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少し様子、見に行くか。
「勇?下まで響いてんぞ。」
「分かったから静かにして。サムは今日、ご飯いらないから。」
「また思ってもないことを。腹減ったろ?」
「減ってない!!!二度言わせないでよ!本当ムカつくよね、々ってくうきよめないし。」
「読めてないのは誰だよ。」
「お前だよ。」
はあ〜っ。いつもこうだ。飯の前は腹が減ってて余計イライラしている。大食いの勇が腹減ってないわけがないって、バレバレなんだよな。可愛くない。
「俺は空気読めねえから、お前が腹減ってないとかいうの、信じらんねえわ。だから食え。」
「だから友達できないんだよ。瞑だっていっつもお前に怯えてるし。」
結構グッサリくるな。うまくなったな。
「その瞑は、勇と飯食うの楽しみにしてんじゃねえか。分かったら下、来いよ。もうじき帰ってくるだろ。」
「サムちゃ〜ん?瞑 帰ってきたよ〜!ご飯一緒に食べよう だって〜!」
「ほら、行くぞ。」
「分かったよ、!行けばいいんでしょ!」
「ああ。行けばいいんだよ。」
ひとりひとりが複雑で、面倒だ。
事をなすことを教えられないまま、触れられず、叱られず、愛されず、与えられず。
何もないまま成長したら、こうなってしまうのか。だとしたら、まだ俺は愛されていたのか。
人の気持ちを理解することは不可能だ。
それらしい答えで共感し合えたとしても、ただの代名詞にすぎない。恐怖と苦しみの根源は、言葉では言い表せない深さまで根を張っている。
〝分かる〟なんて、嘘だ。平面的だ。
〝助ける〟ますます疑わしい。
〝救う〟
無知で無敵な状態で、気づかないまま引きずり出すことだ。
できることなら、お前らを。