恋を知らない君との物語

「俺って、誰も好きになったことないんだよね」 ふとした会話の中で、目黒蓮が何気なくこぼした一言。 渡辺翔太はそれを偶然聞いてしまう。 ――　　じゃあ、俺が好きになっても、お前は何も感じない？　　 冗談めかして探るようにゆっくりと、じわじわと距離を詰めていく渡辺。 だけど、目黒はそんな視線の意味を知らないままいつも通りの優しさを向けてくる。 本気を隠して、冗談のように愛を囁く。 けれど、鈍感なその瞳に映るのは、恋じゃなくて――。 これは、恋を知らない目黒蓮と、彼を好きになった渡辺翔太の、 甘くて、切なくて、どうしようもなく愛しい物語。