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ゆゆゆゆ
#doublefedora
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アパート。
朝の空気。
少しだけ賑やか。
ミアは部屋の中を見て回っている。
「へぇ〜」
「狭いけど好きかも」
エリオット。
「一言多い」
チャンスはキッチンの方に立っている。
腕を組んで。
静かに様子を見ている。
ミアがふと振り返る。
エリオット。
チャンス。
その距離。
視線。
空気。
少しだけ目を細める。
「ねぇ」
エリオット。
「ん?」
ミア。
「さっき」
少し間。
「朝ごはんって言ってたけど」
エリオット。
「うん」
ミア。
「ほんとにそれだけ?」
エリオット。
「……」
チャンス。
「……」
沈黙。
ミアはじっと二人を見る。
そして。
ゆっくり歩く。
二人の間に入る。
下から見上げる。
「なんか」
少し笑う。
「変」
エリオット。
「どこが」
ミア。
「距離」
チャンス。
「……」
ミアはくるっと振り返る。
チャンスを見る。
じーっと。
観察。
「ねぇチャンス」
チャンス。
「なんだ」
ミア。
「お兄ちゃんのこと好きでしょ」
エリオット。
「は?」
チャンス。
「……」
一瞬だけ固まる。
ミアは続ける。
「分かるよ」
エリオット。
「なんで」
ミア。
「顔」
チャンス。
「……」
ミアは今度はエリオットを見る。
「お兄ちゃんも」
エリオット。
「……」
ミア。
にやっと笑う。
「同じ顔してる」
エリオットは言葉に詰まる。
チャンスは小さくため息。
「ガキ」
ミア。
「子どもじゃない」
エリオットは少しだけ照れる。
でもすぐ。
にこっと笑う。
ネクタイ。
ぐい
チャンスが少し前に引かれる。
ミア。
「ほら」
チャンス。
「……癖だ」
ミア。
「言い訳」
エリオットは楽しそう。
「鋭い」
ミアは満足そうに頷く。
「でしょ」
そのままチャンスの横に立つ。
「チャンス」
「なんだ」
「お兄ちゃんどう思う?」
チャンス。
「……は?」
ミア。
「いいとこ」
チャンスは少し考える。
それから。
エリオットを見る。
少し間。
「……うるさいとこ以外」
エリオット。
「ひどい」
ミアはくすっと笑う。
「正直」
チャンス。
「悪いか」
ミア。
「ううん」
少し嬉しそう。
それからエリオットを見る。
「お兄ちゃん」
エリオット。
「ん?」
ミア。
「この人いいね」
エリオット。
一瞬止まる。
それから。
少しだけ優しく笑う。
「でしょ」
チャンス。
「……」
ミアはそのままチャンスの腕を軽く引く。
「ねぇ」
チャンス。
「何」
ミア。
「ケーキある?」
チャンス。
「さっき食ってた」
ミア。
「私も食べたい」
チャンスは冷蔵庫を見る。
それからエリオットを見る。
「残ってるか」
エリオット。
「あるかも」
ミア。
「やった!」
そのままキッチンへ。
エリオットとチャンス。
少しだけ静かになる。
エリオット。
小さく言う。
「バレた」
チャンス。
「最初からだろ」
エリオットは笑う。
ネクタイ。
ぐい
「どうする?」
チャンス。
「何が」
エリオット。
「妹公認」
チャンスは少し黙る。
それから。
小さく言う。
「……別に」
エリオット。
にこっと笑う。
「嬉しいくせに」
チャンス。
「うるさい」
キッチンから。
ミアの声。
「ねぇ!フォークどこ!?」
エリオット。
「そこ!」
チャンスは小さく笑う。
さっきまでより少しだけ。
この部屋が賑やかに感じた。