テラーノベル
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⚠️ こちらはd!の二次創作です ⚠️
死ネタ BL要素 が これから出てきます
地雷 彡 は 回れ右 !
あれから数日が経った。
時間は思ったより静かに流れていた。
特別な出来事はない。
朝起きて、顔を洗って、一緒にご飯を食べて、昼は家で過ごして、夜になったら同じ部屋に戻る。
それだけなのに、不思議と満たされていた。
sha(……こんな生活、ほんまにあったんやな)
ソファに座りながら、シャオロンはぼんやり天井を見上げる。
ロボロはキッチンで、カップにお湯を注いでいる音がした。
rbr「シャオロン、あったかいの飲む?」
sha「飲む」
差し出されたマグカップを受け取ると、指先に少しだけ熱が伝わる。
それに気づいたロボロが、ふと眉を寄せた。
rbr「……なぁ」
sha「ん?」
rbr「ちょっと、顔赤ない?」
言われて初めて、シャオロンは自分の体を意識する。
頭の奥が、少しだけ重い。
sha「……そう?」
sha「でも、あんまりしんどくないよ」
そう言って笑おうとしたが、ロボロの視線は逸れなかった。
自然な動きで、シャオロンの額に手を当てる。
rbr「……あ」
rbr「ちょっと、熱あるやん」
体温計の電子音が鳴るまでの数秒が、妙に長く感じた。
rbr「……37.8」
sha「微妙なとこやな」
シャオロンは軽く肩をすくめる。
このくらい、入院中にも何度もあった。
大したことじゃない、と言い慣れた数字。
sha「横になっとけば下がるやろ」
sha「昨日ちょっと夜更かししたし」
rbr「……無理すんなよ」
rbr「今日は大体のこと俺がやるから」
その言葉に、シャオロンは一瞬だけ黙る。
そして、小さく頷いた。
sha「……うん」
sha「わかった」
ベッドに横になると、天井が少し遠く感じる。
毛布をかけてもらいながら、シャオロンはふと笑った。
sha「なんかさ」
sha「ほんまに、世話焼かれてる感じするな」
rbr「今さら何言うてんねん」
そう返しながらも、ロボロはベッドの横を離れなかった。
ペットボトル、薬、タオル。
必要そうなものを、無言で揃えていく。
sha(……迷惑、かけてるよな)
そう思った瞬間、ロボロの声が落ちてきた。
rbr「シャオロン」
sha「ん?」
rbr「……迷惑とか、考えんでええからな?」
rbr「俺がやりたいだけ」
胸の奥が、きゅっと締めつけられる。
sha「……ありがとう」
それ以上、言葉は続かなかった。
少しだけ目を閉じると、頭の重さがはっきり分かる。
sha(……あれ)
sha(前より、しんどい……?)
でも、その違和感を口に出すことはしなかった。
ロボロが心配そうに見ているのが、分かったから。
ロボロは、シャオロンの寝顔を見つめながら、そっと息を吐く。
rbr(……気のせい、やんな)
そう自分に言い聞かせるように、静かに。
部屋には、時計の秒針の音だけが響いていた。
いつもと同じはずの時間が、ほんの少しだけ、違う顔をして流れていく。
まだこの時、二人とも知らなかった。
この「熱」が、ただの通過点じゃないことを。
夜になっても、熱は下がらなかった。
シャオロンの頬は、はっきり分かるくらい赤い。
額に当てたタオルは、もう何度も取り替えた。
rbr「……37.9」
rbr「ほとんど変わってないな」
ロボロの声は、いつもより少しだけ低い。
体温計を置く指先に、力がこもる。
ベッドの上で、シャオロンは浅く息をしていた。
胸が上下するたび、少し苦しそうで。
sha「……ん」
sha「そんな深刻な顔せんでええって……」
そう言って、無理やり口角を上げる。
でも、その笑顔は長く続かなくて、すぐに眉が寄った。
rbr「シャオロン………」
sha「大丈夫やって」
sha「ほら、まだ意識もはっきりしとるし……」
その声が、いつもよりかすれているのに、ロボロは気づいてしまう。
胸の奥が、きゅっと締めつけられた。
rbr(……なんでや)
rbr(昼より、明らかにしんどそうやろ)
