テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
東京湾沿岸
海面が激しく波打つ。
ドォォォン!!
巨大な水柱を突き破り、一つの影が岸へと着地する。
着地の衝撃だけで岸壁が砕け、コンクリートがめくれ上がる。
ペインだった。
全身は血に染まり、右腕は震えている。
それでも、その口元には狂気じみた笑みが浮かんでいた。
「……最高だ。」
「こんなに血が騒ぐのは久しぶりだぜ。」
東京・新都心
ソウヤはまだ膝をついていた。
人格転移の反動で全身が重い。
結衣が治癒を続ける。
「無理しないで……。」
ソウヤは苦しそうに笑う。
「ああ……。」
その横で、イレイダは静かに前へ出た。
刀を鞘へ納める。
「ここからは私だ。」
ペイン VS イレイダ
ペインは首を鳴らす。
「やっぱりアンタと戦う方が楽しい。」
イレイダは不敵に笑う。
「なら、付き合ってやる。」
二人が同時に地面を蹴る。
ドンッ!!
衝撃波だけで周囲の街路樹がなぎ倒される。
超接近戦
ペインの右拳。
イレイダの居合。
ギィィィィン!!
刀身と拳がぶつかる。
火花が滝のように飛び散る。
ペインは左肘を放つ。
イレイダは身体を反転させて回避。
着地と同時に足払い。
ペインは跳躍して避ける。
空中で回転。
踵落とし。
イレイダは刀を横に構える。
ズガァァァン!!
道路が陥没する。
互いに一歩も譲らない。
能力の反動
タジが解析を続ける。
「ペインの身体能力が少しずつ低下しています!」
「能力の反動です!」
惣一が頷く。
「異常な空腹と筋肉疲労。」
「長期戦になればこちらが有利だ。」
しかし。
ペインは笑う。
「それを知ってるから何だ?」
「その前に殺せばいい。」
strages 最大出力
ペインの全身から赤黒い闘気が噴き出す。
筋肉がさらに膨張する。
皮膚が裂け、血が滴る。
「これが俺の限界だァァァ!!」
一歩踏み出す。
ドゴォォォォォン!!
道路が一直線に吹き飛ぶ。
音速を超える突進。
イレイダですら反応が一瞬遅れる。
「速いっ……!」
ペインの拳が目前まで迫る。
一閃
その瞬間。
イレイダの瞳が鋭く光る。
「──そこだ。」
居合。
呼吸。
踏み込み。
抜刀。
全てが一瞬。
閃光。
ズバァァァッ!!
空間そのものが切り裂かれたかのような斬撃。
ペインの胸元に鮮血が走る。
「ぐっ……!」
初めて大きく体勢を崩す。
イレイダは追撃しない。
静かに刀を納める。
「……終わりだ。」
しかし
ペインは膝をつきながら笑っていた。
「はは……。」
「いい。」
「最高だ。」
その笑顔を見て、惣一の表情が曇る。
「まだ立つ気か……。」
ペインは震える足で立ち上がる。
全身の筋肉が痙攣している。
能力の反動は限界だった。
それでも笑う。
「俺は……。」
「まだ殺り足りねぇ。」
屋上
グランは静かに目を閉じる。
「もう十分だ。」
マランを見る。
「回収しろ。」
マランは短く答えた。
「ああ。」
マラン、介入
突如。
戦場に強烈な殺気が降り注ぐ。
ゴォォォォ……
空気が震える。
空が曇る。
誰もが動きを止めた。
惣一が空を見上げる。
「……来たか。」
ビルの屋上。
一人の青年が静かに立っていた。
マラン。
ソウヤはその姿を見つめる。
(あいつが……。)
マランは静かな声で言う。
「ペイン。」
「帰るぞ。」
ペインは悔しそうに舌打ちした。
「チッ……。」
「まだ終わってねぇ。」
マランは一歩前へ出る。
その瞬間。
地面が震え始める。
惣一の表情が一変する。
「全員、戦闘態勢!」
イレイダは刀を握り直し、口角を上げた。
「ようやく本命か。」
ソウヤもゆっくり立ち上がる。
レイの声が、再び心の奥で静かに響いた。
「……気をつけろ。」
「あいつは、今までの敵とは格が違う。」
マランは無言のまま、能研を見据えていた。
第61話 完
古流斬
4,070
コメント
1件
あーもうめっちゃアツいわ…!!ペインvsイレイダの接近戦、火花が飛び散る感じがまざまざと浮かんだ。ペインの「まだ殺り足りねぇ」って台詞に滾ったし、一瞬で仕留めようとしたイレイダの一閃も痺れた。そして最後にマラン登場で空気変わる感じ、次回が待ちきれない🔥