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切ないよーー🥺🥺 まさか🤍🩷とは😳 そして💚💙がもう…🫣🫣
うわ~!最高✨ 続き楽しみです(〃▽〃)

ジジジジジジジ。
あれは、蝉の声。
外はうだるような暑さの中、室内は涼しい。受験を控えていち早く取り付けられたエアコンのある亮平の部屋に、弟の翔太は入り浸っていた。
💙「あっ、あん……おにいちゃん、それ……だめ…」
翔太の後孔にキスをし、指を挿し入れ、繰り返しバラバラに動かすと、グッ、と亮平はその指を押し込んだ。翔太の尻が持ち上がる。翔太の腰の辺りには、バスタオルが敷かれていて、それは前からの愛液ですでにしっとりと湿っていた。
💚「挿れるよ」
💙「はぁ………んっ……」
昼食はもうすっかり飽きた5日目の冷たい素麺だった。そして冷蔵庫の中には、まだ手を付けていない西瓜があったはずだ。コレが終わったら、シャワーを浴びて、2人で食べよう。首筋につたう汗を感じながら、弟を突きながら、亮平はそんなことを考える。
翔太の中は、きゅうきゅうと亮平の欲望を締め付けて、リズミカルな腰の動きと共に、彼を徐々に上り詰めさせていった。亮平は翔太の白い背中をなぞった。翔太は自分の下で快感に喘いでいる。声変わりの途中の声で、甘い嬌声を上げながら。
💙「いっ、いっ……あっ…あっ!」
💚「翔太、きもちイイ?」
初めは怖がり、痛がっていた翔太も、最近では実に良い声で鳴く。それをいつまでも聞いていたくて、亮平は達するのを我慢しながらひたすら翔太の声に耳を傾けた。
兄弟で愛し合うなんて。
しかも男同士で。
全てはあの家庭教師に教わったのだ。
◇◆◇◆
季節は秋を迎え、暑さも和らいで来たというのに、突然亮平の成績が落ち始めた。模擬テストの結果も芳しくない。渡された成績表を眺め、村上は落胆を隠さなかった。
🤍「どうした?亮平。何かあった?」
💚「…………」
亮平は俯いたままだ。
村上は亮平の顎を掴むと、くいっと持ち上げる。亮平の目には涙が溜まっていた。
夏の終わり。
村上に辱められるように、はしたない姿を晒した翌日のことだった。駅で亮平は偶然、村上を見かけた。
💚「せんせ……っ」
声を掛けようとして思い止まる。
急に立ち止まった兄の腰に、後ろをちょこちょこと付いてきていた弟の翔太の頭がぶつかり、尻餅をついた。
翔太は咄嗟に着いた手を擦りむいて、泣き出した。
💙「ふぁ、、、うわぁあ…」
💚「しっ!!!」
亮平は、翔太を睨みつけると、口を塞いだ。びっくりした翔太は涙目で兄を見上げる。
亮平は厳しい顔をして、雑踏の一点を見つめていた。唇が微かに震えている。
翔太には何が起きたのかわからない。しかし、兄のただならぬ様子に息を潜めた。
しばらく経つと、亮平は強引に翔太を引っ張り、立たせる。
💙「いたい……」
掌は擦りむけて、びっしりと砂がついている。亮平はそこで初めてびっくりして、翔太の手をまじまじと見た。砂を綺麗に払ってやると、小さな掌にところどころ血が滲んでいる。
💚「どっかで洗おうか。我慢できる?」
💙「………ん」
翔太はもう泣かなかった。 寧ろ、先ほどから心配そうに兄を見上げている。
亮平はその気遣いに思わず込み上げるものがあって、ぎゅっと翔太を抱きしめた。 その時、亮平の肩が小刻みに震えた。
💙「にいちゃ……いたいの?」
💚「…………」
💙「いたいのいたいの、飛んでけー」
自分の頭を撫でる小さな手。
信じていた村上は、亮平の全く知らないピンク色の髪をした可愛らしい顔立ちの青年と肩を組んで、改札を入って行った。
その直前のこと。
亮平は確かに見た。
村上より大分小柄なその青年の唇に村上が軽く口付けるのを。
それはまるでお洒落な映画のワンシーンみたいだった。
流れるような動作が美しくて、片時も目が離せなかった。男同士だとか、ここは人の集まる駅前の雑踏の中だとか、そんなつまらない縛りは全て超越してただ美しかった。そして何事もなかったように、彼らは連れ立って駅の中へと消えて行った。
翔太の小さな手を引きながら亮平は家へと引き返して行く。
今日は2人で文房具屋さんに行く筈だった。亮平は自分の小遣いで翔太が欲しがっていたシールをいくつか買ってやろうと計画していた。夏の間、いっぱい寂しい想いをさせたから。家を出る時は弟の喜ぶ顔が見たくてうきうきしていた。
でも今やその予定は、亮平の頭からすっかり抜け落ち、亮平は家路をぐんぐん進んで行く。翔太も何も言わずにちょこちょこついてくる。今はこの小さな手の温もりだけが、自分の味方だった。
💚「…………!」
通りすがりの街の洋品店のショーウィンドウに、自分たちの姿が映し出される。
そこには子供と、もっと小さな子供が映っていた。
釣り合わない。
釣り合わないよ。
その日、初めて亮平は心の底からの恋の痛みを知った。そして、溢れる涙を拭いながら、家路へと急いだ。
続