ベッドの横に座り、そっと手を伸ばす。
シャオロンの手は、熱いのに、どこか力がない。
sha「……ロボロ?」
sha「そんな顔されたら、俺が不安になるやん」
冗談めかして言おうとしたのだろうけど、途中で息が詰まる。
小さく咳き込むのを見て、ロボロの心臓が強く跳ねた。
rbr「……もう、喋らんでええから……。」
次の瞬間、ロボロは耐えきれずに、身を屈めた。
シャオロンをそっと抱きしめる。
sha「……え」
突然のことに、シャオロンは一瞬だけ目を見開いた。
ロボロの腕は、思ったより強くて、震えていた。
rbr「シャオロンが……」
rbr「今にも、消えてまいそうで……」
rbr「………怖い」
低く、絞り出すような声。
シャオロンは、少し驚いたあと、ゆっくり腕を動かす。
力は弱いけれど、ちゃんとロボロの背中に回した。
sha「……大げさやなぁ」
sha「俺、まだここおるやん」
そう言って、また笑おうとする。
でも、その笑顔は、どこか儚くて。
sha「ロボロの腕、あったかい」
sha「……落ち着くわ」
ロボロは答えられなかった。
喉の奥が詰まって、声が出ない。
ただ、シャオロンを抱く腕に、さらに力を込める。
rbr(……離したくない)
rbr(離したら、ほんまに……)
シャオロンの呼吸が、少しずつロボロの胸に伝わる。
熱と一緒に、生きている証がそこにある。
しばらく、二人とも何も言わなかった。
時計の音と、重なった呼吸だけが、静かに流れる。
でもロボロの胸の奥では、はっきりとした不安が、形を持ち始めていた。
ただの熱じゃない。
そんな予感だけが、ぎゅっと、心を掴んで離さなかった。
夜は、静かすぎた。
カーテンの向こうは真っ暗で、外の音もほとんど聞こえない。
ロボロは、ベッドの横に座ったまま、時計ばかりを見ていた。
——午前二時。
sha「……っ」
小さな声に、ロボロははっと顔を上げる。
rbr「シャオロン?」
返事はない。
代わりに聞こえたのは、浅く、乱れた呼吸。
rbr(……おかしい)
慌てて額に手を当てると、さっきより明らかに熱い。
異様なほど、熱がこもっている。
rbr「……なぁ」
rbr「シャオロン、聞こえる?」
シャオロンは、うっすら目を開ける。
焦点が、少しずれている。
sha「……ろ、ぼろ……?」
声が、掠れている。
いつもみたいに、ちゃんとした発音になっていない。
シャオロンの呼吸が、急に早くなる。
sha「……っ、は……」
sha「……う、ぐ……」
胸を押さえる仕草。
息を吸おうとしているのに、うまく出来ていない。
rbr「シャオロン!!」
身体を起こそうと支えると、シャオロンの体が、がくっと力を失う。
sha「……ごめ……」
sha「……ちょっと、しんどい……」
その言葉が、途切れ途切れになる。
rbr(ちょっとどころちゃうやろ……)
ロボロは震える手で体温計を取る。
数秒後、表示された数字を見て、息を呑んだ。
——39度台。
rbr「……っ」
喉が鳴る。
sha「……そんな、顔せんで……」
sha「……俺は、…」
言い切る前に、激しく咳き込む。
身体が小刻みに震えて、息が乱れる。
シャオロンの体は、熱くて、軽くて、頼りなかった。
sha「……ロボロ……」
sha「……俺、眠いわ……」
その一言で、血の気が引く。
rbr「寝たらあかん」
rbr「シャオロン、目開けて」
頬に触れると、反応が鈍い。
まぶたが、ゆっくり閉じかける。
rbr「……なぁ!!」
呼びかける声が、震える。
rbr(頼む)
rbr(今、ここで……)
ロボロは震える手でスマホを掴み、救急に電話をかける。
その間も、シャオロンの手を離さない。
シャオロンの指が、かすかに動いた。
sha「……ろぼろ……だい、すき……」
聞き取れるか、分からないくらいの声。
rbr「……俺もやで」
rbr「やから、戻ってきてや……」
サイレンの音は、まだ遠い。
夜は、終わらないみたいに長くて、ロボロの胸の奥では、はっきりとした恐怖が、形を持って暴れ始めていた。
サイレンの音は、近づくにつれて現実味を帯びてきた。
赤い光が、部屋の壁を断続的に照らす。
