シンメでバレンタインです。
皆様、ハッピーバレンタイン💓
長め
ーー
💛💜
「はぁああ..。」
端末をポチポチと弄りながら考える。
..今日は何の日?ハッピーバレンタイン!
いや、彼女側..俺は全然ハッピーじゃねぇな。
作れる人は楽しいんだろうけど、作れない人は楽しくねぇ。
あ、でも、照(彼氏)の好きなチョコ買ってくればいっか。
「んー….おしっ、いっちょ買ってきますか~。」
そう言ったら、重かった腰をひと伸びして軽々と持ち上げ、バケットハットを被り、眼鏡をかけてマスクをし、変装してから家を出た。
「えっと….ここ右?」
「あぇ、まって、左か?」
道に迷ってはブツブツと独り言を喋って、なんだかんだでお店へ到着。
「おっ、はっけーん。」
いつも照が買ってくるチョコレートを早くも見つけ、それを3箱買ってから家へ戻った。
家へ帰る途中、3箱買ったうちの1箱を食べて、途中にあるコンビニにゴミを捨てて証拠隠滅をした。
そして、まるで「元々2個買ってました」と言わんばかりの顔で部屋へと入った。
「ただいまーっ。」
『おかえりー。』
さっきまではグースカと寝てた彼氏の照。
俺が帰ってくるまでには流石に起きていたようで、何事も無かったかのように返事を返してきた。
あ、ひかるからしたら何事も無かったのか?
….いや、起きるの遅いだろ、もう1時なのに。
そんな照に早速渡す。
「はいっ、これあげる。」
『?、なにこれ。』
いや、流石に分かるだろ。
よく食べてるチョコだぞ?
『え?』
照の様子がおかしい。
もしかして、あの店のチョコの違う種類だった?
いやでも、いつもと同じ箱だし、同じ味だったし..
『手作りは?』
「….は?」
間違えたのかと思って焦って損した….
てか、手作り?俺が作れると思って言ってんのか?
スクランブルエッグに得体の知れない粉(塩)を入れた男だぞ?
…まあ、作ってあげれるなら作ってあげたかったけど。
「俺作れねーもん。(わら」
そう、先程から言っている通り、俺は全く料理のできない男だ。
変にまっずい物上げるよりかは食べ慣れてるお店のやつの方がいいだろうって思ったけど、どうやら照には違かったらしい。
『やだ、ならいらない。』
「はぁ?」
『ふっかの為に最近ずっと我慢してたもん、チョコ』
「..へぇ」
そういえば最近、チョコを買ってくる機会も減ったなぁ。
ダイエットでもしてんのかな、意識高いなー。って思ってたのに、まさかのバレンタインの為かよ。
これは食えよ、なんでもいいけど。
「そう言われてもさぁ….」
「俺、作れねぇから(わら」
「料理下手だもん。俺。」
そうやって理由を話しても、『下手でもいいから。』『ふっかのがいい』と、ママっ子の子供みたいに駄々を捏ねてくる。
ここまでくるとやっぱ思う「おれ、愛されてんだなぁ」って。
『作ろうよ』
『俺も一緒に手伝ってあげるから。』
『キャンディー作ろっ、キャンディー。』
「..いいけど、なんでキャンディー?」
ーー
💚🩷
「いったたた~っ..。」
今日はバレンタイーン!!
俺は料理得意..とは言えない。
得意じゃあないけど、できなくは無いので挑戦。
..でも、手切っちゃった。
「だめだぁ、いたぁい」
結構深く切ってしまって、なかなか血が止まる気配がない。
「あべち..」
「….だめだ、1人で何とかしないと」
彼氏の阿部ちゃんを呼ぶか迷ったけど、阿部ちゃんに頼りっぱなしは悪いので、1人で何とかすることにする。
とりあえず応急処置で絆創膏を付けておく。
「うわぁ、めっちゃ滲むなぁ..」
「とりあえずこれを冷やすまでは頑張って作らないと」
「よし!できたぁ!」
手の傷は痛いし、形は歪だけど..できた。
俺が作ったのは
「..あーべちゃんっ」
『ん?どしたの?』
部屋をちらっと覗いたら、彼氏は勉強に集中していた。
集中力が途切れたら申し訳ないので控えめに話しかける。
本当は今すぐにでも阿部ちゃんに抱き着きたいけど、我慢我慢..
