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「あ…あのぉ…」
「ん?なにかしら?」
「教えて欲しいことが沢山あってですね…」
「ふむ…たしかにそうね…でも私もあなたに聞きたいことが沢山あるの」
私に?まぁだいたい予想はできているが…
「はい。なんでしょう?」
「あら私の質問から答えてくれるのね♪優しい子ね〜」
「いいから早く質問してください…」
「あらあら。失敬。じゃああなたの右目それはどうしたの?」
だと思った。予想はしていたのですぐに答えることが出来た
「これは…昔両親と共に事故にあって傷を負った…そう聞かされてます」
「そう聞かされている?」
「は、はい。小さい時両親を亡くした私を育ててくれた祖母に言われました…私…事故で記憶なくしちゃってるみたいで…」
「なるほどね…それは悲しいことを話させてしまったわね…」
「い…いえ…私は覚えてないのでなんとも…」
「それもそうだったわね。てへ。」
案外この人面白い人なのかも…いや…これは1周回って変な人?そう考えていると…
「あと、聞きたいことといえば……あっそう!名前だわ!あなたの名前を教えてちょうだい!」
名前か…たしかに教えてはいなかったな…
「名前は、星蘭です。明小星蘭」
「星蘭っていうのね。素敵な名前…」
「あの…あなたの名前は?」
「さくよ。さくって呼んでね」
さくさんか桜や花を連想させるようなそんな名前だと感じた。
「私の質問はこれくらいかしら。さぁあなたの質問はどんなものなのかしら」
「え、えっと…まずはここが何なのか教えて」
「なるほど…さっきも言ったけどここは異世界あなたが住んでいる世界とはまた別の世界まぁ異世界といっても普通の世界と同じような感じなのだけれど…ちょっと時代が古いくらいね…」
確かにさくの家も少し古民家というか昔の時代感を感じる
「それと…これを言うとどう思うか分からないのだけれど…あなたはもう元の世界には帰れない」
「え…?」
「事例がないのよ。帰れた事例が。あなたのようにここに来た人達はここの住民として生きているわ」
「そう…なんですね…」
「あら?随分とあっさりと受け入れるのね」
「別にそれは推測できていたことなので…」
「そ…そう?ならいいのだけれど」
自分でも驚いた。環境適応能力が強いという訳でもない。それなのにすんなりと受け入れて…これも私が覚えている人間が嫌いだ。ということに結びついているのだろうか…
「あっ、それと…ここに来た人達は何かしら能力を持っている人が来ることが多いのあなたも多分あると思うのだけど…」
能力…か。私はそんなもの持っていない。
「いえ…持ってないと思います」
「そう…。でもここにいるうちに出てきた人もいるからあなたにもきっとあると思うわ。」
「は…はぁ。」
「今日はもう寝なさい。夜も遅いし疲れたでしょう」
「はい。ありがとうございます。」
「そうかしこまらなくてもいいのに〜」
「じゃ…じゃあ。ありがとう。おやすみ。」
「えぇ。おやすみ」
部屋を貸してもらい私は布団に顔を沈めた。本当にここでやっていけるのか…そういう…不安ではない…なにか別の…その時頭が痛くなったあの時みたいな頭の痛さ…そして私は意識を失った。