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第1章.1 太陽に隠れた雨


「キ…ミっ。ぁ…ヵ、ツてイ…ウ、…ダ。」


チュンチュン。

「んっ…。朝ぁ…。」

今日も気分悪っ…。


朝の寝起きの悪さに頭を悩める毎日。

雀の鳴き声だけが頭に響いて気持ち悪い。

自分が何かおかしいと気づいたのは最近のことだった。



「なつ〜早く起きなさーいっ!」

「…はぁ…い。」

赤井 なつ。この名前を何処か知らないところで呼ばれている…。気がする。

家族でもない。友達でもない。見知らぬ誰かに…。


「も〜なんで早く起こしてくれなかったのぉっ!」

そう言いながら階段を駆け下りる。そんな俺を見た母は。

「起こしたわよ!!」

と少しキレ気味。

まあ気分が悪く起きられないことを代わりに親が起こさない。と親のせいにするのも中々だ。


「はぁっ…今日もゆっくり飯食べれん。」

たまにくらいはゆっくり食べたい。


「ん、じゃ行ってきますっ!」

「はーい」


今日は今年初めての猛暑。家の涼しさから出た途端、溶けてしまいそうなほど暑く感じる。


うるさい家を出て学校に向かうと少し悲しくなる気持ちもある。

朝を振り返ると自分の行動に少し顔を赤く染める。

実は口うるさい親が好きなのだと自覚して少し気まずい。


まあそんなことはどうでもいい。と思う。

なぜなら、俺の夢がおかしいからだ。

もちろん夢は沢山の人が見ている訳だし、予知夢や正夢、逆夢など名前の付いた夢だってある。

そんな夢がある中、俺の夢はおかしい。

俺の夢は変わらず毎回…。

『灰色をベースに、ピンクと水色のメッシュが入っている髪の毛、耳には雫型イヤリングを付けた男の子の夢。』

その人を見たことはある? 記憶にない。

名前は? 知らない。

声は? 分からない。

何も知らない男の子の夢。

しかも細かく忠実に。毎回同じ見た目。

考えただけで震えてくる。なんで何も知らない男の子が…?


これが朝気持ち悪い原因だ。きっと。

名前を呼んでいる人はこの人だ。きっと。

考えただけで赤かった顔が一瞬で青ざめる。

この夢は言うてもう1ヶ月は見ている。


もう目を瞑ったらその男の子が出てきそうで…。





「な〜つ!!!!」

「うわ‪”‬っっっ!!!!!!!!」

「めっちゃ驚くなぁ…www」

黒とピンクの髪をした俺の数少ない友人。桜田らん。

らんを見た瞬間、さっきまでの気持ち悪さが魔法のように消えた。


「…ん?なっちゃん…?」

「らんぅ…ありがと…。」


「なっちゃんがデレるなんて!?」

少し顔を赤くしてから嬉しそうに驚く。

「なんだよその顔ww」

滅多に見ない顔で思わず反応してしまう。

何処か嬉しい気持ち。

でも何処か気持ち悪く、男の子が出てくる。


この暑さ、もしかしたららんかも…。そのどちらかで隠して。俺の…雨のような気持ち悪さを。

夢のあなたに会いに行く

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