr「……それは」
医師は、少し言葉を選ぶように間を置いた。
医師「今夜を越えられるかどうか」
医師「そこが、一つの山です」
ロボロは、何も言えなかった。
頭の中で、言葉が反響するだけ。
——今夜を越えられるか。
朝。
カーテン越しの光が、病室を淡く照らしていた。
ロボロは、椅子で一晩を明かしていた。
シャオロンのそばを、離れなかった。
機械に繋がれた身体。
胸の上下は、ゆっくりで、不安定。
そして——
シャオロンが、静かに目を開けた。
sha「……ロボロ……」
かすれた声。
でも、はっきりと、意識がある。
rbr「……シャオロン」
思わず、声が震える。
sha「……ここ、病院やな」
一瞬、天井を見つめてから、ゆっくり、理解したような顔になる。
sha「……結構、まずい感じ?」
ロボロは、答えられなかった。
それだけで、シャオロンは察した。
sha「……そっか」
不思議なくらい、落ち着いた声だった。
sha「……なぁ」
sha「俺さ」
少し、息を整えてから続ける。
sha「もう、分かるよ」
rbr「……何を」
sha「……俺、あんま時間残ってないんやなって」
そう言って、ほんの少し笑う。
sha「……不思議やな」
sha「普通は怖いはずやのに」
sha「……今は、ロボロがおるから」
その言葉が、胸に刺さる。
rbr「……そんなこと、言うな」
sha「言わせて」
シャオロンは、ロボロの手を探す。
指先が触れて、絡む。
sha「……ちゃんと、言いたいことある」
sha「後で、とか」
sha「また今度、とか」
sha「もう、無理やろ?」
ロボロは、俯いたまま、頷くことしか出来なかった。
シャオロンは、その様子を見て、 少しだけ、安心したように目を細める。
sha「……大丈夫」
sha「泣かんとって?」
sha「俺な」
sha「ロボロに会えて」
sha「……ほんまに、よかった」
rbr「……俺もや」
ロボロは、一度だけ視線を落として言った。
rbr「……なぁ、シャオロン」
ポケットに入れたまま、ずっと触れていなかった小さな箱。
sha「どしたん?」
シャオロンは、ロボロの声の変化に気づいて、ゆっくり瞬きをする。
rbr「……ちょっと、待ってな」
ベッドの横で、ロボロは小さな箱を取り出した。
手のひらに収まるくらいの大きさ。
sha「……それ、何…?」
ロボロは返事をせず、箱をそっと開いた。
中には、シンプルな指輪が一つ。
派手じゃない、でも丁寧に磨かれたそれ。
sha「……あ」
小さく、息を呑む音。
rbr「ほんまは……」
rbr「もっと、ちゃんとした時に渡すつもりやってん」
rbr「出かけた帰りとか」
rbr「笑っとる時とか」
言葉が、途中で途切れる。
rbr「……でも」
rbr「今しか、ない気がして」
ロボロは、シャオロンの手を取った。
少し細くなった指。
それでも、確かに生きている温度。
rbr「……ええか?」
sha「……うん」
短い返事。
ロボロは、ゆっくりと指輪をはめる。
sha「……あは」
sha「……おそろい、みたいやな」
そう言って、ロボロの手を見る。
rbr「……ああ」
rbr「おそろいやで」
それだけの言葉なのに、胸の奥が、ひどく痛んだ。
sha「……嬉しいな」
sha「最期にさ」
sha「こんなもん、貰えるなんて」
声は、穏やかで、優しくて。
だからこそ、余計につらい。
rbr「……最期とか言うな」
sha「ふふ」
sha「ごめん」
sha「でもな」
sha「俺、ほんまに嬉しい」
sha「ロボロが、俺のこと……」
sha「ちゃんと、考えてくれとったって」
指輪をはめた指を、少しだけ動かす。
rbr「そら、そうやろ」
sha「……大事にするわ」
シャオロンの呼吸は、少しずつ、でも確実に苦しそうになっていた。
胸が上下するたび、音が混じる。
吸うのも、吐くのも、どこか無理をしているみたいに。
rbr「……シャオロン」
名前を呼ぶ声が、震える。
sha「……ん」
ゆっくり瞬きをして、ロボロを見る。
焦点は合っているのに、どこか遠い。
sha「……ちょっと、息……しんどいな」
そう言って、苦しそうに笑う。
それだけで、ロボロの胸がぎゅっと潰れた。
rbr「喋らんでええから……」
rbr「無理せんで……」
首を横に振る。
シャオロンは、かすかに首を動かして否定した。
sha「今、言わな……」
sha「絶対……後悔、する」
ロボロの手を、きゅっと握る。
もう力は弱いのに、それでも必死で。
sha「……ロボロ」
rbr「……何や」
声が、もう抑えられていなかった。
ぽた、と。
手の甲に、涙が落ちる。
sha「……ありがとう」
sha「一緒に、住んでくれて」
sha「毎日、ご飯作って」
sha「……夜、そばにおってくれて」
一つ言うたびに、息を整える。
それがどれだけしんどいか、見ていて分かるのに。
rbr「……やめてや……」
rbr「そんなの……当たり前やろ……」
言葉の途中で、声が崩れた。
ぽたぽたと、涙が止まらなくなる。
sha「……当たり前じゃないよ」
sha「俺にとっては……全部、特別やった」
ロボロは、耐えきれずに顔を伏せる。
rbr「……嫌や……」
rbr「行かんとって……」
その言葉に、シャオロンは一瞬だけ目を細めた。
泣きそうな顔で、でも、やさしく。
sha「ロボロが泣くと……」
sha「俺、心配になるやん」
そう言って少しだけ笑った。
sha「……なぁ」
sha「最期に……1つだけ」
rbr「……何でも言え」
声は、もう嗚咽混じりだった。
シャオロンは、少しだけ息を吸って、 ロボロを、まっすぐ見た。
sha「……愛してる」
その一言は、驚くほどはっきりしていた。
rbr「……っ」
息を呑む。
rbr「……俺もや」
rbr「シャオロン……」
rbr「……愛してる」
言った瞬間、涙が溢れて止まらなくなる。
縋るみたいに、シャオロンの手を握りしめた。
シャオロンの目に、うっすらと涙が浮かぶ。
でも、こぼれはしなかった。
sha「……よかったぁ」
sha「それ、聞けて……」
そして――
とても、儚くて、やさしい笑顔を浮かべた。
ニコッと。
まるで、安心しきったみたいに。
ゆっくりと、まぶたが下りていく。
rbr「……シャオロン?」
rbr「なぁ……」
返事は、ない。
胸の上下は、もう、ほとんど分からなかった。
しばらくして、機械の音だけが、淡々と続く中で、医師が静かに首を横に振った。
ロボロは、動けなかった。
シャオロンの手を、握ったまま。
その顔は、穏やかで、 苦しみから解放されたみたいだった。
——二度と、その目が開かれることはなかった。
コメント
2件
えぇぇぇ……sha彡…!?え、嘘ですよね、嘘だと思っときます、え、マジすか、これは大泣き案件だぁ、…普通にめっちゃ泣いてしもうた…😭感情移入が半端ない…