聖女は復讐の刃にキスをする

　――私と、結婚してください。

「結婚……！？」

　唐突なミリエットの発言に、さすがのヴォルフラムも驚いたようだった。
　先ほどまで冷静沈着そのものだった表情は驚きに崩れ、こころなしかその頬も赤い。
　それを目にしたミリエットも、釣られたように頬を染めた。

「あ、ええと！　違うんです、そういう意味ではなくて！」
「では、その……どういった風に捉えればいいのだろうか？」

　困惑しきった顔のヴォルフラムを目にして、ミリエットは急に恥ずかしくなってきてしまった。

「その……夢で、見たんです」

　ヨハンに利用され、用済みの後は殺される。
　そんな未来を回避するためには、ヴォルフラムと結婚することが鍵になるのでは？
　ミリエットは気恥ずかしさを感じつつも＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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