「はいっ..これ。」
『え?』
困り顔で受け取る俺の彼氏は可愛い。
たまに俺よりも可愛いことするから..ほんとずるい。
『..ん、ドーナツ?』
「うん、ドーナツ」
俺が作った歪なドーナツをまじまじと見つめるもんだから、恥ずかしくて思わず体をウネウネさせてしまう。
なんか、うずうずしちゃって..
『嬉しい。』
嬉しそうに俺に微笑んでくれる。
そんな顔でこっちまで胸が暖かくなって、思わず笑みがこぼれる。
『じゃーあ、お返しっ』
「へっ?」
デスクの引き出しの中から出てきたのは中が見えない箱。
「開けてもいい?」
一言聞いて、返事を聞く前に箱を開封する。
出てきたのは….
「マフィン?」
綺麗なマフィン。
特に何かキャラになっているのではなく、オーガニックなマフィンだ。
『んふふ、チョコじゃないけど、逆チョコ。』
「嬉しい!ありがとぉ!」
『俺も嬉しい。』
2人で笑いあって、阿部ちゃんは俺の頭をフワッと撫でてくれる。
手が大きくて、暖かい。
『….嬉しいんだけど』
『ねぇ佐久間、その手..怪我しちゃった?』
「….」
血で染った絆創膏を付けてる俺の指を指さして言った。
この傷はドーナツを作ってる時に怪我したもの。
『怪我しちゃった?』の言葉に、少し間を開けてコクッと頷く。
『それだけじゃ止まるのも遅いから止血しないとだよ。』
『やってあげるから、おいで?』
『おいで』と同時に手を広げてくれた。
なので甘えてすぐに飛びつく。
ーー
🖤🧡
「う、うーん..」
『こぉじぃ。』
今日は一大事イベント、バレンタイン。
やのに、彼氏のめめが全然離れてくれない。
「もうっ、めめ離れてーや!」
『やだ、康二と離れたら死ぬ。』
「別れるのとちゃうんやからええやろっ、な?」
『むりー。』
「なんでやー、もお」
これはもう、伝えるしかない。
渡すまでは秘密にしたかったな..。
「バ..」
『俺トイレ行ってくるね。』
「はぁ?!」
『ん?』
「….なんもない。」
嫌々バレンタイのことを出そうとしたらトイレと席を離れた。
さっきまでの離れたくないモードはどこいったんや。
でも、ここしかチャンスがない。
めめにどうにか出掛けてもらわな。
「め、めめっ..?」
『はぁい?』
「ほんまごめんなんやけど、少し家開けて貰えんかな?」
『ん?なんで?』
「えっ、ぁ、あの..あのぉ..」
しもた、言い訳を考えてなかった。
めめなら2つ返事で了承してくれると思ってたんやけどなぁ。
でも、お馬鹿なめめにはバレンタインってことはバレてなさそう。
「..と、友達が遊びに来んねん!」
あかん、これは….
『なんで家なの?』
『外でもいいじゃん』
そう、めめは嫉妬深いのだ。
辛うじて遊びに行くのは許されるけど、。
「大丈夫やって!決してめめを不安にさせることはしません!」
『….分かった。』
「よっし!」
渋々了承したのか、変装をして家を出ていった。
これでも国民的アイドルやからな。
「よしっ、作るでー!」
今年、俺が作るのは マカロン
難しいって聞くけど、どうなんやろう。
ハート作りたいんよなぁ。なんて、未知の挑戦。
「めっちゃ綺麗やない?!」
「はよ帰ってこーへんかなぁ!」
思っていた通り..いや、それ以上に綺麗に作れた。
自分から追い出したが、めめが帰ってくるのが待ち遠しい。
ーーその時、玄関の方から扉の開く音がした。
『ただいまー。』
その声は確実に待ち望んでた人。
「めめーっ!」
『康二ただいま。友達は帰ったの?』
「え?..あ、おん、帰ったで!」
あかん、完全に友達のこと忘れとったわ。
よかった、咄嗟にごませて。
「….はいっ!」
「お口に合うか分かれへんけど、」
突然だが、そう言って渡したのは先程作ったマカロンを可愛く包装した箱。
我ながらええ出来栄えやな。
『え….バレンタイン?』
「せやで!」
『ありがとう。開けてもいい?』
「あっ、あかん!」
「俺のいるところで開けられたら恥ずかしい….」
『ふふっ、照れてる顔も好きだよ。』チュ
「んぇ….?」
『ありがとう。大好き。』
「っっ..ほんま、あんたって男はずるいんやから。」
ーー
ゆり組(💙❤️・❤️💙の判断はお任せします)
💙side
「あー、作り方わっかんねぇ。」
「溶かすにはどうしたらいいんだ?」
「レンチン?」
「んぁ?」
俺がうーうーと嘆いている理由。
それは日付を見れば分かりきっていること。
そう、バレンタイン。
俺が彼女側なのか彼氏側なのかも分からないけど。
元々幼馴染で、付き合ってもあまり空気感が変わらなかった俺らカップル。
お互い聞き出そうとしても聞けず、今更聞くのも恥ずかしい。
何よりも、俺はお菓子が作れない。いや、お菓子に限らず料理ができない。
彼氏側と仮定して、作らない。とも考えたが、もし彼が作らなかったら?
