その光輝く星は、深く.遠い所にあった
「ありがとうございました!」
夕暮れも頬をオレンジ色に染める夕暮れ時。
部活の挨拶が終わり、各々が色々な事をやり始める。
「は〜〜」
「どうした要、アホ面に磨きがかかってるぞ」
「ちょっと葵ちゃん酷くない!?」
ため息をつくやいなや容赦無いツッコミが飛んできて、思わず言い返した。ぼーっとしてたからかもしれない……けどアホは無いでしょう、アホは。
俺には俺しか見えない片割れが居る。
試合中に星の如く現れては、俺をここまで導いてくれた。
葵ちゃん達とも一日を終わる挨拶をし、互いが帰路に着く。
俺は、早速その片割れに話しかける。
「俺達、来世は双子だといいなー!」
「現実味がないぞ、主人」
相変わらずいやーなやつ!
「たまには夢見させてよ〜」
「そんな夢を見てどうするんだ」
「どうもしないけどー?」
こんな幸せな時間が、いつまでも続くと思っていた
だけど、俺は理解していなかった。
片割れの頬が冷たい。
まるで冬の嫌な冷たさが蘇ったみたいに、頬を刺激する寒さが蘇る。
「ありがとう」
大切な片割れは枯れた声でそう告げた。
やめてよ、そんなこと言うの。
いやだよ、もうおわかれなの?
はっと目を覚ます。なんて身心地の悪い夢だろうか。
俺は前世を記憶を持ってこの世にまた生まれてしまった。
”あの夢”で言う片割れとは、俺の事だろうか。
今でもそんな事を考えてしまう。
こんな感情、劣情なんて兄に抱いてはいけないのに。
𝐍𝐞𝐱𝐭 ·····▸ ♡100
コメント
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だいっっ好きです