テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
現役高校生、休日はほぼニートの俺。
その名も落合拓磨(おちあいたくま)。
平日は高校に行き、帰宅すればすぐさまゲーム三昧。
休みの日は一歩も外に出ないザ・ニート生活で、スマホをいじっている。
こんな俺が言うのもあれだが、毎日が退屈で仕方ない。
だから、何か奇跡が起きてくれたらなんて、そんな甘い考えを持っていた。
だが当たり前のこと、叶うはずもない。
「はぁ…」
無性に腹が立ってきて、俺は親友の白木遥大(しらきようた)にラインを送った。
『なんか暇だわ。スマホゲームしね?』
俺はこんな風に、思いつきでラインを送りがち。
それが迷惑と、遥大以外の友達にはラインをブロックされている。
遥大は人がいいくせに何でもスケールが大きくて、出来ないと言われても絶対にやってのける強い精神を持っている。
それが羨ましいと思ったことは言うまでも無い。
するとだ。
遥大から思わぬ返信が返ってきたのだ。
『わかる、俺も暇なんよな』
『そしたらさ、今年の夏休み、一緒に旅行しねーか?』
『ちょっくら出かけよーぜ?』
あまりにも急すぎる展開に、俺は呆れた。
『そんなのできるわけねーだろ。俺ら高校生だぞ?』
『辞めといた方が良いんじゃね?行くならお前一人で行けよな』
『俺、興味ねーわ』
そう返したが、諦めの悪い遥大の感情は揺るいでいなかったようで、またまたでっけぇ夢かなんかを話しだした。
『そんな事言わずによー!』
『高校生「だから」出来るんだ』
『てかそもそも、言い出しっぺはお前だろ?お前が暇だって言ったんじゃねーか』
『一回くらい出かけてみたって、良いんじゃあ無いのかよー!』
『いやちげーよ。俺がやりてーのはスマホゲームだっての』
『ったく。スマホゲームなんていつでもできるだろうが』
『俺ら、二人でニート生活そろそろ卒業して、遠いとこ出てみようぜ!』
どう言っても聞かない遥大に、俺は渋々OKを出した。
まあ出かければ良いだけだし、すぐ帰ってこれば良いよな。
確かに夏休みは暇だろうし、これでもかってくらい休んだもんな…
俺は一部納得した。
それに、遥大と二人旅か――
あいつが居れば頼りになるし、意外と良いかも知れねえなぁ…
俺はそう思い、遥大に電話を掛けた。
旅行の話はどんどん進んでいく。
「じゃ、四泊五日で決定だな!」
「ああ、そうしよう」
そんなこんなで行き場所も決まり、交通機関の予約の話になった。
新幹線に乗るのだ。
「財布の口が緩むぜ」
「ほんとそれな」
「だけどお前バイトしてねーんだから、あんま金使うなよ?w」
「旅行できる金くらいあるわバーカ」
「草w」
やはり遥大とは話が弾む。
そしてコイツが親友で良かったなんてことも考える。
俺は新幹線の予約を済ませ、鼻歌交じりに旅行の準備を始めた―――。
コメント
1件
【天真爛漫恋おとめ】と掛け持ち申し訳ないです💦 こちらはのんび〜り投稿していきます♪ 次話:新しい仲間登場 です