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人気の少ない場所――
愛空「……」(少しだけ知枝に近づく)
知枝「……友人はいいんですか」
愛空「……あー……」
一瞬だけ考える
愛空「……まぁ、大丈夫っすよ」(軽く言う)
知枝「……そうですか」
(大丈夫ではないだろう)
だがそれ以上は言わない
愛空「……それより……」
愛空「……ちとせさん、ほんとに“通りがかり”っすか?」
知枝「……」
少し視線を逸らす
知枝「……そういうことにしておいてください」
愛空「……」
(やっぱ嘘じゃん)
愛空「……迎えに来たとかじゃないんすか」(少しニヤッと)
知枝「……違います」(即答)
愛空「……即答っすね……」
知枝「……」
ほんの少しの沈黙
知枝「……ですが」
知枝「様子が気になった、というのはあります」
愛空「……」
(それ、ほぼ迎えじゃね?)
愛空「……へぇ……」(ちょっと嬉しそう)
知枝「……その顔はなんですか」
愛空「……いや、別に〜」
(普通に嬉しいんだけど……)
その頃――
校門前
友達「……あいつ遅くね?」
女子A「トイレって言ってたよね?」
友達「いや長すぎだろ」
女子A「もしかして帰った?」
友達「は?勝手に?」
一方その頃――
愛空「……そういえば」
愛空「……ちとせさんって、仕事大丈夫なんすか?」
知枝「……問題ありません」
愛空「……サボりじゃないっすかそれ」
知枝「……違います」
愛空「……ほんとっすか〜?」
知枝「……」(少しだけため息)
知枝「……少し時間を作っただけです」
愛空「……へぇ……」
(俺のため……?)
愛空「……」(ちょっと黙る)
知枝「……どうしました」
愛空「……いや……」
愛空「……なんか……嬉しいなって……」(素直)
知枝「……」
一瞬、言葉が止まる
知枝「……軽々しく言うものではありませんよ」
愛空「……またそれっすか……」
愛空「……でも、ほんとっすよ」
知枝「……」
視線が少しだけ柔らぐ
愛空「……」(ふと時計を見る)
愛空「……あ」
知枝「……?」
愛空「……友達……」
知枝「……今さらですか」
愛空「……忘れてたっす……」
知枝「……」(軽く目を閉じる)
知枝「……あなたは本当に……」
愛空「……やばいっすよね……」(苦笑)
知枝「……ええ」
でも
少しだけ笑っている
愛空「……戻るっす……?」
知枝「……どうしますか」
愛空「……」
少しだけ迷う
愛空「……」
愛空「……もうちょい……いいっすか……」
知枝「……」
知枝「……あなたは、友人を何だと思っているんですか」
愛空「……いや、大事っすよ?」
知枝「……説得力がありません」
愛空「……っすよね……」
それでも
愛空「……でも……」
愛空「……今は、ちとせさんの方がいいっす……」(ぽつり)
知枝「……」
空気が止まる
愛空「……あ」(自分で気づく)
(今のやばくね……!?)
知枝「……」(目を細める)
知枝「……それは」
知枝「どういう意味ですか」
愛空「……いや、あの……」
愛空「……なんか……落ち着くっていうか……」
愛空「……その……」
知枝「……」
じっと見ている
愛空「……男友達と一緒っすよ!」(とっさに)
知枝「……」
一瞬の沈黙
知枝「……そうですか」(少しだけ低い声)
愛空「……はい……」
(あれ……なんか……空気……)
知枝「……では、その“男友達”として言いますが」
一歩近づく
知枝「……友人は放置するものではありませんよ」
愛空「……っ、すんません……」
でも
完全には怒ってない
むしろ――
知枝「……連絡くらいは入れなさい」
愛空「……あ、はい……」(スマホ取り出す)
(……なんだろ)
(怒られてるのに……嫌じゃねぇ……)
知枝「……」(その様子を見る)
(……無自覚か)
知枝「……厄介だな……」(小さく)
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