ロボロは、シャオロンを抱きかかえたまま、何度も名前を呼んでいた。
rbr「シャオロン」
rbr「聞こえるか」
返事は、ない。
ただ、微かに胸が上下しているのが分かるだけ。
救急隊員が入ってきて、状況を矢継ぎ早に確認する。
体温、呼吸、脈拍。
「……高熱ですね」
「呼吸、浅いです」
「既往歴は?」
ロボロは、必死に答える。
言葉が、噛み合わなくなるのを自分でも感じながら。
ストレッチャーに乗せられる瞬間、シャオロンの指が、ロボロの服を掴んだ。
sha「……ロ、ボロ……」
消えそうな声。
rbr「ここにおるよ」
rbr「大丈夫やからな……」
その手を、ぎゅっと握る。
救急車の中は、異様に明るかった。
機械音が規則正しく鳴っていて、そのどれもが、命を測る音に聞こえる。
rbr(……早く)
rbr(間に合ってくれ)
祈ることしか、出来なかった。
病院に着くと、シャオロンはすぐに処置室へ運ばれた。
扉が閉まる直前、一瞬だけ視線が合った気がした。
それだけで、胸が痛くなる。
ロボロは、廊下の椅子に座ったまま、動けなかった。
時計を見る気にもなれない。
どれくらい経ったのか分からない。
やがて、医師が出てくる。
医師「……今は、応急処置をしています」
医師「熱を下げる処置と、呼吸の補助を」
その言葉に、少しだけ安堵しかけて——
続く言葉で、胸が凍る。
医師「ただ……」
医師「正直、予断は許しません」
rbr「……それは」
医師は、少し言葉を選ぶように間を置いた。
医師「今夜を越えられるかどうか」
医師「そこが、一つの山です」
ロボロは、何も言えなかった。
頭の中で、言葉が反響するだけ。
——今夜を越えられるか。
朝。
カーテン越しの光が、病室を淡く照らしていた。
ロボロは、椅子で一晩を明かしていた。
シャオロンのそばを、離れなかった。
機械に繋がれた身体。
胸の上下は、ゆっくりで、不安定。
そして——
シャオロンが、静かに目を開けた。
sha「……ロボロ……」
かすれた声。
でも、はっきりと、意識がある。
rbr「……シャオロン」
思わず、声が震える。
sha「……ここ、病院やな」
一瞬、天井を見つめてから、ゆっくり、理解したような顔になる。
sha「……結構、まずい感じ?」
ロボロは、答えられなかった。
それだけで、シャオロンは察した。
sha「……そっか」
不思議なくらい、落ち着いた声だった。
sha「……なぁ」
sha「俺さ」
少し、息を整えてから続ける。
sha「もう、分かるよ」
rbr「……何を」
sha「……俺、あんま時間残ってないんやなって」
そう言って、ほんの少し笑う。
sha「……不思議やな」
sha「普通は怖いはずやのに」
sha「……今は、ロボロがおるから」
その言葉が、胸に刺さる。
rbr「……そんなこと、言うな」
sha「言わせて」
シャオロンは、ロボロの手を探す。
指先が触れて、絡む。
sha「……ちゃんと、言いたいことある」
sha「後で、とか」
sha「また今度、とか」
sha「もう、無理やろ?」
ロボロは、俯いたまま、頷くことしか出来なかった。
シャオロンは、その様子を見て、 少しだけ、安心したように目を細める。
sha「……大丈夫」
sha「泣かんとって?」
sha「俺な」
sha「ロボロに会えて」
sha「……ほんまに、よかった」
rbr「……俺もや」
ロボロは、一度だけ視線を落として言った。
rbr「……なぁ、シャオロン」
ポケットに入れたまま、ずっと触れていなかった小さな箱。
sha「どしたん?」
シャオロンは、ロボロの声の変化に気づいて、ゆっくり瞬きをする。
rbr「……ちょっと、待ってな」
ベッドの横で、ロボロは小さな箱を取り出した。
手のひらに収まるくらいの大きさ。
sha「……それ、何…?」
ロボロは返事をせず、箱をそっと開いた。
中には、シンプルな指輪が一つ。
派手じゃない、でも丁寧に磨かれたそれ。
sha「……あ」
小さく、息を呑む音。
rbr「ほんまは……」
rbr「もっと、ちゃんとした時に渡すつもりやってん」
rbr「出かけた帰りとか」
rbr「笑っとる時とか」
