コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「サヨちゃん、ハルナはなんでホームから僕を見つめるだけなのかなぁ」
黄昏の色に染まる街路樹、枯れ葉は中に舞っては気ままに流れていく。
落ち葉を踏み締め、どこかに向かう人。サヨは落ち葉を足でなぞりながらこう言った。
「お兄ちゃんの足元」
「僕の足元」
僕の足元には最近置かれたであろう花束がある。
「ハルナさんにとってこの踏切は辛い場所なんだょ。」
「辛い場所?」
ハルナにとってここが辛い場所。付き合っていた当初はここに関する話は聞いたことがない。
「ハルナさんはお兄ちゃんのこと嫌いになったわけじゃないよ、この場所が嫌なだけ」
今まで毎週通っていたのに、この花束に気がつかなった。。。ハルナにとって大切な人でも事故にあったのか?
僕にとっては大好きなこの踏切、ハルナにとって辛い場所。
僕はあの日まで知る由もなかった。