テラーノベル
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今日は土曜日。運動部に入っていない私には、休日だ。
こんな日は必ず外へ行く。
もしかしたら、出会いのチャンスがあるかもしれない!…今まで一度も無かったけど…。
私はとりあえず目的を作った。
今日発売の雑誌を買いに行く。
…別に今日じゃなくても良いけど、外へ行く口実だ。他人へも、自分へも…
外へ出ると空気が清々しかった。早朝でも無いけど。
私はいつも行く本屋へ行き、雑誌を買った。
ついでに30分ぐらい立ち読みをして、本屋を出た。
…用件が終ってしまった…。
他にすることも無いし、諦めて帰ろう…と思ったら、私は雑貨屋さんの前で足をとめた。
…良く分からないんだけど、行ってみようかな…という気分になった。
雑貨屋さんの中は可愛い小物やアクセサリーでいっぱいだ。見ていて飽きない。
私は以前から雑貨屋さんの雰囲気が好きだった。
でも最近はあまり行っていなかったから余計にワクワクしていた。
その時、なぜか私はミサンガの前で立ち止まった。
「…綺麗…。」
つい声に出てしまった。でも、そのミサンガはそれくらい綺麗だった。
スカイブルーに近いブルーと紺色、それに鮮やかなグリーンの糸でできているミサンガ。
ミサンガは小さなバスケットの中に入っていて、その少し上にお店の人が書いた紹介文があった。
『アナタの願いを叶えるミサンガ。そのミサンガが切れたとき、きっとアナタの願いも叶うはず!!』
…願い…かぁ…。
私の願いは一つしかない。―…彼氏を作ること…そして、恋をすること!…
私はミサンガを手に取り、レジに向かった。
そしてお店から出たら、すぐにそれをつけた。
…ミサンガって…切れるまでにどのくらいかかるのかな…
気休めだろうとなんだろうと、やれそうな事はやってみなきゃ!!
私は家へ向かって歩き出した。
…その時。
ナゼだろう…ミサンガをつけた左の手首が引っ張られたような気がした。
私は手首の方を見てみると…明らかに怖そうな男の人の袖のボタンに私のミサンガが絡まっている…。…マズイッ!!
私はおお慌てで
「すっ、すいませんっ!!スグに外しますっ!!」
と言って外そうとした…けど、ミサンガは頑固に絡みついてて取れない…。
「…切ろうか、ソレ。」
男の人に声をかけられた。…うん、もう、無理だね…。
「はい…でも、ハサミ…」
と私が言った瞬間、その人はポケットからサバイバルナイフを取りだし、ミサンガを切った。
私は突然のナイフの登場に驚いた。…その拍子に男の人を見た。
髪は明るい茶色。
耳にはピアス、服装も派手で見るからにガラが悪そう…でも、年は私とそんなに変わらない気がした。
「ハイ、コレ。」
と言ってその人はミサンガの残骸を私に手渡した。
…早すぎる…ミサンガが切れるには…。もしや最短記録ではないのか?
私が頭の中でゴチャゴチャ考えていると、
「…じゃあ、俺、行くんで。」
と言って、その人は私とは反対方向へ去って行った。
私はなんとも言えないブルーな気分だった。
…ミサンガには、確かに早く切れてほしかったけど、それは願いが叶う前提で…だ。
…もしかして…あの人が…?
いや、そんなはずない。
私の理想と違う。
あんなにガラが悪そうな人が好みではないもの。…顔はちょっと好みだけど。
でも、何しろその人の名前や年や…イロイロ分からないじゃん。
買ってつけて15分で切れるなんて、ミサンガも想定外よ。
私はそう自分に言い聞かせて納得した…事にした。
やっぱ、私には彼氏は無理なのかなぁ…と思ってしまう土曜の昼下がりだった。
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