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「あっ、宗親さっ、やぁ、……ンっ」
脱衣所に着くなり、着ていた白いニットのワンピースを性急にまくり上げられた私は、裾から侵入してきた宗親さんの手を懸命に服の上から押さえ付けた。
でも宗親さんはそんなのお構いなしと言った調子で、もう一方の手でショーツ越し、私の一番敏感な花芽をゆるゆると刺激する。
「んんっ」
それだけで立っているのがやっとなくらい足がガクガクと震えてしまった私は、宗親さんに一生懸命しがみ付いた。
「香水を作りに行ったからかな? 今日の春凪。キミ以外の色んな香りがいっぱい混ざってる」
チュッとわざと音を立てるように耳朶を吸い上げた宗親さんが、私の耳元にゾクリとするような低音ボイスを吹き込んできて。
大好きな彼の声に一気に力が抜けた私に、
「気に入らないな」
言って、宗親さんがあっという間にワンピースをするりと身体から抜き取ってしまう。
結果、私は「ひゃぁっ」と間の抜けた声を上げる羽目になってしまった。
私はこういう時にもこんな風に時折とっても締まらない反応をしてしまう。
それが堪らなく恥ずかしくて、思わず宗親さんの視線から逃れるみたいに俯いたんだけど。
宗親さんはそんな私を逃がす気はないみたい。
「春凪のそういう可愛いトコ、凄く好き……」
くるりと身体を反転させられた私は、下着姿のまま洗面台に手をつかされてしまった。
これ、顔を上げたら間違いなく真正面の鏡に自分の恥ずかしい姿が映ってしまうし、下手したら鏡越しに宗親さんと目が合ってしまうやつ!
すぐさまそう気付いたけれど後の祭り。
宗親さんは私の肩に軽くあごを載せると、耳のすぐそば。「春凪、そのまま顔を上げてまっすぐ前を見て?」と甘やかな声音で私を唆すの。
「ヤ、ですっ」
せめてもの抵抗に嫌だと言ってみたけれど、その途端「本当にダメ?」と邪見にされた子犬みたいな声で聞いてくるの、凄くずるい。
私は宗親さんのその声に不安になって、思わず顔を上げて。
鏡越し、バッチリ彼と目が合ってしまった。
「――っ!」
(絶対わざとだ!)
思いながら声にならない悲鳴を上げて視線を逸らせようとしたけれど、私はヘビに睨まれたカエルみたいに宗親さんの視線から逃れられなくなってしまう。
「春凪、凄く色っぽい顔になってる」
パチンッと背後でブラのホックが外されて、少し前かがみになっていた私の胸が解放を喜ぶみたいにプルンッと揺れながら生地を押し退けてまろび出たのが鏡に映った。
それが恥ずかしくて仕方がないのに。
「下もすごく濡れてきたね」
このタイミングでショーツの隙間から中に指を差し入れてくるとか、反則じゃないですか!?
***
私の秘所から溢れた愛液が、蜜壺をかき回されるたび、恥ずかしいぐらいにいやらしい水音を響かせる。
「ぁんっ、む、ねちかさっ、そこ……ダメっ」
宗親さんの綺麗な指が私の膣内に挿入ってきているんだと思うだけでもキュンとしちゃうのに、その指が狙ったみたいに私の気持ちいい所を優しく、的確にノックしてくるから。
「あ、ぁんっ……い、あぁっ」
恥ずかしくて堪らないのに、鼻に掛かった甘ったるい嬌声を抑えることも、蜜口からトロトロと滴り落ちる愛液を止めることも出来ないの。
「これは冷たいね、春凪。……風邪をひいたら大変だ。――脱いじゃおっか」
宗親さんは、鏡の中。ひじの辺りまで私の体液で汚れてしまったご自身の手を私に見せつけるようにしながら、ぐしょぐしょに濡れそぼったショーツに手を掛けた。
汚れた下着を彼にはぎ取られることが堪らなくイケナイことに思えた私は、
「あ、あのっ。私っ、自分で……」
――脱ぎます、と言おうとして。
まるでそのタイミングを見計らったみたいに、有無を言わせず下着をずり下ろされてしまう。
結果、鏡越し。自分だけあられもない姿になっているのが見えて、私は羞恥心で消えてしまいたくなった。
「宗親さ、……私ばっかり……恥ずかしぃ……です」
消え入りそうな声音で一生懸命そう訴えたら、「ホントは……もっともっと春凪に恥ずかしがって欲しかったんだけどな……。残念ながら僕の方がもう限界みたいだ」と宗親さんが切なげに吐息を落とす。
その声に、私は思わず宗親さんを振り返ろうとして、「ほら。鏡から視線を逸らしちゃダメでしょう? 春凪」と、彼からたしなめられてしまう。
宗親さんは私から少しだけ身体を離すと、何の躊躇いもなく着ていたものを全部脱ぎ捨てて。
「ここでそのままでもいいんだけど……色々障りがありそうだしお風呂、行こっか?」
一糸まとわぬ姿で背後からギュッと私を抱きしめた。
私は彼に抱き寄せられてその場でほんの少しよろめいて。
「――っ!」
足元に敷かれたマットがぐっしょりと濡れている個所を踏んで驚いてしまう。
宗親さんがおっしゃった〝障り〟が、私が溢れさせた愛液のことだと気が付いて、申し訳なさに縮こまったのは言うまでもない。
(後でちゃんとマットも下着も脱ぎ捨てた服も洗わないと――)
マットの傍に乱雑に散らばったお互いの服を横目に、熱に浮かされた頭でぼんやりとそんなことを思った。
***
シャワーの流水音と、湯煙の中。
曇らないよう熱線の入った意地悪な姿見に全身を映されたまま、私は背後の宗親さんから視線を逸らせない。
宗親さんが私に欲情してくれていると思ったら、恥ずかしいはずなのに子宮の奥がキュゥッと疼いて、彼のことが欲しくて堪らなくなる。