って思うと作らないといけない。
「クックパッド….」
どうにかこうにか一旦手をつけることに。
材料は、彼氏….いや彼女?が用意してくれてるのでそれで作る。
ああもう、呼びずれぇな….
涼太..涼太はどこで作るんだろ。
❤️side
「材料、少し貰ってくればよかったな。」
今日はバレンタイン。1年の中の勝負の日の1つ。
恋人も作ってくれるそう。
バレンタインと言えば、女の子が好きな男の子に渡す。或いは彼女が彼氏に渡す。そんなイメージがあるだろう。
でも、俺らは違う。
男性同士だから….って言うのは言い訳になるが、なんでも、彼氏彼女を決めていない(💙の方で話したのでry)
恋人と言うのも距離を感じるので、翔太。
翔太は料理が苦手なので少し心配な面もあるが、取り敢えずは置いておく。
とにかく、今はお菓子作りに向き合うことに。
ちなみに家のキッチンで2人で作るのは狭いので、俺は家を借りてそこで料理をしている。
「仕方ない、買ってくるか。」
家に沢山お菓子作りの材料はあるが、持ってくるのを忘れたので買ってくることに。
家に帰るのは翔太に悪いのでね。
なんだかんだでお菓子作りの材料を買って、調理を始めた。
💙
「….やべぇ、めっちゃ不味い」
なんでレシピを使ってまでもこんなに美味しくない物が出来上がるんだ。
しかも、これが初めてでは無い。
今この瞬間だけで3つは同じ物を作った。
ある意味才能とも言えるのでは?
「材料ないからこれ渡すしかないかぁ..」
よくよく思えば、もう1回材料買うのもありだったな。なんて、もう戻れないけど
❤️
「よしっ、とりあえず作れた。」
見た目も味も意識して作ったマロングラッセ。
意味は….翔太に渡すときで。
「ただいまー。」
家に近い所を借りたのですぐ帰れたが、翔太の声がしない。
一応翔太の名を呼んだけど、それでも返答なし。
今家にいないのかなとも過ぎったが、いつも履いているサンダルがないし、なにより、翔太に限ってこの時間に外出するタイプでは無い。
すぐさま靴を脱ぎ、一直線にキッチンへと向かう。
「って….寝てるし」
散らかっているキッチン、チョコの欠片が落ちている床、そして寝てる翔太。
疲れたのかソファの前で寝ている。
「もー、何してんの….」
『ぐかー』
大べそかいて寝てるので毛布を掛けておく。
『んぅー….』
『って..うわぁ!』
「いった、なに?」
急に目を開いたと思ったら急に起き上がる、起き上がった翔太の額と俺の額がぶつかってしまった。
『ご、ごめん..帰ってきてると思ってなくて』
「いや、もう数時間経ってるんだけど。」
『まじか?!』
そりゃ寝てたら時間も分からないよね。
日も伸びたから明るいし。
『….てか、降ろしてもらえます?』
「ああ、ごめん。」
床で寝てたので膝枕にしておいた。
完全に忘れていたけどね。
「あ、そうそう。冷蔵庫にバレンタインのお菓子入れておいたよ。」
『ほんと?見てくる!』
そう言って足どり軽くルンルンでキッチンへ向かった翔太。
『ぅわあああ!すげぇえええ!』
俺の作ったマロングラッセの箱を大事そうに抱えてこちらへと駆けてくる。
『美味そーだよ涼太!』
「ふふっ、なら良かった」
お腹を空かせているのか、微かにお腹の鳴る音が聞こえた。
『….あ、あんまり笑うなよ?』
「まだ笑ってないよ(笑」
『笑ってんじゃん!』
翔太の作ったのはまだかなぁとワクワクして笑っていたせいで、翔太のお腹で笑ったと勘違いされた。
….実際お腹の音で笑ったのもあるけどね。
