テラーノベル
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ピンポーン
エリオットはドアの前に立つ。
さっきまでの空気。
まだ少し残ってる。
後ろではチャンスがいる。
気配だけで分かる距離。
エリオットはドアノブに手をかける。
ガチャ
開ける。
そこに――
小さな影。
銀髪。
そして。
大きな青いリボン。
エリオット。
一瞬止まる。
「……ミア?」
少女は顔を上げる。
ぱっと明るくなる。
「お兄ちゃん!」
そのまま勢いよく抱きつく。
エリオット。
「お、おい」
少しよろける。
「なんでここに」
ミアは顔を上げる。
嬉しそう。
でも少しだけ不安そう。
「会いたくなって」
エリオット。
「……」
一瞬だけ言葉に詰まる。
それからすぐ。
周りを見る。
「一人で来たの?」
ミア。
「うん」
エリオット。
「え」
ミア。
「だって」
少し頬を膨らませる。
「お兄ちゃん帰ってこないし」
エリオット。
「いやそういう問題じゃ――」
後ろから足音。
チャンスが近づく。
ドアの横。
壁にもたれる。
ミアが気づく。
ちらっと見る。
銀髪。
同じ色。
少しだけ目を丸くする。
「……誰?」
エリオット。
「あー……」
少し困った顔。
チャンスは静かに言う。
「チャンス」
ミア。
「チャンス?」
エリオットを見る。
「お兄ちゃんの友達?」
エリオット。
「まぁ……そんな感じ」
ミアはじっとチャンスを見る。
それから。
少しだけ近づく。
じーっと観察。
チャンス。
「……何」
ミア。
「似てる」
チャンス。
「は?」
ミア。
「髪」
チャンスは少しだけ黙る。
エリオットは小さく笑う。
その空気。
少し和らぐ。
でも次の瞬間。
ミアがエリオットの服を引く。
「ねぇ」
「中入っていい?」
エリオット。
「……」
少しだけ迷う。
後ろを見る。
チャンス。
目が合う。
ほんの一瞬。
ネクタイ。
ぐい
チャンスが軽く引かれる。
チャンス。
「……」
エリオット。
小さく笑う。
「どうする?」
チャンス。
「お前の妹だろ」
エリオット。
「うん」
チャンス。
「入れろ」
エリオットは少し安心した顔。
それからミアを見る。
「いいよ」
ミアの顔がぱっと明るくなる。
「やった!」
小さな足音で中に入る。
部屋を見回す。
「ここがお兄ちゃんの……」
エリオットはドアを閉める。
その背中に。
ミアの声。
「ねぇ」
エリオット。
「ん?」
ミア。
「さっき何してたの?」
エリオット。
「……」
チャンス。
「……」
沈黙。
ミア。
きょとん。
エリオットはにこっと笑う。
「朝ごはん」
チャンスが小さくため息。
ミアは納得したように頷く。
「ふーん」
でも。
その視線。
さっきより少しだけ鋭い。
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ゆゆゆゆ
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