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校門前――
友達「おっせぇよ川合!!」
愛空「すんませんすんません〜」(軽く手を合わせる)
女子A「ほんとだよ!どこ行ってたの!?」
愛空「ちょっとな〜」(曖昧に笑う)
友達「ちょっとじゃねぇだろ絶対」
愛空「まぁまぁ」
(さすがにちとせさんのことは言えねぇしな……)
友達「てかさ」
友達「さっき一瞬見えたんだけど」
愛空「……っ」(ピクッとする)
友達「あのスーツの人、誰?」
女子A「え、なにそれ!?誰!?」
愛空「……あー……」
(やば……見られてたか……)
愛空「知り合いっすよ、普通に」
友達「普通の知り合い?」
愛空「はいはい」
友達「いやいやいや」
友達「距離おかしくなかった?」
愛空「……そうっすか?」
友達「近すぎだろどう見ても」
女子A「なんか雰囲気もさ〜」
女子A「……恋人っぽかったよ?」(ニヤニヤ)
愛空「……は?」
一瞬、固まる
愛空「……いやいやいやいや」
愛空「男同士っすよ?」
友達「いやそれ関係なくね?」
女子A「最近そういうのあるじゃん〜」
愛空「ないっすないっす」(即否定)
(何言ってんだこいつら……)
友達「じゃあ何、あの人」
愛空「だから普通に知り合いっすって」
友達「“普通”であの距離はないって」
愛空「……そうっすかね……?」
(……そんな近いか?)
帰り道――
愛空「……」(少し黙る)
友達「なぁマジで誰なんだよ」
愛空「……会社員の人っすよ」
友達「なんで知り合いなんだよ」
愛空「……たまたまっす」
友達「たまたまであそこまでなる?」
愛空「……」
(言われてみれば……?)
女子A「絶対なんかあるでしょ〜」
愛空「ないっすって」
少しして
一人になった帰り道
愛空「……」
(恋人、ね……)
愛空「……」
(いやいやいや)
愛空「……男同士だし……」
(年も離れてるし……)
愛空「……普通に、友達みたいなもんっしょ……」
歩きながら
ふと昨日のことを思い出す
手を繋いだこと
82
近い距離
「いてほしい」と言ったこと
愛空「……」
(……友達であんなことするか……?)
一瞬、思考が止まる
愛空「……いやいやいや」
愛空「……するやつもいるっしょ……多分……」
(……いるよな?)
愛空「……」
少しだけ顔が赤くなる
愛空「……」
愛空「……まぁ、いいや……」
愛空「……また会えれば……」(ぽつり)
その頃――
知枝「……」(帰り道を歩きながら)
(……“男友達”か)
知枝「……」
少しだけ目を伏せる
知枝「……そう見えるなら、それでいい……」
(その方が――)
知枝「……都合がいい」
だが
足は、ほんの少しだけゆっくりになる