TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
イメージ!

一覧ページ

「イメージ!」のメインビジュアル

イメージ!

8 - 魔女の会話

♥

46

2023年08月12日

シェアするシェアする
報告する

《第八話 魔女の会話》

「あのさー…お前よー…」

アルレイドがヨーラに話しかけた。

「お前じゃない。私はヨーラ。」

昨日の夜、アリシールが連れ去られ、自分の姉を助けたいヨーラが勝手に付いてくることになった。

「私に対する態度、急に変わったよな…」

アルレイドが仕方なく付いてくる許可を出したのだが、その後から敬語を使わなくなったのだ。

「これが通常なの!」

「そーですか、」

しかし、敬語を使われるより話しかけやすいので、アルレイドはむしろこっちの方が良いと思っている。

「ヨーラ、お面取ったらどうだ?端から見ればただの怪しい人だぞ。」

夜が明けて町の探索をし出しても、ヨーラが全く仮面を取らなかったので、アルレイドはこう言った。

「忘れてた。はい、これでどう?」

画像


「これでどう?って言われてもなー。」

「鈍感なんだね。女の子にモテないよ。」

ヨーラはアルレイドの事をほとんど知らない。

「はぁ!?一人称 “私”なんだぞ!?どこをどう見たら私が男になるんだよ!私は女だ!」

「あっそう、なら女の子らしくしといたら?」

ヨーラは遠くを見ながら言った。

「らしいとからしくないとか、関係無いだろ!」

お決まりの会話が終わり、二人はまた歩き出した。



「アルレイド、アリシールは魔女なんだよね。だから連れて行かれたんだよね?」

ヨーラがアルレイドに訊いた。

「私に訊くなよ。てか私も魔女だけど?」

「えっ、アリシールだけじゃないの?」

ヨーラは、セルディアがアリシールだけを連れて行ったので、アルレイドは魔女ではないと思っていたらしい。

「じゃあ、私と一緒でコドカヌ出身?」

アルレイドが一瞬固まった。

「アリシールと私はアズベール出身だ。てかコドカヌって…」

「アルレイドとアリシールって幼馴染みなの!?」

アルレイドが何か言おうとした時、ヨーラがそれを遮った。

「いや、双子の姉妹…ほら、目と髪の色が同じだろ?」

そう言って、アルレイドは自分の髪をおだんごにして見せた。

「目と髪の色は一緒だね。」

「“は” って何だよ!」

「暗くてアリシールの特徴見えなかったもん。」

「じゃあ答えるなっ!」

やっぱり短気なアルレイドである。



「そういやヨーラ、コドカヌ出身って言ったか?あそこも魔法使いが逃れてつくった町だったよな。」

アルレイドは忘れないうちに訊いた。

「うん…アズベールもだったっけ。」

ヨーラは少し嫌そうだ。


コドカヌもアズベールも、人々からの差別を逃れた魔法使いたちがつくった町だった。

「コドカヌ出身なら、目の色が赤いのも納得が行くな。」

アルレイドが呟いた。

「そのせいで、魔法使いって事がすぐにバレてたんだけどね。」

人通りが多くなってきた道を進みながら、二人は話していた。

「待てよ…コドカヌって事は、お前も魔女か?」

「今気付いたの?やっぱり鈍感なんだね。」

ヨーラが皮肉に言った。

「…こんなに話してばっかじゃ、お前の姉さん助けるの遅れるんじゃねーのか?」

アリシールよりも感の鋭い自分が鈍感だと言われたので、アルレイドは話をそらした。

「私が組織にいた時、ただ誘拐されただけだったから大丈夫だよ!」

「お前、本当に助ける気あるのかよ…」

アルレイドはそう言っているが、ヨーラだけの話ではないことに自分は気付いていない。

この作品はいかがでしたか?

46

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