「じゃあ、翔太のは?」
『えっ?….あー』
「….失敗しちゃったの?」
『….』
俯いて何も喋らないこの感じは多分失敗してる。
「俺の憶測だけだから..」
「翔太が作ったなら失敗しててもいいよ。」
「なんせ、作れないことなんて..」
『うるさいなぁ..』
少し被せ気味で拗ねた翔太。
翔太が作れないことなんて分かりきってる。
どんだけ長い期間一緒にいるんだって話だよね。
『涼太が作ったんだからいいだろっ、俺の無くても!』
「えぇ..翔太の楽しみにしてたんだけどなぁ。」
『..不味いぞ?いいんだな?』
「勿論。」
『ん…. 』
少し不機嫌そうにお皿に乗ったチョコレートを出してきた。
これはチョコレートなのか?
「….いただきまーす。」
『文句言うなよ。』
「分かってるって(笑」
チョコレートを手に取った時、チョコレートを口に近付けた時、何回も『文句言うなよ』って忠告された。
何回も言われなくても文句なんか言わないのに。
そして、チョコレートを口に入れた。
翔太は気まずそうに俯いてる。
「んっ……ん?」
『ほーら、不味いんだろ?』
「いや….うん、違う..このチョコ美味しいよ。」
….正直、とても美味しい、とは言いきれない。
けど、俺のために頑張って作ってくれたのがわかる味。
どんなに美味しいものよりも、こっちの方が嬉しい。
『チョコレートじゃねぇし、ガトーショコラだし。』
「えっ、そうだったの?」
それにしては形が..いや、なんでも(笑
『….まあいい。俺涼太の食べるから。』
『ん….うわっ!』
毎度お馴染み『うわっ』がでました。
これは美味しい証。良かった。
「ふふっ。」
「..ん、そうだ、マロングラッセの意味ってわかる?」
『んぇ?なぁに?』
口いっぱいマロングラッセを頬張って首を傾げている。
「マロングラッセの意味」
💛💜
チョコレート:貴方と同じ気持ち、今まで通りの関係で
キャンディー:貴方が好き、長く続く関係に
💚🩷
ドーナツ:貴方が大好き
マフィン:貴方は特別な人
🖤🧡
マカロン:貴方は特別な人
❤️💙or💙❤️
マロングラッセ:永遠の愛を誓う
ガトーショコラ:意味なし
ーー
危ねぇえええ!(笑
13日の16:30に書き終えた….😇
バレンタインってネタはあるからすぐ書き終えるかと思ったら、3日もかかった..
流石に危ねぇ。
てか、物語の方ゆり組長かったかもです、申し訳
ゆり組繋がりで、なべの意味なしはあえてですっ!
‘チョコなんだし好きって意味だろ’って言って作ってそうだなーという勝手な妄想💭
あ、そうだ、私今年頑張ってアイシングクッキー作るんです。
投稿出来たらします!(多分する
すのちるのアイシングクッキー作るつもり👍
無理だったら男共にチョコペンのチョコ直飲みさせます🙄
一応舘のクッキーは作ったんですが、目を苦戦しすぎて滲みました。
目の下真っ黒すぎて死んだ😇
投稿は多分数日後とかになるんで、気長に待っててください🤣
ではでは、ばばい!
追記:マフィンの修正しました!
見直してくれた方、ここまで見てくれた方、ありがとうございます🙇♀️
2日しか経ってないのに👀100越えててびっくりしました💓
私まだこんな伸びるんだ、とか思いましたね。
1人1人のバレンタインを短編で書こうかな..なんて調子乗りすぎですかね?🤣
コメント
6件
やっぱり最高でした😭 ゆり組が尊すぎて(>_<) 今回も神です😭😭😭
ゆり組がやっぱり好きだなあ。 楽しく読ませていただきました!