スクルドは死を覚悟した。
しかしその瞬間。カエルに無数の切れ込みが入り、カエルは細切れになった。
?「大丈夫かい?」
スクルド「あなたは……?」
アルベルフ「私はアルベルフ。そこら辺にいる旅人さ。君は?」
スクルド「僕はスクルドって言います……うっオエッ」
スクルドは先程の光景と消化されてしまった女の子を見て思わず吐いてしまった。
そしてそれと同時に虚しさと苦しさと怒りを感じた。それは全て自分に向けてのことだった。
アルベルフ「大丈夫かい?」
スクルド「アルベルフさん……でしたよね?」
アルベルフ「どうしたの?」
スクルド「さっきの剣術凄かったです……どうやったら剣が上手になるんですか?」
アルベルフ「日頃の鍛錬さ。君も鍛錬したら私みたいになれるよ。ひとつ教えてあげよう。剣は心だ。剣とひとつになれ。そして試練を乗り越えるんだ。」
スクルド「それって……」
気がつくとアルベルフという人は消えていた。かわりにひとつの欠片が落ちていた。忘れ物かなと思い。持ち帰ることにした。
家に帰ってみてもまだ心はまだ晴れなかった。
目の前で人が死んだのだ。誰だってそうなる。
しかしスクルドは2日もしたら直ぐに回復した。アルベルフの言葉を思い出したからだ。試練を乗り越えないと強くなれない。そうだ。これは試練なんだと。
そうしてスクルドは毎日剣を振った。走り込みも行った。そしてスキルの鍛錬も欠かさなかった。
そうして数年後……
毎日のように剣を振り、女の子のお墓に行った。すると
スクルド「ッッ!!!」
目の前に巨大なカエルが現れた。数年前のよりも遥かに大きい。
スクルド「ようやく姿を現したな!!お前はこの手で必ず打ち倒してやる!!!」
スクルド「一心剣技、居合切り」
スクルドはそう言うとあっという間にカエルの後ろに回り込んでいた。そしてカエルには傷がついた。
カエルは発狂してスクルドへ襲いかかった。
スクルド「スキル1 炎魔法 炎陽」
それは数年前の小さなフレイムではなく大きな炎の塊になっていた。
カエルはこの温度に耐えきれずに燃え尽きていった。
スクルド「やっと果たせたよ……仇はとった。安心してね。」
よくよく考えたら名前も知らない女の子のお墓へ行きお参りをするのは妙かもしれない。しかしこれで女の子の弔いになるのならこのくらいしてやる。
後ろから大きな声が聞こえた。気がつくと囲まれていた。
傭兵「貴様か。最近森で少女が行方不明になっているという噂を聞いている。大人しくしろ。」
スクルド「落ち着いてください。貴方誰なんですか。僕はただこ」
言い終わる前に傭兵の剣が振るわれた。
スクルド「一心剣技 半月」
後ろへ回り傭兵は真っ二つになった。
すると傭兵がまだまだ攻め込んでくる。
でも数は少ない。普通にやれば対処出来るはずだった。他の傭兵よりも大きい傭兵が飛び出してきた。速い。何とか避けきれたが当たったら一溜りもないだろう。
スクルド「お前がここのボスか。答えろ。何がしたい。おれはそんな事件の犯人じゃないぞ。」
傭兵のボス「ハハッ!!何を言ってんだ!そんなんは嘘だよ!ただそれで大人しく捕まればそのまま刺すだけだったのさ!!お前で8人目だ!!喜べ!!これだけあれば儲けもんだ!」
スクルドは殺意が沸いた。
スクルド「一心剣技 居合切り」
しかし傭兵のボスは攻撃を避けてそれに合わせて背中を刺した。
スクルド「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙!!!!!」
スクルドは本能的にこいつには勝てないと思った。
スクルド「あっ……スキル……1ッ!!えんy……」
傭兵のボス「スキル8 悪魔の銃」
スクルドはすぐに炎陽を発動しようとしたが傭兵は銃を取り出してスクルドの背中と口を撃った。これではスキルも発動できない。
ああ……終わった。
スキル2「反撃の唸り」解放