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「サヨちゃん、ハルナはなんでホームから僕を見つめるだけなのかなぁ」

黄昏の色に染まる街路樹、枯れ葉は中に舞っては気ままに流れていく。

落ち葉を踏み締め、どこかに向かう人。サヨは落ち葉を足でなぞりながらこう言った。

「お兄ちゃんの足元」

「僕の足元」

僕の足元には最近置かれたであろう花束がある。

「ハルナさんにとってこの踏切は辛い場所なんだょ。」

「辛い場所?」

ハルナにとってここが辛い場所。付き合っていた当初はここに関する話は聞いたことがない。

「ハルナさんはお兄ちゃんのこと嫌いになったわけじゃないよ、この場所が嫌なだけ」

今まで毎週通っていたのに、この花束に気がつかなった。。。ハルナにとって大切な人でも事故にあったのか?

僕にとっては大好きなこの踏切、ハルナにとって辛い場所。

僕はあの日まで知る由もなかった。


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