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「確かに、結衣さんは不器用かもしれない。でも、彼女が自分を守るために必死に作り上げているその『強さ』を、俺は誰よりも美しいと思っているんです」
凪さんの視線は、芽衣ではなく、後ろに下がった私を、真っ直ぐに射抜いていた。
「表面上の愛想よりも、彼女の誠実な仕事ぶりや、時折見せる、戸惑ったような真っ直ぐな瞳。俺は、それを一番近くで見ていたい」
凪さんは私の元へ歩み寄り、芽衣が見ている前で、私の手をしっかりと握りしめた。
「俺が選んだのは、結衣さんです。他の誰と比べる必要も、代わりを探す必要もありません」
芽衣は驚いたように目を見開き、それから、どこか寂しそうに私を見た。
「……なんだ。お姉ちゃん、本当に特別な人に出会っちゃったんだね」
「私、仕事戻ります!」
そう言って、芽衣は屋上を駆け降りていった。