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※話が飛び飛びなので、場面が変わるところでは「・・・」を置いています
「…俺、おんりーちゃんのためなら、心臓落とせるよ。」
定位置。俺の隣、
彼の割には真剣な顔しためんが、冗談だか本気なのか分からない調子で、言った。
「………どっち?」
「ん?」
「ほんき、?」
「本気に決まってんじゃん。」
「……。」
3秒、考える。いや、本気?本気か。
「…………………やっぱめんが言うからわかんない。」
こんなに好きなのに。
こんなに好きだから、
まだその性格を理解できない自分がいる。もともと、めんと俺じゃ、正反対だし。
「うおおおおい!!恋人のことくらい信用してくれ~…」
「…や、や。あやしい。」
「………いや、おんりーちゃん。俺は、ね?」
やさしくて棘のない、低いこえ。…やっぱり、本気だ。
「…おんりーちゃんとか命に関わることで、嘘はつかない。」
手を重ねられる。
目に射抜かれるようで、どうしてか、心臓がどくんと恋を思い出してしまった。
「……本当に、それだけは、信じて。」
やっぱり好きだよ。
めんの深いとこにある生真面目さに心を奪われてしまうの。好きだなんて絶対、言えないけど。
俺のそういうめんどくさいとこ全部包んで解ってくれるめんが好きだ。
「……………………ほんとに、…ほんとにめんの言うこと、しんじて、いいなら…、」
こえがふるえる。必死の告白、愛情表現だった。
「…おん。」
「………俺だって、めんのためなら、べつに。…………死んでも、いいんじゃないかな、って、おもってるよ。」
言ってからどこか恥ずかしく、なんとなく重いような気がして、すぐに取り消したくなってしまった。
「………………。……それだけっ。!」
「………。」
黙らないでほしい。
「………………あ゛~~……あ~………。あ~……。」
「んなっ…なによ」
「…あ~~~…………………あ、なんでもない。ちょっ、…ちょっと、やばい、かも。」
「、?」
顔を大きな手で覆い隠してしまうめんの、頬が赤いこと。なんとなくわかって、なんとなく言わずにいた。
「……っぁ、…あ゛~……、ッひゅ、は、ァ」
なんでもないけど死にたい夜があった。
なんでもない。なんにもないから死にたくなった。
いきてるいみがわかんなくなった。
目が、見えない。どうしてか酒を呑みすぎてしまった昨日は、空っぽで飽和した脳が。
正常な思考を諦めた。僕らは「正しい」に慣れすぎた。
「めん、めん、」
隣で眠る、彼を、
「…死のう」
……毒入りの口付けで起こしてやればよかった。ねぇ白雪姫。一緒に毒りんご齧ってあげるから一生目覚めなくていいよ。
この世に生きてる人みんな殺されたことない。
「……いこっか。」