言葉が、途中で途切れる。
rbr「……でも」
rbr「今しか、ない気がして」
ロボロは、シャオロンの手を取った。
少し細くなった指。
それでも、確かに生きている温度。
rbr「……ええか?」
sha「……うん」
短い返事。
ロボロは、ゆっくりと指輪をはめる。
sha「……あは」
sha「……おそろい、みたいやな」
そう言って、ロボロの手を見る。
rbr「……ああ」
rbr「おそろいやで」
それだけの言葉なのに、胸の奥が、ひどく痛んだ。
sha「……嬉しいな」
sha「最期にさ」
sha「こんなもん、貰えるなんて」
声は、穏やかで、優しくて。
だからこそ、余計につらい。
rbr「……最期とか言うな」
sha「ふふ」
sha「ごめん」
sha「でもな」
sha「俺、ほんまに嬉しい」
sha「ロボロが、俺のこと……」
sha「ちゃんと、考えてくれとったって」
指輪をはめた指を、少しだけ動かす。
rbr「そら、そうやろ」
sha「……大事にするわ」
シャオロンの呼吸は、少しずつ、でも確実に苦しそうになっていた。
胸が上下するたび、音が混じる。
吸うのも、吐くのも、どこか無理をしているみたいに。
rbr「……シャオロン」
名前を呼ぶ声が、震える。
sha「……ん」
ゆっくり瞬きをして、ロボロを見る。
焦点は合っているのに、どこか遠い。
sha「……ちょっと、息……しんどいな」
そう言って、苦しそうに笑う。
それだけで、ロボロの胸がぎゅっと潰れた。
rbr「喋らんでええから……」
rbr「無理せんで……」
首を横に振る。
シャオロンは、かすかに首を動かして否定した。
sha「今、言わな……」
sha「絶対……後悔、する」
ロボロの手を、きゅっと握る。
もう力は弱いのに、それでも必死で。
sha「……ロボロ」
rbr「……何や」
声が、もう抑えられていなかった。
ぽた、と。
手の甲に、涙が落ちる。
sha「……ありがとう」
sha「一緒に、住んでくれて」
sha「毎日、ご飯作って」
sha「……夜、そばにおってくれて」
一つ言うたびに、息を整える。
それがどれだけしんどいか、見ていて分かるのに。
rbr「……やめてや……」
rbr「そんなの……当たり前やろ……」
言葉の途中で、声が崩れた。
ぽたぽたと、涙が止まらなくなる。
sha「……当たり前じゃないよ」
sha「俺にとっては……全部、特別やった」
ロボロは、耐えきれずに顔を伏せる。
rbr「……嫌や……」
rbr「行かんとって……」
その言葉に、シャオロンは一瞬だけ目を細めた。
泣きそうな顔で、でも、やさしく。
sha「ロボロが泣くと……」
sha「俺、心配になるやん」
そう言って少しだけ笑った。
sha「……なぁ」
sha「最後に……一個だけ」
rbr「……何でも言え」
声は、もう嗚咽混じりだった。
シャオロンは、少しだけ息を吸って、 ロボロを、まっすぐ見た。
sha「……愛してる」
その一言は、驚くほどはっきりしていた。
rbr「……っ」
息を呑む。
rbr「……俺もや」
rbr「シャオロン……」
rbr「……愛してる」
言った瞬間、涙が溢れて止まらなくなる。
縋るみたいに、シャオロンの手を握りしめた。
シャオロンの目に、うっすらと涙が浮かぶ。
でも、こぼれはしなかった。
sha「……よかったぁ」
sha「それ、聞けて……」
そして――
とても、儚くて、やさしい笑顔を浮かべた。
ニコッと。
まるで、安心しきったみたいに。
ゆっくりと、まぶたが下りていく。
rbr「……シャオロン?」
rbr「なぁ……」
返事は、ない。
胸の上下は、もう、ほとんど分からなかった。
しばらくして、機械の音だけが、淡々と続く中で、医師が静かに首を横に振った。
ロボロは、動けなかった。
シャオロンの手を、握ったまま。
その顔は、穏やかで、 苦しみから解放されたみたいだった。
——二度と、その目が開かれることはなかった。
コメント
2件
えぇぇぇ……sha彡…!?え、嘘ですよね、嘘だと思っときます、え、マジすか、これは大泣き案件だぁ、…普通にめっちゃ泣いてしもうた…😭感情移入が半端ない…