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第十五章 「王都への道」
森を抜けてから、しばらく。
九人は王都フェルグランへ続く街道を歩いていた。
pe「……疲れた…」
tr「まだ歩き始めてそんなに経ってねぇぞ?」
pe「第一の試練で結構走ったんだよ!?」
kyo「まぁまぁ、peさん。王都まではまだ距離あるで」
pe「それを言わないでください…」
sn「僕も疲れた…」
md「オレモ…」
rd「お前たちは体力なさすぎだろ」
sn「rdさんがありすぎなんですよ」
kr「それは確かに」
rd「…そうか?」
kyo「自覚ないんかい」
その後ろでは、trとruが歩きながら話していた。
tr「ruさんって確か炎魔法でしたよね?」
ru「そうですけど…」
tr「じゃあ今度、どっちの炎が強ぇか勝負しましょ!」
ru「…なんで?」
tr「楽しそうだから!」
ru「俺は別に…」
tr「よし、決まり!」
ru「決まってない」
kyo「勝手に話進めんなや」
そのさらに後ろ。
cn「mdくん」
md「ナニ?」
cn「さっきからずっと同じ石を蹴ってない?」
md「…」
mdが足元を見る。
確かに、同じ形の石がずっと転がっている。
md「…オレ、ヒマ」
cn「俺も」
md「ナニスル?」
cn「石を蹴る」
md「ソレ、サッキカラヤッテル」
cn「じゃあ続けよう」
md「ソウダネ」
二人は再び石を蹴り始めた。
pe「…あの二人、何してるんだ」
sn「僕にも分かりません」
そんな中。
先頭を歩いていたrdが足を止めた。
rd「…待て」
全員が止まる。
kr「どうした?」
rd「この先に人がいる」
sn「僕も感じます」
snが目を閉じる。
「《サイコ・サーチ》」
しばらくして、snが目を開けた。
sn「…魔力は弱い。たぶん普通の人」
pe「じゃあ大丈夫そう!」
rd「…いや」
rdが街道の先を見る。
rd「人がいるのに、馬車の音がしない」
全員の表情が変わった。
kyo「…なんやそれ」
九人は慎重に進んでいく。
やがて、道の先に一台の馬車が見えてきた。
しかし─
馬はいない。
車輪は壊れている。
荷台には誰も乗っていない。
pe「…これ、誰の馬車?」
kr「分からない」
tr「襲われたのか?」
ru「周囲を見てみよう」
九人が馬車の周囲を調べる。
cnが地面にしゃがみ込んだ。
cn「…これ」
地面に残っていたのは、黒い羽根だった。
pe「また…」
kr「黒羽か」
rd「…」
rdが羽根を拾う。
その瞬間。
─カチッ。
小さな音がした。
rd「!?」
地面に魔法陣が浮かび上がる。
kyo「うわっ!?」
tr「なんだこれ!」
魔法陣から黒い霧が広がっていく。
sn「全員、離れてください!」
「《エスパー・バインド》」
snが魔力を抑え込もうとする。
しかし─
バチッ!
sn「っ…!」
snの魔法が弾かれた。
kr「sn!」
rd「全員、戦闘態勢!」
九人が武器を構える。
だが、霧は次第に薄くなっていった。
そして魔法陣の中心に、一枚の紙が現れる。
pe「…手紙?」
rdが拾い上げる。
そこには、たった一言。
『第二の試練は、王都の門をくぐった瞬間に始まる。』
kyo「…」
tr「…」
sn「…」
pe「…」
md「……イヤナヨカン」
cn「俺は楽しみだけど」
pe「cnさんは黙っててください!!」
krが紙を見つめる。
kr「俺たちが王都へ向かうことも、全部知られているみたいだな」
rd「ああ」
rdは紙を握りしめる。
rd「なら、予定通り王都へ向かう」
pe「本当に行くんですか!?」
rd「行く」
pe「ですよねぇぇぇ!!」
kyo「しゃーないやろ。ここまで来たんや」
ru「それに、黒羽が王都にいるなら放っておけない」
tr「よし! 早く行こうぜ!」
sn「trさん、ちょっとは警戒してくださいよ…」
tr「してます!」
sn「どこが!?」
tr「全部!」
sn「分かりません!!」
九人は再び歩き始める。
遠くに、巨大な城壁が見えてきた。
その向こうにあるのは─
王都フェルグラン。
そして。
九人を待つ、第二の試練。
rd「…行くぞ」
kr「ああ」
九人は王都へ向かって歩いていった。
その姿を、遠く離れた丘の上から見つめる影があった。
黒い羽根が風に揺れる。
??「…もうすぐだね」
小さな声が、風に溶けていく。
─第十六章「王都の植物使い」へ続く。